9回裏、追いすがる青田は満塁のチャンスで球道。フルカウントから一男が投げさせたボールのストレート(だから球道も自信を持って見送った)がストライクとジャッジされ、三振。ゲームセットとなった。甲子園のストライクゾーンは広い、一男の巧みなキャッチング、球道と英治の下痢による遅延でおそらく青田にいい印象がない、とこれだけ揃えば必然である。まだ1年生、そこは甘かった。

勢いにのった博多どんたくは優勝したという。若いチームの怖さだが、南火大付はどうなったんだろう?案外2回戦あたりでスコーンと負けたような気がする(笑)

さて、甲子園から帰った青田の敵は部員不足である。いつの間にか1年生だった筈の片平がフェードアウトしている。決勝点のシーンでは、水田、花水、空草と違い批判の対象にならなかったが、レフトとして最後の悪送球をしたのは片平である。3人と違い早々に退部したのかもしれない。

代わりに、という訳ではないが、入部してくるのが葵、座間、飛魚、勝又である。勝又がどういう経緯でシゲ監督に見出だされたのかはわからないが、けっこう軽い気持ちだったようだ。
身体能力が1番優れているのが飛魚なのは間違いないだろう。ただ、その身体能力が足だった事によって、葵のキャラが消えてしまう事が残念だった。
座間は空草にPKで負けたという。おそらく力の差を見せようとして蹴ったボールがバーでも叩いたのだろう(笑)

怪我をした葵はともかく、花水までフェードアウトしたのは残念だった。何度も書くが、博多どんたく戦の決勝点、空草、水田、花水が非難されているが、花水は非難されるようなプレーはしていない。悪送球に備え1塁をバックアップし、送球した。その送球も水田がカットしてしまい、水田が悪送球した(水田が複数回エラーしている)ものである。花水に対する非難は不条理である。フェードアウトしていくのが気の毒だ。
これが非難が元で退部したようなら切ない。

そして登場するのが青空と、トラブルメーカーの雨宮である。青空は最初トラブルメーカーに見せて、実は雨宮が黒幕だった。こんな2人が何故友達になったのかを含め、考えてみたい。
話が後先になるが、雨宮が不良になったのはやはり両親が実の親じゃないと知ってからだと思う。青空とのつきあいはその前からあったものだろう。その過去の経緯から友達になっているのだろう。
青空が雨宮を無視する前に雨宮が起こしているトラブルは、なんだかんだ言って青空がフォロー出来るようなレベルである。りんごの万引きにしても、女子高生からのカツアゲにしてもそうである。いうなれば雨宮は典型的なかまってちゃんである。
青空の野球部入部は雨宮がけしかけたものだが、結果として雨宮が孤立することになった。球道への憎悪もあり、雨宮の行動がエスカレートすることになる。

いったん雨宮の事はおいといて、プレーヤー青空について書きたいと思う。青空は球道をして「驚かされたプレーヤーは渡と青空だけ」という位だから、内野手としては千葉でNo.1の選手である。そして情報通でもある。報道される前から桜ヶ丘の球道対策を知り、投球練習をするよう誘導していたのだから。
おそらくこれだけの選手だから、草野球位はしていて、チームに情報通でもいるのだろう。
これも話が後先になるが、これだけの選手の青空が活躍の機会に恵まれなかったのは残念だった。という訳で高校卒業後の青空について想像してみた。
千葉では大きな記事になる位のプレーヤーである。そして、『球道くん』連載時は社会人のチームも多い。母子家庭らしい青空の家では“就職して社会人野球”というのは最高の選択肢だと思う。
真面目な性格なので会社での評判もいいだろう。プレーヤーとしてもかなりである。社会人になり、生活環境がよくなれば筋肉もつき、プロ入りだってあるかもしれない。
成功してほしい1人である。

さて、再び雨宮に戻ろう。青空に無視されるようになってから、行動がエスカレートするようになる。ラーメン屋末広での大暴れ、空草、座間、水田、勝又に対してのタカりである。チームメイトが被害者となった事により、球道が爆発してしまう。
ただ、雨宮に対して言いたいのは、親の七光りでいい立場を得られるのは政治家位だ。スポーツの世界では、最初は七光りもあるかもしれないが、それで結果がついてくる世界ではない。親の七光りで140kmのストレートが投げれるか、千葉で優勝出来るか。青空との関係でも書いたが、雨宮は基本的にひねくれた甘えのかまってちゃんである。だから球道がタイマンでケリをつけにきた時も、最後まで「やったら出場停止だぜ」と、球道が何も出来ないだろうと牽制している。
ところが球道は感情が暴走するタイプの人間である。全ての言葉が怒りのエネルギーになっていったと思われる。

それにしても皮肉な2人の対決だった。