もうすぐ

亡父の誕生日だ

10月7日

亡父は蕎麦が好きだったから

命日と誕生日にはなるべく

蕎麦をいただく

生きていたら81歳

あれから19年

私には何の力も無く

亡父を助けることができなかった

私は亡父が生きている間

ケンカばかりしていたし

口煩い亡父を煩わしいと思っていた

何も親孝行出来なかった

時々散髪をしてあげたことぐらいしか

何もしてあげられなかった

こうやって

思い出したように

自分を責めてみても

明らかに

普段は自分のことで精一杯で

忘れていることが多くなった

あれからだんだん

双極性障害の症状が酷くなり

私は働けたり休んだりを

繰り返している

亡父が命懸けで作った財産の多くを

そのせいで使ってしまった

生きていることが申し訳なくて

辛いと思っても

残された母にもう一度

同じ思いをさせるような

惨いことは出来ないから

辛うじて生きている

母がもとの明るさを取り戻して

天真爛漫でいてくれることに

感謝している

私にはまだ

亡父の死を受け止めきれていない

受け止めきれないまま

忘れていくのだろうか

故意に忘れようとも

していると思う

生きているだけで

人に迷惑を掛けている自分を

許せる日は来るのだろうか

人生これから挽回出来たら

お金をたくさん稼げるようになったら

宝くじでも当たったら

自分を許せるようになるのだろうか

生きているだけで命に感謝できるように

いつかはなれるのだろうか

父を思い出すことイコール

自分の罪と負債を思い出すことに

なってしまっている

父に

私に命を与えてくれたことだけを

感謝できるようになれたら良いのに