Rael Maitreya
Nobby Raelian
訳
人工知能および生物知能におけるエネルギー効率
近年、AI(人工知能)は著しい進化を遂げ、複雑なパターン認識や問題解決、創造的な成果物の生成など、多くの分野で人間を上回る能力を発揮しています。
しかし、「汎用AI(人間のように多様な知的活動を行えるAI)」の実現には、依然として多くの障壁が存在しており、そのひとつが「エネルギー効率の低さ」です。
●人間の脳とAIのエネルギー消費の違い
人間の脳は、およそ1000億個の神経細胞を持ちながらも、わずか12ワット程度の電力で作動し、驚異的なエネルギー効率を誇ります。
一方、AIを動かすスーパーコンピューターは、数千万ワットもの電力を必要とし、脳をシミュレーションするには27億ワットが必要とされるといいます。
これは、人間の脳が現在のAIに比べて何百万倍もエネルギー効率が高いことを示しています。 また、ChatGPT-3の訓練には約1300メガワット時の電力が必要で、これは米国の家庭130軒分の年間消費量に相当します。こうした電力消費の増加は、環境負荷やコストの面で懸念を呼んでいます。
●生物知能に学ぶ
人間の脳は、500億年の進化を経てもなお、複雑な環境に適応しながら動作し続けており、柔軟でノイズの多い計算方式により、必要最低限の精度で必要十分な結果を出すことができます。また、タスクに応じてエネルギー使用量を調整する機能もあり、これは現在のAIではまだ一部でしか実現されていません。こうした生物的な計算の特徴をAIに取り入れることで、エネルギー効率向上が期待されます。
●インテリジェンスにおける「身体性」
神経科学者アントニオ・ダマシオによれば、人間の知性や意識は脳・身体・環境の相互作用から生まれるとされています。情報処理は脳だけでなく、身体全体で行われており、「身体性」は知能の本質の一部です。この観点からは、AIが人間並みの知能を持つには、物理的な身体との統合が必要かもしれません。現在、ロボットや自動運転車などでその方向に進んでいますが、人間のような巧みな動作や空間認識にはまだ及びません。
●集合的知性の力
さらに、人間の強みとして「協働による集合的知性」があります。多様な視点やスキルを持つ人々が連携することで、AIでは難しい直感的かつ創造的な解決策を生み出すことが可能です。AIが計算や分析で優位に立つ一方、人間のチームはエネルギー効率の高い方法で革新的な成果を出すことができます。
●AI時代を生き抜くために AIの進化が続くなか、人間が優位性を保つためには、まず身体と心の健康を保ち、生物的知能を最大限に活かすことが求められます。睡眠、運動、栄養などのリズムを守ることが基本です。 加えて、職場などでの効率的なチーム協働も重要です。組織文化や対立、制度上の問題を乗り越え、協働が機能する環境を整えることが、AIと共存していくうえでの鍵となります。 このように、生物としての私たちの知性を活かし、チームで連携しながらAIと共に未来を築くことが求められています。
出典:https://blog.neurozone.com/energy-efficiency-in-artificial-and-biological-intelligence…
