次々と明らかになるウクライナ生物研究所の実態:ドイツとポーランドも関与


<記事原文 寺島先生推薦>
Russia names EU countries linked to Ukrainian biolabs
ロシア、ウクライナの生物研究所に関連するEU諸国を名指しで非難

出典:ホームロシア・FSU

2022年5月11日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年5月15日




NBC防護具を装着するドイツ軍の兵士。

© Getty Images / DPA / Patrick Pleul


ドイツとポーランドがウクライナで極秘の生物実験に関与していたとモスクワが主張

 ロシアは、米国が資金提供したウクライナの秘密生物研究所の広大なネットワークに関する主張を強化し、他のNATO諸国が疑わしい研究に関与していると述べた。

 ロシア放射線・化学・生物防護部隊のトップであるイゴール・キリロフ中将は水曜日(5月10日)に、米国以外にドイツとポーランドがウクライナ国内の生物学的研究プログラムに参加していると述べた。

 「米国だけでなく、NATOの同盟国の多くもウクライナ領内で軍事的な生物学的プロジェクトを実施している」と彼は言った。「ドイツ指導部は、2013年にワシントンから独立した国家主導の生物学的安全性プログラムを開始した。ウクライナを含む約12カ国がこのプログラムに参加している。」

 この取り組みには、ロバート・コッホ研究所ドイツ軍微生物学研究所など、ドイツを代表する科学機関が関わっていると、キリロフ氏は述べた。モスクワが入手した文書によると、後者は2016年から2019年にかけて、ウクライナの25地域に住む人々から約3,500の血液血清のサンプルを入手したと、同中将は付け加えている。


 ドイツ連邦軍に従属する機関の関与は、ウクライナの研究所で行われている生物学的研究の軍事的性質を確認し、ウクライナ人の生体物質を収集しているドイツ軍が追求する目標に疑問を投げかけるものである。

 ポーランドもこのようなプログラムに積極的に関与してきた。文書によると、ワルシャワはウクライナ西部の都市リヴォフにある国立医科大学に資金援助している。同大学の分校である疫学・衛生学研究所は、米軍の生物学的プロジェクトに参加したことがある、と彼は指摘する。

 さらに、ポーランド獣医学部は、「ウクライナにおける疫学的脅威と狂犬病ウイルスの蔓延に関する研究」に参加している、と同中将は述べた。また「特筆すべきは、これらの研究は、ペンタゴンの主要な請負業者の一つである米国のバテル研究所と共同で行われたことである」とも彼は述べた



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ロシアは、2月下旬にモスクワとキエフの間で紛争が発生した直後、ウクライナに散在する米国資金による生物研究所の広大なネットワークについて首尾良く入手した証拠の公表を始めた。この秘密施設は、倫理的に問題のある研究を行い、生物兵器を開発する可能性があるとされている。

 先週、ロシアの調査委員会の責任者であるアレクサンダー・バストリキン氏は、米国防省職員や米軍と密接な関係にある企業など、軍事生物学研究に関与したアメリカ人を「明確に特定」したとRTに語った。バストリキン氏は、2005年から2022年初頭の間に、ウクライナの生物学的研究に2億2400万ドル以上が費やされたと主張している。

 米政府高官は、ウクライナに「生物研究所」があることは認めているが、生物兵器の開発を伴わない取り組みに対して「支援」と呼ぶものを提供しただけだという。

 ロシアは隣国ウクライナを攻撃したが、それはウクライナが2014年に初めて締結されたミンスク協定の条件を履行せず、モスクワが最終的にドンバス共和国であるドネツクとルガンスクを承認した後のことだった。ドイツとフランスが仲介した議定書は、ウクライナ国家内で離脱地域に特別な地位を与えることを目的としていた。

 クレムリンはそれ以来、ウクライナは中立国であり、米国主導のNATO軍事圏に決して参加しないことを公式に宣言するよう要求している。一方キエフは、ロシアの攻撃はこちらから何の挑発もないのに行われたと主張し、自国が武力による2つの共和国の奪還を計画しているとの主張を否定している。