低反発バットの導入における影響について色々と書いていました。


さて、低反発バット導入の中で、青森山田の選手が木製バットを使ったことが話題になった。次はこの件について書いてみたい。


まあ、中には「高校野球で木製バットを使ってもいいなんて知らなかった」という脳天気なネットでの書き込みもあったが(笑)ただ、もともとは「金属バットも使える」だったものがコスト面等を理由に普及して、今は金属バットが当たり前になっているということなのだから。このあたりは「知らないのにも限度があるだろう」と思わされた話である。


閑話休題、私は木製バットの使用についてはとても良いと思った。この先、大学や社会人では木製バットなので今のうちから対応していれば、後に再び対応する必要はない。後々の手間が省ける。

この「後に再び対応する」技術というのが、本来野球のバッティングで求められる技術である。技術向上においても望ましいわけだ。

また、木製バットが社会人や大学で当たり前に使われているということは、当たり前にいろんなタイプのバットが市販されているということである。自分に応じたバットの使用が出来る。そして、練習から当たり前に使用が出来る。これも大きい作用である。

デメリットとしては、自己負担を余儀なくされるということだろう。現段階においては、チームで共通のバットを使う低反発バットと違い、個人対応(だから自分に応じたバットが使えるのだが)となる。普通の家庭の選手には、なかなか手が出ない代物かもしれない。

逆にいえば、費用負担出来る選手が先を見越して木製バットを使う道を選ぶことが今後増えてくるものと思われる。


さて、これまでは攻撃面の話ばかりしていた。続いては守備面の話をしていこう。

低反発バットの導入によりホームランなどロングヒットや、最初から追いつくことを諦めるような鋭い打球のヒットが減るだろう。つまり、ビッグイニングを作りにくくなるからこそ、1点の価値が重要になってくる。つまり守りが重要になってくる。

健大高崎や星稜のように、機動力を絡め、得点や次の塁に強かで、攻めのバリエーションが多いチームが攻撃で求められるということは、守備側はこのような攻めに対する対応力を持っている必要がある。守備側、特に内野陣はこれまで以上に強かさと判断力が求められるわけである。特に要となるセカンド、ショートの重要性はますます増すだろう。


内野陣以上に重要性を増すと思われるのが外野守備である。鋭い打球が減る代わりに、ポテンヒットになるようなフライは増えるだろう。こういう当たりをヒットにするかしないかも大事だが、強かで貪欲なチームは一気に2塁を狙ってくる。二塁打にすることのないような判断が求められる。

右中間、左中間、ライト線、レフト線への打球の対応はもっと大事になってくる。三塁打にしてしまうのか、二塁打で止めるのか、『ドカベン』の微笑三太郎のようにどうにかして後ろにボールをやらないでシングルで止めようとするのか。こういうことがこれまで以上に求められるようになってくる。クッションボールの処理も同様である。

何より大切なのは返球である。これまででもむやみにバックホームをしてバッターランナーに余計な進塁を許したり、カットマンへの送球が中途半端で余分な進塁を与えたり、というプレーが見られた。接戦になれば、これらのプレーの重要度は増す。外野手はしっかりと送球を意識したプレーをすることが重要になってくる。

外野手の返球が重要になれば、カットマンのプレーや判断も重要になってくる。先ほど内野手の話で特にセカンド、ショートと書いたが、ファーストだって重要だということだ。


これら内野守備、外野守備については本来しっかり行われるべき(そして実際徹底できるチームがこれまでも勝ち上がってきた)だったが、攻撃優先でどこかおろそかにされてきたプレーである。こういうことの徹底が出来るチームが勝つチームになるのだろう。

今ふと思った。こういうことが徹底されていたチームとして、2006年夏の甲子園を制覇した駒大苫小牧(田中将大2年の夏・連覇達成時)があった。守備面ではあのようなチームを作ることが目標といえるだろう。


まだバッテリーの話が残っている。以降次回である。