ビーカー内で自己組織化する美しき「フラワー」
(Beautiful "flowers" self-assemble in a beaker:
ラエルサイエンス5月26日英語版配信分)

バラの結晶、ビーカー内の微小花

Jane J. Lee
for National Geographic News
May 17, 2013

アメリカ、ハーバード大学の研究室で作られた極小サイズのバラ。その正体は、水溶液の中で結晶化した無機化合物である。

「撮影に成功した最初の1枚だ」と、同大学で物質の結晶化を研究しているウィム・ヌールドゥイン(Wim Noorduin)氏は語る。

顕微鏡サイズで毛髪より細い場合もある極小の粒子の形を整える技術は、非常に大きな可能性を秘めた研究分野だ。将来的には光学やエンジニアリングの世界にも応用できるという。

物質の自己組織化を促す(化合物を溶液の中で結晶化させる)という手法は比較的手を付けやすく、菓子職人などは長年の間、この手法で氷砂糖を作ってきた。

しかしヌールドゥイン氏が数年間かけて編み出した手法では、溶液内の温度や水素イオン濃度(pH)、二酸化炭素量を調節することで、化合物の結晶の形を整えることが可能だという。

この研究では、形を整えやすいという理由から、手始めに花弁や茎、花瓶の結晶が作られた。「この手法なら、物質の結晶化プロセスを操ることができる」とヌールドゥイン氏は話す。

まず、バリウム塩とケイ酸ナトリウムを水の入ったビーカーに入れ、その中に花を育てるための平らな金属プレートを置く。あとは蓋を用意するだけで、このような結晶を作ることができるという。

  『バラの結晶、ビーカー内の微小花』
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2013051703
   [ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト]