如月隼人のブログ

2019-12-07 22:20:02

中国報道官が米国の「インディアン迫害史」を大非難(全訳)…ウイグル問題で猛反発

 

中国政府外交部(中国外務省)の華春瑩報道官が4日の記者会見で、ウイグル問題ついての対中批判への反論として、「インデアン迫害史」を挙げて激烈な調子で米国を非難した。華の対米非難は、これまでで最も激しい調子だったと言ってよいだろう。そこで、該当部分を全て日本語訳することにした。なお、注意していただきたいことが、いくつかある。

 

本訳出は、外交部の公式サイトの掲載を原典とした。外交部は記者会見の質疑応答の掲載に当たり「都合が悪い部分」を割愛することがある。例えば、毎年6月4日が近づくと記者側が質問することが多い、1989年の「天安門事件関連」の質疑応答だ。また、はっきりと確認したわけではないが、掲載後に一部を削除した可能性を感じることもあった。以前には記者会見を掲載するページに「実録」という文字があったが、現在は掲載されていない。

 

12月4日の質疑応答については現在もそのまま掲載されていることから逆に、中国政府が国内外に公表してかなわないと判断していると理解することができる。

 

また、米大陸の先住民については現在、「ネイティブ・アメリカン」と呼ぶことが増えているが、華報道官は「インディアン」に相当する「印第安人」の語を使用したので、本訳出も「インディアン」の訳語を使うことにする。

 

以下は、該当部分の日本語訳

----------

【問】

米連邦議会下院は今朝、「2019年ウイグル人権政策法案」を可決した。米国のスミス下院議員は、中国政府は新疆で大規模な100万人以上の身柄拘束をおこない、その弾圧は「現代の強制収容所」でもあると述べた。米下院のペロシ議長は、中国のウイグル人に対するやり方は、全世界の良知全体を激怒させたと述べた。中国側はこれに対して、どのように評すのか。

 

【答】

私は、皆さんが米国のこれらの議員をどう見ているのかは知らない。私は、米国の多くの議員はパスポートさえ持っておらず、中国に来て(状況を)見たこともなく、新疆にはなおさらながら行ったことがないと聞いている。

 

彼らは中国14億の人民や、新疆2500万人の人民をどうして代表(して論評)できるのか。新疆についての理不尽な非難は事実に全く合致せず、白と黒を逆にする論評だ。あまりにも高慢なひとりよがりで、常軌を逸した思い上がりだ。

 

少数民族の問題について、これらの米国の議員政治家は中国に対して「良知」を説いている。本当に、あまりにも無知、あまりにも恥知らず、あまりにも虚偽だ。米国の政治家は、本当に忘れたとでも言うのだろうか。米国の200年の発展史はそれ自体が、インディアンの血と涙の歴史だった

 

インディアンは本来、米大陸の自然な主人だった。19世紀における100年近い時期の間に、米軍は西に進出することで、インディアンを大規模に駆逐し、殺害し、インディアンの土地数百万平方キロを占拠し、無数の天然資源を強奪した。

 

米国政府はさらに、インディアンに対して強制同化政策を実行し、長期に渡りインディアンに対して駆逐、虐殺、迫害を続けた。インディアンが持っていて当然の公民権も与えなかった。現在では、インディアンの人口は米国総人口のわずか2.09%で、インディアンの立場は困窮を極めている。インディアンが集中居住区のインフラは極めて立ち遅れており、水や電気にも事欠き、インターネットも通じていない。(インディアンは)失業、貧困、疾病、劣悪な住居など、重なる苦境に直面している。

 

これらの衝撃的な事実を、米国の関連する(=ウイグル問題で動きを進める)議員や政治家は、本当に知らないとでも言うのだろうか。彼らの良知は、どこにあるのだ?

 

中国は民族地区の自治制度を実行しており、各民族の平等と団結を堅持している。法にもとづき、宗教を信じる自由を尊重し保護している。正常な宗教活動を保護し、宗教団体、宗教活動の場所と宗教を信じる自由を維持し保護している。新疆の各民族の人民は、平等な法律上の地位と、憲法と法律で付与される選挙権と被選挙権を享受しており、国家の統治への参画と、宗教を信じる自由、教育を受け、自民族の言語と文字を使用し、自民族の伝統文化を継承する権利を享受している。

 

(編集担当:如月隼人)

https://ameblo.jp/kisaragisearchina/entry-12554066765.html