弟は米国に既に亡命していて、秘密をバラすぞと云っている。
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令計画の父親も令狐野という名前で、医者であり、1930年代の革命根拠地の延安で共産党に入党し、共産党支配下の地域の医療衛生に大きな貢献したとされる。同じ山西省出身の薄一波(薄熙來の父)とも親交があった。
5人の子供をもうけ、それぞれ、「路線」「政策」「方針」「計画」「完成」という名前をつけた。どれも「革命家族」の名前であることが一目で分かる。うち「方針」は女子で、あとは男子だった。共産党支配下の中国では、出世の特急列車に乗れる「革命家族」の出自をバックに1970年代末に事故死した長男の「令路線」を除き、それぞれ各方面で出世を重ねたが、すでにほぼ全員が令計画の失脚の前にトラブルに巻き込まれている。
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胡錦濤氏・前側近:令計画氏 27人と姦通し手当16.8億円渡した
2015/9/22(火)16:00 NEWSポストセブン
中国共産党には反腐敗キャンペーンで逮捕された幹部が数々いるが、とりわけ酷かったのが令計画だ。一体何をしたのか、ジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。
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筆者の手元に1枚の中国共産党の内部文書がある。胡錦濤・前国家主席の側近中の側近で、「党の政治規律や規則、組織の規律の厳重違反」などの罪状で、7月下旬に党籍を剥奪された令計画・元党中央弁公庁主任に関するもの。令計画は少なくとも27人の女性と姦通し、7人の愛人を囲い、5人の私生児をもうけていたという報告書だ。
党中央政治局会議で発表された罪状は党規律違反など6か条に及ぶ。そのなかでも特に異例なのは「多数の女性と姦通し、権色交易(女性を貢ぎ物として幹部に捧げる)を進めた」というものである。
これまで反腐敗キャンペーンで逮捕された幹部の罪状のなかでも「姦通」は珍しくないが、「権色交易」という罪状が出てきたのは初めてだ。それだけ、令計画が多数の女性を汚職の道具に使っていたことを表している。
また、令計画自身も日本の官房長官に当たる中国共産党中央弁公室主任という絶大なる権力を利用して、多数の女性を弄んできた。北京の消息筋は「その数は少なくとも27人で、これらの具体的な数字は当局が押収した計画の日記に記されていた」と明かす。
当局に押収された日記は1999年10月、党中央弁公庁研究室主任に就任したときから、身柄を拘束された2014年末までの分で、事務能力があり、勤勉な計画らしく、身辺の出来事を細かく記述しているという。
令計画は胡錦濤主席の側近として、分刻みのスケジュールをこなす忙しさだったが、女性らとの密会は仕事が終わったあとの未明の時間で、毎週2回と決まっており、その後、中南海に戻り、午前7時からの党の会合を主宰していた。驚くべきタフネスぶりだ。
7人の愛人には毎月、手当を渡していた。2003年7月から2012年2月までの約8年半の間に、それぞれ600万元(約1億2000万円)から1200万元(約2億4000万円)とまちまちだった。
女性たちに渡した手当の合計は8400万元(約16億8000万円)という膨大な額だ。これらの愛人との間に5人の子どもをもうけており、愛人や私生児の生活費のために、汚職に手を染めていたともいえるだろう。
※SAPIO2015年10月号