マイトレーヤ・ラエル のコメント:


ここにも遺伝子組み換え植物をポジテイヴに使っている素晴らしい例が。


Maitreya Rael's COMMENT : another beautiful example of a positive use of GM plants

ブリテイッシュコロンビア大学

紙とバイオフュエルを作りやすいように木を遺伝子的に操作しリグニンを分解し易くした。木を処理する時の化学物質の量を減らし、省エネ。




リグニンの説明:

第11回 1月5日 脂質代謝と二次代謝

今回は脂質代謝と二次代謝を説明しました。送られてきたレポートの一部を紹介します。
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レポート1: 紙の材料にするために木材のチップから繊維を取り出してパルプ化する。この際木材に含まれるリグニンを取り除く作業に多量の薬品を利用するため、環境に悪影響を及ぼしてしまう。遺伝子組み換え技術によってこのリグニン含量の少ない植物を作ることが進められているが、リグニンがそもそも分解されにくいのは微生物による分解を受けにくくするためであると考えられており、リグニン含量が少なくなるということは、そのような微生物への耐性が低下することにつながりかねない。それを防ぐために農薬を使うことなどがあれば、環境負荷を減らすという当初の目的と食い違ってしまう。 リグニンは決して分解できないわけではなく、シイタケなどの白色腐朽菌がリグニンを分解する酵素を持っていることはわかっているが、リグニン自体が非常に複雑な構造をとっているためにその酵素の同定は困難であったが、リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、ラッカーゼがその候補として挙げられるまでとなった。リグニンペルオキシダーゼは遊離性のフェノール性水酸基をもつリグニンユニットや、リグニン中の芳香核の大半を占める非フェノール性のユニットを酸化できる。遺伝子組み換え植物だけでなく、これらのリグニン分解酵素を用いて、環境負荷の少ないパルプを作ることも可能なようだ。
回答:リグニンの分解について調べてくれました。実際にリグニン含量の少ない樹木を植栽する場合には、上のようなことが問題になるかもしれませんね。
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レポート2: 今回の授業ではリグニンの生合成が取り上げられた。リグニンの生合成にはMYBと呼ばれる遺伝子ファミリーが関与しており、MYBファミリーにはリグニンの合成に対してActivatorとして働くものと、Repressorとして働くものがある。Activatorは活発にリグニン化している細胞で発現しているのに対し、Repressorは全く、もしくはほとんどリグニン化していない細胞で発現している。例えば、RepressorのAtMYB32と呼ばれる遺伝子は、花で高度に発現していて、茎では発現していない。これが、花の細胞にリグニンが蓄積しない原因と考えられている。一方で、リグニンの生合成経路はフラボノイドやクマリンなどほかの二次代謝産物の生合成経路と共通の部分がある。花にアントシアニンが蓄積して色が付くこと、また講義スライドにあった、リグニンの発現を抑制したポプラで材が赤色に変化したことなどは、MYBファミリーの発現によって説明できるのかもしれない。

回答:リグニン合成に関与するMYBファミリーについて考察してくれました。知らなかったのですが、面白いことですね。

http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/seitaipl/personal/noguchi/le_biochem_report.html

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/04/140403142031.htm