昨日に引き続いて今日は、3種類の遺言書の中で「秘密証書遺言」について説明していきたいと思います。
秘密証書遺言とは、遺言者が遺言内容を誰にも知られたくないという場合の遺言方法ですが、
実際にはほとんど使われていないのが現状です。
内容を秘密にすることは出来ますが、自分が遺言書を作成してこれが秘密証書遺言であるという「存在」の確認を公証人と証人にしてもらう必要があります。
ザックリ言うと、『遺言内容は秘密に出来るが、公証人は中身を確認しないので要件の不備による遺言書無効の可能性あり・紛失した時は救済なし』ということです。
メリットとしては
・遺言内容を秘密にして遺言書の存在のみを公証人役場で証明出来る
・パソコンでの作成が可能(自筆の署名・捺印は必要)
・遺言内容は遺言者である本人にしか知り得ない
デメリットとしては
・遺言書内容の不備で無効になったり紛失の可能性がある
・費用がかかる
・2名の証人が必要になる
・家庭裁判所による検認が必要になる
ということで、どうしても遺言内容を秘密にしたい場合以外は公正証書遺言にした方が良いのが秘密証書遺言です。
手続きが煩雑な割に公正証書遺言のような確実性がないのでオススメしません。
費用もかかりますのであえて秘密証書遺言にする理由はほぼ無いと思います。
紛失の可能性もありますので、死後100%安心出来る遺言方法とはいえないでしょう。