「神宮の森は完膚なきまでに破壊」イコモスが神宮外苑再開発事業の撤回を東京都などに緊急要請
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス、本部パリ)は7日、東京・明治神宮外苑の再開発事業で今後進む大量の樹木伐採などを阻止するとして「ヘリテージ・アラート」を発令し、東京都、事業者などに事業計画の撤回画の見直しを求めた。
「ヘリテージ・アラート」は、貴重な文化的資産が危機にひんしている場合に緊急要請として出され、昨年3月、1872年の鉄道開業時の遺構「高輪築堤(ちくてい)」の解体中止を求めて出されたことがある。
今回の要請は、今月のイコモス世界大会で各国代表による全会一致の採択を得て発令されたもので、要請発送先は岸田文雄首相や小池百合子都知事のほか、三井不動産などの事業者など多方面にわたっている。
イコモスは、声明で「東京において17世紀より継承されてきた『庭園都市パークシステム』のコアである神宮外苑地区再開発事業を阻止し、2023年9月より開始される3000本以上の樹木の伐採・移植を阻止するため、ヘリテージ・アラートを発令する」と主張。
大量の樹木が伐採・移植されることで「100年にわたり育まれてきた森は、完膚なきまでに破壊される」と指摘している。
事業計画を承認した東京都に対しては「市民や多くのステークホルダー不在のまま、多くの反対を押し切り、これを承認した」と指摘。
神宮外苑を「市民の献金と労働奉仕により創り出された世界の公園史でも類例のない文化的資産」とした上で「世界の文化遺産を守り、継承する使命を担う国際機関であるイコモスは、ヘリテージ・アラートを発出する」とし、三井不動産や明治神宮など4事業者に速やかに事業から撤退するよう求めた、都には、都市計画決定の見直しや、環境影響評価(アセスメント)の再審議も求めている。
また、神宮外苑地区を含む港区、新宿区、渋谷区に、神宮外苑の「名勝」指定への取り組みを求めたほか、国に対しても「東京都のみの問題とすることなく、適切な施策の適用を、さまざまなステークホルダーとの協働のもと、推進すべきである」と訴えている。
再開発事業では今年3月、神宮第二球場の解体工事が始まった。9月以降、多くの樹木伐採・移植が始まるとして、周辺住民らが反対の声を上げ続けている。
再開発が、同地区を象徴するイチョウ並木の生育に悪影響を与えるとの指摘も強く、イコモスの国内組織、イコモス日本国内委員会もこれまで、事業者側が作成した環境影響評価書について「科学的な方法論がとられていない」などと批判している。
「神宮の森は完膚なきまでに破壊」イコモスが神宮外苑再開発事業の撤回を東京都などに緊急要請 - 社会 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
