将来の地球人類はこんな素晴らしいことになるというヒントや答えが書いてあるこの本なのですが、このタイトルのせいで、この本に接する人が限られてしまっているのは本当にもったいないことです。
食料自給率など気にしないで良い社会が作れますね。世界のどの国においても。
世界の人々がほぼ平等になって。
「クローン人間にYes!」ラエル著
未来の家
未来の家は、現在私たちが知っているものとは全く違ったものになります。
新技術のお陰で、一戸建てや集合住宅であるかに関係なく、生活のための単位は完全に自給自足の状態となるでしょう。
現在はすべての住居が資源に依存しています。電気エネルギーの分配、上・ 下水道、ゴミなど、すべてが集中化されたシステムになっています。
全く同じ形のインフラストラクチャー(社会基盤)方式が、食物の分配に関 しても使われています。
未来には、これらのインフラストラクチャーが不要となります。
ナノ・テクノロジーのお陰で、私たちの食べ物は食物合成機で生産されるよ うになり、基本的な化学物質から何でも作ることができるようになります。牛 の頭から、鶏のモモ、果物、野菜、飲み物まで。これまで見てきたように、す べての食糧生産の鎖、つまり農業に始まる食料生産に関する産業は、廃止され ている可能性があります。
メンデレーエフの周期律表にあるすべての元素を含んだ液体を、常に合成機 に与えるだけでいいのです。ちょうど現在でも水道の蛇口から水が出るように、 この「メンデレーエフの水」の液体を配管で各住居の合成機へ与えることにな るでしょう。
しかしこのシステムも、最終的な段階である生活圏の分散化のところまで来 ると、各生活単位の、物質とエネルギーの全体的なやりくりのシステムの中に 統合されてしまうことになるでしょう。
このようなシステムでは、各アパート や家はすべての点で、100パーセント自給自足となります。 私たちが飲む水は尿の段階で回収され、ナノ・テクノロジーによって100パ ーセント純粋な上水に変えられます。同時に、ミネラルも大事に再利用されま す。同じように、排便で出る物質も回収され、尿から出るミネラルと共に、明 日の食料とするためにリサイクルされます。
このようなシステムでは、外部からの毎日の食料供給や、汚れたゴミの廃棄 などは全く無くなります。継続的なリサイクルでは、時々に数グラムの、メン デレーエフの全元素を含んだ物質や粉、数リットルの水の補給でさえ必要とし なくなります。
このような住居の空調設備では、私たちが吐き出した空気も、私たちの呼吸 や発汗で失われた水と共に濾過ろかされ、埃ほこり もリサイクルされます。
私たちが必要とする電気エネルギーは、各住居に設置された洗濯機ほども大 きくない、それ自体もナノ・テクノロジーによって機能する燃料電池によって、 空気中の水素を利用して作られ、すべての洗濯、照明、空調などに必要なエネ ルギーを十分に賄まかな うことができるようになるでしょう。
電子情報が、数々の利点を伴ともな って新聞や雑誌に取って代わるでしょう。これらの出版や、紙やインクの製造に関わる産業は、地球の無残な森林破壊と紙の 漂白剤に関連して、水系や大気の汚染に責任があります。
それらの印刷物のほとんどは、翌日にはゴミ箱に捨てられてしまうような馬 鹿げた内容のものばかりです。そのゴミ捨て場は、もうどうしようもないほどゴミの山でいっぱいで、それがまた地下水を汚染してしまうのです。
これらのすべては、ナノ・テクノロジーのお陰で実現する、自給自足のでき る生活の場によって無くなります。
つまりエネルギーや、食料、水などの資源 や、ゴミ捨て場などへの依存が無くなります。
遠距離通信や非常に重要なインターネットなども、各住居単位に個別に備え 付けられたアンテナで直接、人工衛星を利用して行われます。
家そのものも、一種の生物学的な物質から造られ、構造自体がナノ・ロボッ トで構成されています。
例えば床は、生きた皮の上に敷かれた厚く快適なカー ペットで覆おお われていて、それはゴミや埃ほこり を自分自身に取り込んで栄養源とした り、古くなって傷いた んだものを新しい繊維に伸ばすために利用したり、その繊維 の間にはナノ・ロボットがいて、常に繊維を掃除していたりということもでき ます。
壁も、それ自体が自浄能力のある物質で覆われていて、色を変えたり、あな たの希望に添った想像し得る限りのモチーフ(図柄)で、常にそれ自体を修復 します。あなたのパソコンのスクリーン・セーバーを選ぶように、あなたの家 の壁の色を選ぶのです。1日ごとに変えてもいいし、時には、1日に何度でも 変えることができます。
そればかりか、壁の色は動画のように変化させることもできますし、或あ る時 間ごとに変えることもできます。
窓の位置自体も、あなたの望みで移動させることができます。なぜならナノ ・テクノロジーによって、意のままに物質を透明にすることさえ可能になるか らです。
あなたが今、どこかに家を建てようと決めたとしても、そのために働く必要 は全くありません。前もってそれ用にプログラムされた、基本となるナノ・ロ ボットの入った小さな箱を持って行くだけです。それは勝手に十分な数まで増 殖し、地中にある物質を利用して、原子や分子のレベルで物質を再構成します。 肉眼では見れない顕微鏡的に小さいナノ労働者たちは、あなたが前もって選ん でおいた設計図に従って、あなたの家をキノコのように地中から生えさせます。
あなたが或る日、別の場所に移転しようと決めた場合も問題はありません。 同じナノ・ロボットがあなたの命令を実行し、その場所を元通りに自然の姿に 戻します。草や見事な大木までも、そこにあなたが来る前にあった通りになり ます。これはちょうど、庭に植えると生えてくる「家の種」を植えるようなものです。
出版社:無限堂
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