Rael Maitreya
Koichi Raelian 訳
picture
ファイザーはナイジェリアの子供たち200人を対象にワクチンを試験しました。そのうち11人が死亡し、数十人が生涯にわたる障害を負いました。
ーー
「アフリカ人をモルモットに変えた」――アフリカにおけるワクチン・臨床試験スキャンダル
一般の人々がアフリカの医療やワクチン接種キャンペーンについて考えるとき、国際的な人道支援、善意に基づく技術移転、緊急医療支援といった穏やかな物語を聞かされることが多い。それは、集団の記憶を麻痺させるための完璧な覆いなのだ。
歴史的、医学的、そして記録によって裏付けられた現実は、想像を絶するほど過酷なものだ。アフリカ大陸はあまりにも長い間、世界の巨大製薬企業にとって、屋外の実験室、そして臨床試験における都合のよい調整弁として利用されてきた。
ある国の医療体制の脆弱性と、国民が置かれた深刻な健康危機が組み合わさったとき、医学は人々を守る盾ではなく、搾取のための道具になってしまう。国際的な法的調査、外交文書の流出、市民社会による報告などを通じて明らかになった事例を調べると、医療を利用した搾取の実態が浮かび上がってくる。ここでは、日付、数字、そして固有名詞を含む事例を取り上げる。
第一の事例は、1996年4月、ナイジェリアのカノ州で起きたファイザー社の「トロバン事件」である。
1996年4月、ナイジェリア北部のカノ州では、髄膜炎菌性髄膜炎の大規模な流行が発生した。地元の病院は患者であふれ、住民は深刻な危機に直面していた。まさにその時期に、アメリカの巨大製薬企業ファイザーの研究チームが現地に入った。
ファイザーは、広域抗菌薬として期待されていた新薬「トロバフロキサシン(Trovafloxacin)」を試験しようとしていた。アメリカでFDAの厳格で時間のかかる承認手続きを進める代わりに、同社はカノの感染症病院で、脆弱な立場にあったナイジェリアの子ども約200人を対象に直接臨床試験を実施した。
その後の調査では、この試験が、十分なインフォームド・コンセントを得ることなく、また地元の倫理委員会による正式な事前承認もない状態で実施されたと指摘された。さらに、比較対象となる標準治療のセフトリアキソンについて、トロバンの効果がより高く見えるようにするため、投与量を意図的に低くしたとの疑惑も生じた。
この試験の結果、11人の子どもが死亡し、さらに数十人の子どもが失明、聴覚障害、言語障害、麻痺など、生涯にわたる障害を負ったとされている。
その後、この事件は大きなスキャンダルとなり、約15年にわたる法廷闘争へと発展した。2009年、長年の否定や政治的圧力をめぐる問題が取り沙汰された後、ファイザーはナイジェリアのカノ州政府および被害者の家族に対して、総額7,500万ドルを支払う和解に応じた。2011年8月には、被害を受けた家族への最初の支払いとして、1家族あたり17万5,000ドルが開始された。
その後、トロバンは肝毒性などの問題から、アメリカやヨーロッパで使用が禁止または大幅に制限されることになった。
第二の事例は、2020年から2021年にかけての偽ワクチンの製造・流通と詐欺事件である。
2020~2021年の新型コロナウイルス感染症の世界的流行において、アフリカは欧米諸国と比較してワクチンの供給において構造的に後回しにされた。この供給不足は、偽造品を扱う闇市場や組織犯罪に大きな余地を与えた。
2020年11月、国際刑事警察機構(INTERPOL)は世界的な警告を発した。南アフリカのヨハネスブルグ近郊、ジャーミストンでは、約2,400回分の偽造ワクチンが隠された違法な倉庫が当局によって発見された。
同時に、外国人と現地住民が関与する複数の犯罪ネットワークも存在し、中国で摘発されたネットワークの中には、数千回分の偽ワクチンを国外へ発送していたものもあった。こうした偽ワクチンには、単なる生理食塩水や水などが使われていたとされる。
これら二つの事件は、決して孤立した事例ではない。アフリカが低コストで臨床試験を行える場所、そして人命よりも利益が優先されやすい場所として扱われてきたという、より大きな構造的問題を反映している。
科学が利益追求と結びつき、倫理的な安全装置が機能しなければ、アフリカの人々の身体は実験室になってしまう。
今こそ、無条件に信じる姿勢を捨て、透明性、厳格な倫理基準、そして正義を要求する時である。
私は「L'IMPACTEUR」。
MEDEGNAN CONSULTINGの創設者。アフリカ大陸において、事業戦略、事業構築、経営再建、最適化、デジタル化、そして事業システムの監査に関するコンサルティングを行い、起業家、投資家、政府機関を支援している。


