ドラマ『下剋上球児』の感想をつれづれに書いて、今回が第4弾。準決勝について書いていました。
同点に追いついて以降、2−1の局面までは完全に越山ペースの試合でしたね。根室が素晴らしいピッチングを展開しました。ドラマとはいえ圧巻だったのは、ピンチで犬塚が伝令に行った後のピッチング。サイドハンドで投じた2球です。サイドハンドではコーナーワークがいいけどスピードに難のあった根室。でもこれがいいタイミングを外す効果を生むんですよね。めいいっぱい緩急をつけられたらなかなか打てるもんじゃないです。
そこまでが素晴らしかっただけに、気になったのが逆転のされ方。あのプレーで負けたら当事者2人が敗北を引き摺りそうです。個人的には、痛々しかったですね。
だから逆転サヨナラ勝ちして私はホッとしました。(ドラマなのに)
試合中、どんどん膨れ上がる越山の応援。Tシャツを巡るコメディともいえる話、いらんだろうと思ったけれど、後々ちゃんと意味があったとは(笑)あれがないとかみじょうたけしがドラマに出れない(笑)
それはそうと、9回裏の逆転サヨナラ勝ちのシーン、ドラマだし展開は読めていたとはいえ身震いしましたよ。
決勝を前に出てきたお金の問題。これに悩む学校は多い。私も以下のような事を書いたことがある。
添付に書いた明秀日立に限らず、私学ではクラウドファンディングを使う高校はいくつかある。野球部員と応援団、チアガール、吹奏楽部以外の一般生徒の応援は希望者のみ、という高校は沢山ある。
この問題から逃げなかったのはよかった。公立校、それも初出場や久しぶりの出場の場合はどうにか集まるものだが、始まる前は不安なものだ。ましてドラマのモデルになった白山高校は片田舎にあるし。
(どうにか集まると書いたが、白山と同じ大会に出た金足農は当初の計画よりも勝ち上がった為に金額不足となり、改めて寄付を募ったという話もあるが)
ドラマの試合結果を先に書くような話で恐縮するが、多少お金に余裕のある人、特に卒業生にとっては、寄付を募る電話がかかってきたこと自体が嬉しかったと思いますよ。地元で唯一の高校が甲子園。さらにいえば、卒業生も自信を持って
「自分の母校は」
って語れるようになるんだから。
全く違う話をしますが、三重県といえば伊賀市にある桜丘高校(私学)が高校生クイズで優勝した際、TVを視聴していた市長が興奮して、深夜なのに校長に電話したとかいう話があったように記憶しています。甲子園出場とか、高校生クイズ上位進出とか、駅伝で暮の都大路出場とか、ラグビーの花園出場とか、サッカーの選手権大会出場とかはそんなパワーがありますからね。
閑話休題、ドラマの話に戻りましょう。
準決勝で対戦相手を「菰野+海星+松阪商」と書きましたが、決勝の相手も「菰野+海星+松阪商」でしたね。対戦相手が商業高校、松阪商です。因縁の相手、菰野です。4番が脅威のハイアベレージ、海星です。つまりドラマで克明に描かれた2試合は
「星葉学園+伊賀商=菰野+海星+松阪商」
という数式にあるわけです。
準決勝が最大のヤマになる描かれ方をしていたので、かなり落ち着いて見られたことは確かです。そしてこの試合、采配の妙がありましたね。
妙、と書きましたが、継投のタイミングはちょっと遅めでした。原案の白山高校もそうでしたが、大事な試合だからこそ、エースは最後においておくもの。継投の順番に間違いはないですし、タイプの違うピッチャーを挟むのもいいですね。
何より
「何をやってもいいか」
と同意を得た上で久我原を代走に出したのはよかったですね。チームが盛り上がる一方で、おそらく久我原がまともに走れない可能性も頭にあったはず。狙ったトリックプレーでしたから。
先にこれを書いておきましょう。準決勝をテレビで見て、犬塚のじいさんも成長したようで何よりでした。ただ、決勝の日に手術はグチって当たり前だと思う。
さて、あともう少しですが続きます。