中国レアアース:政府介入で事態はより難しく


「中国が一党独裁で、指導者の命令一下で統制がとれている社会と考えるのは今ではおとぎ話である。中央省庁、機関、地方政府、中央企業、地方企業、一般市民が、それぞれの既得利益で動く。市場経済の浸透は中国社会を確実に変貌させた。」


「事件は「地方」で起きている


報道から見た中国国内の状況は混迷の度を深めている。

場所は江西省の南部にある?州(かんしゅう)。福建省、広東省との省境にある山間地帯はレアアースの開発で深刻な環境汚染が進行している。


中央政府が開発規制を打ち出す中、高騰するレアアースの開発をめぐり、関係するすべてのプレーヤーが参戦する争奪戦を繰り広げている」


「中央政府による管理が日増しに強まる一方で、低コストで高利潤が得られるレアアースの採掘、生産、取引といったサプライチェーンに参加するプレーヤーが政府管理から「逸脱」するのは当然だろう。宝の山を目の前にしてただ見つめているだけというのは市場化した中国の人々にとって酷な話である。」


手つかずの環境保護対策

中国南部のレアアースはイオン吸着型鉱床であるため、採掘に硫酸アンモニウムが大量に使われる。問題は適切な排水処理をしないまま、排水が採掘現場から下にある農村の田畑に流れ込んで公害を引き起こすことである。こうした被害が江西、広東、福建、広西などの採掘の周辺地域で頻発している。」


「実際に中国自身のレアアース消費量は、2005年に前年比で50%増、2008年には前年比で10%近い減少と、増減の凹凸が激しく、鉄鋼やエネルギーなどのような産業とは異なり、健全な発展を遂げる上での環境が欠如している。」


まだまだ続く中国レアアース「狂奏曲」
政府の介入が事態をより難しくしている
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120525/232600/?mlt