さて、応援シリーズも第100回の夏まできた。次は超人気のアレである。


2018年夏 近江

春に登場した新しい応援。夏には完全に定着していた。とはいえ、後に話題となる曲のいくつかはまだ登場していない。

皆さんも味わってみるといいのだが、とにかく近江の応援は楽しい。私も一緒になって応援していた。それも「近江高校」などと声を張り上げて、である。

観客を巻き込むことができたら応援としては最高だと思っている。

とにかく、理屈抜きでいい。

(理屈を抜いてはこのコーナーの意味はないという苦言もあるとは思っている(笑))


2018年夏 金足農

第100回の夏の主役の登場です。

金足農の応援といえばGフレアでしょう。試合の当初は、ピアニッシモから始まって途中からフォルテシモになる応援に、ちょっと違和感を感じたものでした。理由は2つ、盛り上がったところでGフレアに移ると、一旦ボリュームをピアニッシモをすることから、応援の流れが途切れること。もう1年はフォルテシモになる直前のクレッシェンドの利かせ方が甘いので、じわっとくるような圧に欠けることでした。

クレッシェンドについては気づいてきたのか、一部の楽器(特に耳に入ったのはスーザフォン)がクレッシェンドを利かせてきました。ただ過去とはいえ甲子園でスーザフォンを吹いた経験から言わせてもらえれば、フォルテシモになる直前だけクレッシェンドするのではなく、ロングスパンでしたクレッシェンドさせた方が映えるのになあ、と思いましたね。

ピアニッシモの件については、試合の後半になり、甲子園の空間が金足農に支配されるようになってからは、ピアニッシモについてなった瞬間に「くるぞくるぞ」という雰囲気になってよかったですね。逆にさらに空間を味方につける効果がありました。


あえて近江と金足農の応援の違いに触れたいと思います。

近江については、野球はもちろんですが、応援で空間を変えることができる、いわばきっかけになることができる応援です。

一方金足農はGフレアに代表されるように、野球がきっかけになって応援の力も倍加するような応援です。

2018年夏に強烈な印象を残した両校ですが、この違いも面白いですね。


最後に余談ながら、金足農のGフレアを聴いた後にテレビで巨人戦をみると、Gフレアがものすごくチャチに聞こえた(笑)


2018年夏 日大三

その人にとって好みの応援やサウンドがあります。私にとれば遠軽や近江の評価が高かったようなもので、友人Massa氏にとればそれは日大三です。

こういう推しを見つけるのも楽しみのひとつです。


2019年春 啓新

対戦相手の桐蔭学園はさすが名門校だけあって、名門校らしい応援をしていました。一方の啓新は福井の初出場校。いい意味でいえばオーソドックス、悪意をもっていえば「高校野球の応援ってこんな感じだよね」ってイメージで考えた、いうなれば『ぽっと出感』のある応援スタイルでした。

でも熱意はしっかりあったので、伝わるものはありました。


2019年春 習志野

なにかと話題になった習志野ー星稜です。星稜サイドで観戦しています。

星稜の連携が習志野の美爆音でかき消され、そこから失点するというシーンがありました。星稜のエースは奥川で、注目されていたというのはありますが、ネットでの美爆音批判はみっともなかったですね。過去から甲子園では歓声などで声が伝わりにくいので、声に頼らない連携というのは重要なのにね。単に石川大会では、大音量で応援してくる高校がないので、声で対応可能なのでしょうが。

精神面や空間支配ではなく、単純な意味で応援が戦力になった事例でもあります。

習志野に苦言をいうとすれば、私が前回観戦した時に比べ、『美』でかなり劣る演奏だったことがあげられます。あれでは『美爆音』ではなく『爆音』です。『美爆音』というからには、聴き惚れるくらいでないと。

一方の星稜、終盤応援が習志野の女子高生の歓声にかき消されているようでは・・・あれでは空間支配はできません。星稜が優勝出来ない理由のひとつにあげてもいいかと思いましたね。


あとわずかですが続きます。