明訓vsりんご園農、後半の攻防を考察していました。


7回裏、山田を打ち取りツーアウトとした星王だったが、ここで気の緩みか三太郎にヒットを浴びたと思う。これがあることによって8回裏の明訓ベンチでの「星王は並の男じゃない」とする山田の言葉と「並ずらよ」という殿馬の言葉により深みが出てくると思う。

上下凡退でこの回も無得点に明訓は終わった。


8回裏は蛸田、高代、渚である。復調した星王なら三者凡退にとれただろう。蛸田か高代がセーフティバントで揺さぶりをかけ、星王のフィールディングのコマにつながったと思う。

展開的にも、5回以降岩鬼および山田と対戦したのは1打席だったと思われる。それが成り立つには、このような結果とするしかないだろう。


明訓が勝利した訳だが、個人的に好きなのは試合後のシーンである。ちょっとそれについて書いていきたい。


岩鬼には悪いが、第4試合なのでそんなにインタビューがTV放送されることはないだろう。夜のスポーツニュースか、翌朝か、といったところだ。

まあ新聞を含め、間違いなくこの試合のヒーローは岩鬼なのだから、性格を考えればああいう行動にはなる。

そのような感じで調子にのっているのかと思いきや、しっかり山田と星王のやり取りを聞いていたのは流石である。そして、星王にバットをプレゼントする。

後にプロで岩鬼は星王とチームメイトになるが、その時バットの話になったのか?そういうことも気になる。

もしかすると星王1人ではなく、りんご園農の野球部に伝えられ、管理されているかもしれない。最強チームに立ち向かった証であるのだから。

どちらかに決めるということをしたくないので、岩鬼のバットに関するスピンオフは書かない。そして、りんご園農の選手達のスピンオフも書かない。だいたいこうなるだろうという姿があるからだ。


でも、ちょっと書こう。おそらく明訓戦で完全燃焼して、星王以外は選手としての野球はやめただろう。中村や神はりんご農家になっているだろう。

祝は農家ではなく、農業改良普及員あたりになっていそうだ。

苫米地や葛西は苗字にふさわしくりんご農家ではなくにんにく農家や長芋農家になっているかな。


さて、爽やかな話の次が問題である。というのは、光高校の2回戦と同時並行で山田の逆指名騒動に繋がる話し合いが持たれている。山田の逆指名騒動については過去『ドカベン・最終回』で詳しく考察したのだが、無視はできない話である。

ということでまず時系列を頭にいれとこう。


①大会5日目の第1試合終了後、2回戦残り試合の抽選が行われ、光は大会8日目第1試合となる
②大会8日目、光高校の試合が行われている中、山田畳店のある長屋に飯田社長が訪れ、長屋に滞在する条件を
「山田のロッテ逆指名」
とし、山田の祖父に了解を求める。
③飯田社長が長屋を後にする。この時サチ子が
「光高校終わったんじゃないの」
と言っている事から、9時を過ぎているのは間違いない。(第1試合で8時開始)
なお、サチ子がTVをつけた時、6回裏の阿波北の攻撃中だった。
④8日目第1試合終了後3回戦の組み合わせ抽選があるので、籤をひく岩鬼は甲子園球場へ。第1試合がどれだけの長さになるかわからないので9時30分には球場入りしていただろう。(テレビに映りたいのでもっと前かもしれない)
⑤岩鬼がバックネット裏に座るとすぐに記者が飛んできて、岩鬼に事実確認をしている。
⑥光高校が勝利した試合のスコア22ー5、長い試合とはいえ11時前向きに終わっただろう。
⑦ただ抽選にはあらかじめ10時には集合しないといけないだろうから、岩鬼の観戦時間も短い。

こういう時系列をしている。そこで、光高校の2回戦ならびに組み合わせ抽選会に対する私見を後にまわし、まずは山田の逆指名問題について書いていきたい。

時系列において重要なこと、山田の祖父が逆指名を了承してから記者が岩鬼を尋ねるまで、つまり③から⑤までのタイムラグはかなり短い訳。そして⑦という現実もある。非常に短時間の動きだ。
⑤の行動を起こした記者は、岩鬼に会う前に電話をしている。おそらく自社のデスクだろう。
③を考えると、飯田社長がデスクに会う時間はない。(新聞社のデスクがあるのはおそらく東京。山田の家があるのは横浜)飯田社長はデスクと電話で話したとしか考えられない。この時、飯田社長が何者かわからない場合、
「山田がロッテを逆指名」
という話を信じる訳がない。

といったところまでで、以降続く。