どちらがワルであるかは明らか。ロシアが善玉

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ロシア、シリア向けミサイル複合体C300供給を準備


29.05.2013

С 300 Зенитно - ракетная система С-300 зенитно - ракетный комплекс



EUで、シリア反体制派への武器禁輸令が解除された。世界で様々な反響を呼んでいる。シリアに武器を供給することに最も強硬に反対しているのがオーストリアである。ミハエル・スピンデレッゲル外相は、反体制派への武器供給が始まった場合、ゴラン高原から国連停戦監視団に送っているオーストリア人代表を引き上げさせる、と述べている。67年までゴラン高原はシリア領土であった。「内戦の一方を支援すれば、他方からわが国兵士が標的にされることは避けられない」と外相。

EUは一線を越えてはいけない。これまでも一度として、紛争当事者の一方に対し武器を供給したことはなかった。EUは平和の共同体である。これからもそうあってほしい」(スピンデレッゲル外相)



モスクワの反応も激越であった。セルゲイ・リャプコフ外務副大臣は、「ロシアは地対空防衛ミサイル複合体C300をシリアに供給する契約を履行する準備がある」と語っている。彼はこれを「安定化ファクター」と呼んでいる。つまり、「紛争が外国を巻き込む国際紛争に発展したときに、一部の<頭の火照った>人々を抑止するためのもの」であると。



外務副大臣は明言こそ避けたが、明らかに、「C300の供給によって、モスクワは2011年のリビアのシナリオを予防する」と語ったのだ。2011年のリビアでは、米国とNATOがリビア上空をわがものとし、空爆を行い、反カダフィ派勢力を支援した。


さらにリャプコフ氏は、EUが反体制派への武器禁輸を解除することで、シリア紛争の停止に向けた努力が水泡に帰す、と語っている。モスクワで開かれた記者会見の模様をお聞きいただこう。



「非常に残念だ。EU外交のダブルスタンダードが露呈した。一方で流血の惨事を止めるために力を注ぐといいながら、他方でシリアを武器まみれにしようとしているのである。こんなことは許されない。EUは事実上、紛争の火に油を注ぎ、シリアを政治的に安定化させるための会議の実現を阻んでいるのである」(リャプコフ外務副大臣)



「シリア紛争への介入」というシナリオがすでに始まっていることを証明するかのような出来事があった。27日、ジョン・マケイン共和党議員のシリア訪問である。彼はトルコからシリアに入り、いわゆる「シリア自由軍」のサリム・イドリス将軍と会談した。このマケイン氏は、シリアに飛行禁止空域を設定し、反体制派に重火器を供給することを最も声高に主張しているひとりである。



シリアで米国の軍事作戦が準備されている、とのうわさはワシントンにも届いている。ペンタゴンは28日づけのニューズウィーク誌で、「侵攻作戦を熱心に準備しているのでは」との説を否定するコメントさえ出している。米国防総省ジョージ・リットル報道官によれば、実際には対シリア軍事計画については、なんらの新たな注力もなされていない。しかし、これら声明の真偽については、多くの懐疑論が囁かれている。



アンドレイ・フェジャーシン

http://japanese.ruvr.ru/2013_05_29/114552425/