千佳 番外編を挟んだのでおさらいしましょう。
長戸 だな。時は1995年8月29日、場所は日本武道館。“ゲームの殿堂”というイベントが行われていた。
千佳 2日目にあたるこの日はステージでのライブイベントでした。
長戸 そこにゲストとして呼ばれていたのが、当時「最後の正統派アイドル」とも呼ばれていた水野あおいさん。
千佳 ステージ上に初登場したのは司会の1人、声優の國府田マリ子さんが自らの準備の為一旦引っ込んだ時、司会のピンチヒッターとしてでした。
長戸 登場、気合い入れて応援する荀攸達だった・・・ってな感じでしょう。
荀攸 まあそうだね。それでは始めようか。

荀攸 誰かワンステージあった後、あおいちゃんの歌になった。『恋のはじまり』とあと1,2曲だったと思う。1曲じゃなかったのは確かだ。
千佳 これも気合い入れて応援した訳ですか。
荀攸 そうだね。とにかくアウェイの空気にはしたくなかったからね。
長戸 必死だな。
荀攸 そしたら司会の伊集院光がまた「お前ら凄いな」と言ってきた。こちらはキングさんも含め当たり前の事をやっていたのに、とは思ったけどね。

荀攸 ただ、イベントの空気は明らかに変わった。これまで皆さん大人しいものだったが、お目当ての人が出てきたら立って応援するようになった。
長戸 イベントに活気が出てきた訳か。
荀攸 まあ、あそこに凄い連中がいる、という情報が飛び交ったんだろう。妙にイベントのアーティスト達から煽られる様になったけど。
長戸 いうなれば水野あおい軍の精鋭だから、他の軍じゃ動かないわな。

千佳 活気が出てきた、って、どんな感じでした?
荀攸 過半数が國府田マリ子さんの時に立ったから、國府田マリ子メインの人が多かったんだろう。ただ弱々しく「マリ子様ー」とか言ってるんで「暗いんかコイツら」と思った。
長戸 ははははは。
荀攸 驚いたのはMelody。明大和泉祭の時は「かわいい」系の衣装を着て、「かわいい」系の曲を歌っていたのが、セクシー系の衣装になり、カッコいい系の楽曲に、セクシー系の振り付けになっていた。
千佳 イメチェンした訳ですか。
荀攸 で、Melodyのファンも勿論いた。前方に陣取っていたのは俺らよりも多かった。
長戸 そこで扱いの差になったのかもな。
千佳 プログラムに記載されたMelody、されていないあおいさんでしたね。
長戸 で、そいつらも「凄い」扱いだったのか?
荀攸 いや、Melodyは伊集院に「お前ら、レアだな」って言われていた。
千佳 レア、珍しいとかめったにいないとか?
長戸 「凄い」よりも「レア」は下の様な感じだな。
荀攸 伊集院のトーンがそうだったよ。

荀攸 國府田マリ子さんが司会に復帰し、あおいちゃんの出番は終わった。後方に陣取っていたファンはそれで帰ったようだが、前方の我々はそうはいかない。
千佳 そうです、失礼です。
荀攸 そしたら、伊集院なのかスタッフなのかの配慮で、あおいちゃんがもう1回ステージ上に登場した。
千佳 嬉しいサプライズです。
荀攸 ほぼ我々に対する挨拶みたいなノリだった。こういう時間を与えてくれた伊集院光には感謝している。
千佳 きっかけは「お前ら、凄いな」ですからね。

千佳 でも、荀攸さんやキングさんは嬉しいサプライズがあったけど、先に帰った人達は?
荀攸 歩いているとあおいちゃんが乗っていた車が通りがかり、挨拶があってそれはそれで良かったらしい。
千佳 あおいさんも気分良かったでしょうね。

荀攸 後日談を1つ。前回、イベントの様子が雑誌に紹介されていると話したけど。
長戸 後輩の早明浦ダムから見せてもらったんだよな。
荀攸 このステージについても記事があった。各ゲストの写真がそれぞれ半ページを占めるというモノだった。
長戸 かなり力が入っているな。
荀攸 それが、プログラムに記載されていなかったあおいちゃんなんだけど、このページでは他のゲスト同様の扱いになっていた。
長戸 これは、ファンとしては嬉しいだろ。
千佳 「お前ら、凄いな」といい、嬉しいサプライズといい、記事といい、完全勝利じゃないですか。
荀攸 (無言で微笑む)

荀攸 という訳で、今回はここまで。
長戸 8月の終わりに、成果が出たか。
千佳 こういう展開になったんですね。