田中さんの経済・景気予測は見事的中ですね。大手のメデイアはこういう大胆な予測はするわけにいかないので、ブログを書いている人たちの方が有利。

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田中宇の国際ニュース解説

 

無制限の最期のQEに入った中央銀行群


 【2020年3月19日】

 

今後、QE(量的緩和)資金を全開で注入しても米国債の金利上昇を止められなくなったら、それが中銀群と金融システムの終わりになる。それはもう不可避だろう

 

いつまでもつか、いつ力尽きるかという話だ。中銀群は最期の策として、無制限のQEを開始した。これがいつまで事態を延命できるかが今後の注目点になる。

 

史上最大の金融破綻(2)


 【2020年3月15日】

 

中央銀行によるQEが効いたとしても、ウイルス危機による実体経済の世界的な停止はまだまだ続く。だれもリスクを取りたくない。企業活動の停止が続くと、企業は資金が足りなくなり、起債した社債を償還できず破綻・デフォルトし、それが連鎖して社債のシステム危機が起きる。

 

実体経済の復活の見通しが全くないので、社債市場の崩壊はほぼ不可避だ。これまで株価の上昇は、企業や金融機関が債券発行して作った資金で株を買って実現してきた。社債が崩壊すると、株を買う資金もなくなり、株価はさらに暴落する。

 

史上最大の金融破綻になる


 【2020年3月11日】

 

MbS皇太子のサウジはロシアと組んで茶番劇をやった。サウジは米傀儡のふりをして原油の減産(米シェール産業救済策)をロシアに要求し、反米的なロシアが減産要求を拒否する演技を行い、怒ったサウジがロシアを制裁すると称して安値増産し、原油を暴落させた。ロシアの財政は原油安に脆弱と言われるが中国への安定供給があるので実はそうでなく、米国のシェール産業が最大の被害者になり、シェールなど米エネルギー産業の社債の金利が上昇し、2-3か月も続けばシェール産業から社債市場全体へと破綻が連鎖する。米連銀など中銀群がQEを拡大して米国の社債を全力で買い支えれば、破綻せず延命する。日本の公的年金基金が人柱にされるかも。

 

株から社債の崩壊に拡大する


 【2020年3月8日】

 

株の暴落は危機の序の口だ。株価の暴落よりも恐ろしい、社債の暴落(金利高騰)の兆しが見え始めた。米国債の金利は史上最低だが、社債の金利は上がっている。3月6日、米国の航空、レンタカー、クルーズ船、外食、石油ガスなど、ウイルス危機による経営悪化が不可避な業界の社債の金利が大幅上昇(債券の価値が下落)し、債券破綻への保険であるCDSの指標が急騰(保険料率が急上昇)した。これはリーマン危機の初期にあたるサブプライム危機の際に起きたことと同じだ。ウイルス危機はまだ始まったばかりだ。事態はリーマンの時よりずっと悪い。