Rael Maitreya
ある中国人免疫学者は、樹木が放出する化学物質が人の血液中に取り込まれることを実証することにそのキャリアのすべてを捧げました。それらの物質は、ストレスホルモンを抑制し、既存のいかなる処方薬も及ばないほどに免疫系を強化する働きを持っています。
Hashem Al-Ghaili
週末に「森林浴」を行うと、免疫系における病気と闘う細胞の働きが最大で80%高まり、その効果が丸1ヶ月間持続することが科学的に実証されています。
しかし、問題があります。米国環境保護庁(EPA)によると、平均的なアメリカ人は人生の約90%を屋内で過ごしており、これが深刻な健康危機を招いているのです。
スクリーンに囲まれ、ストレスの多い環境が支配する現代において、何世紀にもわたって行われてきたある習慣が、現代科学に裏打ちされた強力かつ自然な解決策として注目されています。日本医科大学の免疫学者である李卿(り・けい)博士は、20年以上にわたり「森林浴」の研究を続け、自然の中で感じる直感的な安らぎを、確かな生物学的データとして解明してきました。
博士の画期的な研究により、樹木が「フィトンチッド」を放出していることが明らかになりました。これは、森の防御システムとして機能する、抗菌作用を持つ揮発性有機化合物です。人間が木々の間を歩き、これらの有機化合物を吸い込むと、化学物質が血流に入り込みます。すると、身体に負担をかける「闘争・逃走反応(ストレス状態)」から、心身を回復させるリラックス状態へとシフトさせる、一連の有益な生理的反応が引き起こされるのです。
森林がもたらす医学的・生理的な効果は、極めて大きく、かつ驚くほど持続性があります。
李博士の研究によれば、フィトンチッドを吸入することで、ナチュラルキラー(NK)細胞の数と活性が著しく増加します。NK細胞は、ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞を破壊する上で極めて重要な役割を果たす白血球の一種です。森の環境で2泊3日を過ごすだけでも、NK細胞の活性は最大80%高まります。これは劇的な免疫力の向上であり、単に都会に戻ったからといってすぐに消えてしまうものではありません。
特筆すべきは、こうした身体を守る生理的効果が体内で最大1ヶ月間も持続する点です。これは、定期的に自然の中へ出かけることが、個人の予防医療において不可欠な要素であるという強力な科学的根拠となっています。
出典: Li, Q. (2022). Effects of forest environment (Shinrin-yoku/Forest bathing) on health promotion and disease prevention: The establishment of 'Forest Medicine'. Environmental Health and Preventive Medicine, 27, 43.
