運動で汗をかくと脳卒中のリスクが減少する
(Exercise Can Reduce Stroke Risk:
ラエルサイエンス
7月21日英語版配信分)
"Stroke(脳卒中)" 誌に掲載された研究によると、日常的に運動で汗をかくことによって脳卒中のリスクを減らせます。
この研究では、45歳以上の米国人 2万7千人(男女比率および黒人/白人比率は、いずれもほぼ半々)を平均5.7年間にわたって追跡調査しました。 主な結果は次の通りです:
o 1/3が運動不足(運動をするのが週に1回未満)だった。
o 運動不足の人では、汗をかく程度の運動を週に4回以上している人と比べて、脳卒中やミニ脳卒中のリスクが20%増加していた。
o 特に男性では、汗をかく程度の激しさで(週に4回以上)運動をしない限り、運動による脳卒中リスク低下の効果は見られなかった。
o女性では、運動の頻度と脳卒中の関係は、男性ほど明確に表れていなかった。
今回の研究で、女性において脳卒中リスクに対する運動の効果が男性ほど明確でなかったのは、女性の場合には男性ほど激しい運動でなくても脳卒中リスクに対して効果があるからかもしれません。
例えば、今回の研究では対象外となったウォーキング程度の軽い運動によっても脳卒中のリスクが減少するからかもしれないのです。
(つまり、こういうことでしょう: 「女性の場合には、ウォーキング程度の軽い運動でも、汗をかくほどの激しい運動と同程度の脳卒中リスク低減効果がある。 そして、今回の研究では、ウォーキングのような軽い運動は運動とみなしていない。 したがって、実際には軽い運動をしていて脳卒中のリスクが下がっている女性も、今回の研究データのうえでは運動をしていないとみなされている。 そのために、運動をしている女性と運動をしていない女性の脳卒中のリスクの差が実際よりも縮まっている」
あるいは: 「①汗をかくほどの激しい運動、②汗をかかない程度の軽い運動、③運動しないの3つを、①+② vs. ③ というふうに区分していれば女性でも男性と同じ程度に、脳卒中に対する運動の効果が明確になったかもしれないが、今回の研究では、① vs.②+③ と区分しているので、明確になっていない」)
「脳卒中予防の運動にはウォーキングがベスト」によると、女性の場合は、自転車などの高強度の運動よりも、ウォーキングのほうが脳卒中予防の効果が高いそうです。
研究者は次のように述べています:
運動による脳卒中リスク低減効果は、血圧、体重、および糖尿病という脳卒中の他のリスク要因を介して発揮されます。 運動によって、これらのリスク要因が低減されるために、脳卒中のリスクが減少するのです。 運動が薬だとすれば、1つの薬で4~5つの症状に効果のある驚異の薬だということになります。
今回の研究は、脳卒中のリスク要因として、運動不足が喫煙に次いで2番目に大きなものであることを裏付ける結果となりましたが、1回あたりの運動時間に関するデータが欠けている点が惜しまれます。
米国心臓学会が推奨する運動量は、健康な成人(18~65歳)であれば、中・高強度の運動を週に150分以上です。 中強度の運動であれば、1回あたり30分を週に5日以上、高強度の運動であれば、1回あたり20分を週に3日以上。
『運動で汗をかくと脳卒中のリスクが減少する』
http://kenkounews.rotala-wallichii.com/breaking-a-sweat_lowers_stroke-risk/
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[英語版 元記事]
Source: http://www.sciencedaily.com/releases/2013/07/130718130456.htm