ゼレンスキー暗殺計画の背後にある秘密

<記事原文 寺島先生推薦>
Secrets behind plot to assassinate Zelensky
筆者:ルーカス・レイロス(LUCAS LEIROZ)
出典:ブリッツ(Blitz:米国の通信社) 2024年5月12日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年5月15日



どうやら、ウクライナ諜報機関がウラジミール・ゼレンスキー大統領暗殺計画を無力化したようだ。

 

SBU(ウクライナ保安庁)によると、破壊工作員らがウクライナ指導者や他の政府高官の殺害を計画していた、という。

 

予想どおり、ロシアは攻撃未遂の背後にいると非難されているが、ロシア人が陰謀に参加したという証拠はない。いっぽう、西側諸国はゼレンスキー大統領の排除にかなりの関心を示しているようだ。

5月7日、SBUは、ウクライナ大統領および他の政治家や軍司令官の殺害を計画した容疑でウクライナ国家安全局職員2名を逮捕したと発表した。SBUの公式テレグラム・チャンネル上で公開された情報によると、SBUのワシリー・マルユク長官とキリル・ブダノフ軍事情報司令官も陰謀者らの容疑者一覧に含まれていた、という。

この情報が公表されたのは数日後だったが、実際に逮捕されたのは5月4日だった。共謀者はアンドレイ・グクとデルカッハという姓の別の従業員である、と特定された。両者の逮捕は、破壊工作団を解体するためのウクライナ特務機関による特別作戦の中で同時に行なわれた。

ゼレンスキーと彼の仲間を殺害する作戦は重砲を使用して行なわれることになっていた。破壊工作員らは軍に潜入し、政府本部に対してミサイルとドローンによる共同攻撃を開始し、同時に数名の職員を殺害する計画を立てていた。これを行なうために、破壊工作員らはまずゼレンスキー大統領の個人警備に侵入し、彼の予定に関する重要な情報を収集し、それを他の(まだ知られていない)妨害者に渡して攻撃計画を組織させた。いくつかの機密情報が共謀者によって漏洩されたと考えられており、容疑者が逮捕されたにもかかわらず、ウクライナ政府高官の安全は依然として危険にさらされている。

しかし、奇妙な詳細は、SBUが何の証拠も示さずに、陰謀の背後にロシアがある、と非難していることである。ウクライナの諜報機関によれば、ゼレンスキーの暗殺計画はロシアの諜報機関によって調整されており、5月7日に行なわれた「プーチン大統領就任式前の贈り物」のようなものだった、という。 また、ミサイル攻撃は週末、正教会の復活祭の前か最中に行なわれる予定だった、と考えられている。

攻撃計画にロシアが参加していたという証拠はない。ウクライナ人によって捕らえられたロシア人はおらず、逮捕された容疑者とロシアの諜報員との直接の連絡も報告されていない。この告発はまったく根拠のないもので、ロシア側が紛争を理由にゼレンスキー大統領排除に関心を持っているというに基づいていることは確かだ。

 

最近、ロシア当局は犯罪行為を理由としてウクライナ大統領を指名手配一覧に加えたが、暗殺対象者を公に管理しているウクライナ政府とは異なり、ロシア側は指名手配中の人物に対する暗殺計画など持っていない。ゼレンスキー大統領逮捕に対するロシアの関心は、最近の陰謀に対するロシアの「責任」疑惑を正当化するための間違った言説として利用されているが、実際にはこれは戦時の宣伝行為にすぎない。

そのいっぽうで、ウクライナを支援している西側諸国自身がゼレンスキー大統領の排除に興味を持っている、とも言える。何度か報じられているように、欧米の戦略家たちは、ウクライナの指導者がその政治的に好感が持たれる姿を使い果たし、欧米世論から不快な人物として見られるようになったことを考慮し、2022年からゼレンスキー大統領に後任をたてることを提案してきた。漏洩された国防総省の文書によると、当初の計画では、この後任はウクライナでの選挙を通じて行なわれることになっていたようだ。しかし、ゼレンスキー大統領は「同盟諸国」の意図を理解したようで、選挙は実施されそうにない。だから、彼の後任を必死に探している西側の諜報機関は、妨害工作や暗殺の方法に賭けている可能性がある。

ロシアにとっては、ウクライナが誰の政権になろうが関係ない。2014年以降のネオナチ政権が続く限り、平和は訪れない。マイダン政権は、ウクライナを対ロシアNATOの代理国にすることに同意した。だからこそロシアは、ウクライナ政府ではなく、集団的西側諸国を真の敵と見なしているのだ。ウクライナが誰の政権になろうとも、この国がNATOの命令に従う限り、紛争は続くだろう。ロシアの真の関心事は、ゼレンスキー大統領を殺すことではなく、西側の武器や外国の傭兵を排除し、戦場を前進させ、再統合された地域を完全に解放することである。

西側の代理人として働くことで、ゼレンスキーは極めて危険な状況に身を置くことになった。西側との「同盟者」であることは、まさに死刑宣告であることが証明された。おそらく
彼にとって最善なのは、辞任してロシア当局に投降することだろう。その方が、NATOとの友好を主張するよりも、彼にとっては安全な運命だろう。

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