長戸 時は1996年9月20日、台風直撃の東京。水野あおいさんのファンの集いが行われていた。

千佳 次は西麻布のクラブハウスでのステージ。目黒からの移動になります。

豚白 なんだ2人とも仰々しいぞ。

長戸 いや台風下の強行突破だから。


豚白 目黒区民センターの外は暴風雨だった。タクシーを呼ぶ者、近郊在住らしく最初から車で来た者もいる中、公共交通機関にこだわる先生を先頭にA君ら数名が暴風雨の中に飛び出した。

千佳 先生がいてA君がいる。当然とんぱくさんもこちらですね。

豚白 その通り。傘は全く役に立たない。ただ実際外に出てみると、雨よりも風の方が酷いのが実情だった。だから自分なんかは傘をしまったよ。

長戸 暴風雨というより「暴風+雨」か。

豚白 目黒区民センターから1番近い公共交通機関はバス停だ。先生を先頭、最後尾がA君という具合だった。先生はバスの経路を調べていた。

千佳 用意周到ですね。

長戸 ただ、先生って見当違いの周到さがある時ないか。千葉ニュータウンの時とか。(添付参照)

豚白 しかも公共交通機関で行く気満々の先生は合羽を着て完全武装だったし。

千佳 大丈夫なんですか?

豚白 バス停に着いてみると、見当違いの方向ヘのバスしか近い時刻になかった。西麻布までかけられる時間は限られている。

長戸 それ以上に、台風の中バス待っていられるか。

豚白 そこで目黒から山手線で恵比寿、地下鉄日比谷線で広尾か六本木まで行き、西麻布まで歩こうという話になった。

千佳 この時、どのあたりまで来ていたんですか。

豚白 目黒駅にかなり近い所まで来ていたよ。山手線が見えていたからね。

長戸 その見ていた山手線は動いていたのか。

豚白 動いていたよ。

千佳 だからそんなプランになったんですね。

豚白 公共交通機関にこだわる先生は先頭をよたよたと進んだ。1番元気なのはむしろ自分で、みんなを鼓舞していた。

長戸 アドレナリンが出まくっていたな。

豚白 一方で冷静だったのがA君だった。最後尾でタクシーをつかまえていた。そして自分を呼び止めた。

千佳 ここは上手です。

長戸 1番元気なとんぱくさんを呼び止めたのもうまいな。みんなに波及させられる。

豚白 俺は先生にかけより「A君タクシーつかまえました」と言った。半泣きに近いような表情だった先生は「えっ」って感じだった。

千佳 最初から無理しなけりゃいいのに。


豚白 ということでタクシーに乗り込んだ。先生は1番後から乗ったので、助手席に合羽のまま乗り込んだ。

長戸 運転手それを許してくれたのか。いい人だったんだなあ。

豚白 行き先を告げる。西麻布のクラブハウスと言うと、運良く運転手は場所を知っていた。

千佳 そこもついていましたね。

豚白 そして到着。時間に間に合った。

長戸 台風の間ウロウロしていたので時間がかかっていたんだな。


千佳 そういえば西麻布で行われたのはVシネマの撮影でしたね。

豚白 ここであおいちゃんが歌ったのが初お披露目となる新曲の『がんばれ My Friend』。ということで次回は『がんばれ My Friend』の感想を書くとして、今は撮影の話を。

長戸 一応はファンのみんなもVシネマ出演だからな。

豚白 ええと『キューティーナイト』(撮影しているVシネマのタイトル)の悪役が登場し、あおいちゃんが拉致られるという話なんだが、悪役が登場したのに何かのショーと思って気づかないファンという間抜けな設定だった(笑)

千佳 そういう設定にしないと、とんぱくさんあたりが悪役ぶち倒しにいきそう(笑)

長戸 他にもやりそうな人いそうだけどな。

豚白 あと、部分的な撮り直しが何回かあったので、『がんばれ My Friend』の一部分だけ何度も繰り返された。お陰で新鮮さがなくなった。

千佳 それは大いに残念です。


豚白 西麻布での撮影が終わると風と雨が弱まっていた。台風が通過したのだった。

長戸 それはよかったな。

豚白 でも、解散した後の行動がよくわかっていない。というところで、次回の『がんばれ My Friend』の感想が終わったら、行動がわかるところまで話を飛ばすよ。

千佳 わかりました。


豚白 というわけで、今回はここまで。

長戸 しかし凄いのは、この台風の中交通機関が動いていたことだな。

千佳 今ではありえませんね。