え?電池切れ? 米大統領選討論会でのバイデン氏に中国ネット民は大はしゃぎ(遠藤誉) - エキスパート - Yahoo!ニュース

末尾の部分だけ紹介します:

 

◆なぜ中国はトランプの勝利を喜ぶのか?

 中国には「川大智勝」という名の企業がある。

 

 トランプは中国語では「特朗普(Te-Lang-Pu)」と正式の文書では書くが、巷では「川普(Chuan-Pu)」と書く方が多い。「川」という文字は、したがって、「トランプ」を連想させる。

 そのためか、6月28日に「川大智勝」社の株が急上昇した。その模様を図表5に示す。

 

図表5:「川大智勝」社の株が急上昇

出典:東方財富の株価ツール
出典:東方財富の株価ツール

 

 たしかに6月28日に急上昇している。

 「勝」という文字まであるので、「川(トランプ)が勝(勝利した)」という意味合いを出しているというだけで、庶民の気持ちがそちらに動いたのだろう。

 

 それにしても、なぜ中国はバイデンよりトランプを好むのだろうか?

 一般的な印象としては、トランプは型破りの大統領で正直者だと多くの若者が思っているという傾向にある。いわゆるインテリ層などをなぎ倒していく豪快さと、次に何をやるか分からないということが面白いらしい。

 そもそも北朝鮮の金正恩委員長と仲良くしたいとして会談したり、プーチンのことが好きだったりと、中国人には親近感を抱かせる。

 中国政府としては、どんなに高関税や制裁をかけられても、トランプは台湾の独立派をけしかけて、中国を武力攻撃せざるを得ない方向に持って行こうとはしないという意味で、バイデンよりはトランプの方がマシ、という気持ちがあるものと推測される。

 

その詳細は拙著『嗤う習近平の白い牙』の【第一章の二 もしトランプが大統領に当選したら台湾有事はどうなるか?】で述べた。

 

遠藤誉

中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平が狙う「米一極から多極化へ」 台湾有事を創り出すのはCIAだ!』、『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。2024年6月初旬に『嗤う習近平の白い牙』を出版予定