「大丈夫?」と聞かれると、
僕はほぼ反射で、「大丈夫です」と答えます。

ほんとは、全然大丈夫じゃないときでも。

しんどい、と言えない。
助けて、が言えない。
弱音を吐くくらいなら、一人で抱えて、
つぶれるほうを、選んでしまう。

もしあなたも、そうなら。
それは、あなたが強いからでも、冷たいからでもないのかもしれません。



◆ 「男なんだから、強くなれ」の正体

小学二年の、あの日。
父に「ナヨナヨしすぎ」と言われて、僕は泣きました。
そして、痛いほど、思い知らされた。

泣いたら、舐められる。
男なんだから、強くならなきゃいけない。

それ以来、僕は、弱音を飲み込む練習を、
何年も、何年も、続けてきました。

その結果、どうなったか。

しんどくても、しんどいと、気づけない。
悲しいのか、怒っているのか、自分でもよく分からない。

これは「アレキシサイミア」と呼ばれることがあります。
……すみません、急にむずかしい言葉を出しました。
ようするに、自分の気持ちに、自分で気づきにくくなっている状態のことです。

感情に、ずっとフタをしていると、
そのフタの開け方を、忘れてしまうんです。

つまり僕は、強くなったんじゃ、なかった。
ただ、感じないのが、上手くなっただけだった。

そしてそれは、僕の性格のせいじゃない。
「そう振る舞え」と、教えられてきたからです。



◆ 今日からできる、小さな一歩

いきなり「弱音を吐こう」とは、言いません。
吐き方を教わってないのに、それは、無理です。

だから、まずは「吐く」前に、「気づく」ことから。

今日、一日の終わりに、
今の自分の気持ちを、ひとことだけ、メモしてみてください。

ポイントは、「しんどい」で止めないこと。

その「しんどい」は、
悲しいのか。こわいのか。悔しいのか。さみしいのか。
ほんの少しだけ、細かく、言葉にしてみる。

最初は「わからない」でも、大丈夫です。
わからない、と書けたことが、もう第一歩なので。

気持ちは、言葉にしたぶんだけ、扱えるようになります。



◆ 弱音を吐けるのは、強さです

ずっと、強さとは「感じないこと」だと、思っていました。

でも、今は、違うと思っています。

本当の強さは、感じないことじゃない。
ちゃんと痛みを感じた上で、それでも、立っていられること。

弱音を吐けるのは、弱さじゃありません。
自分の心を、見捨てなかった証拠です。

あなたは、もう、強くあり続けなくていい。
少しずつ、フタを開けていきましょう。
ゆっくりで、いいので。

次回は、「怒っている人を見ると、体が固まる」話をします。
これも、あなたのせいじゃない、という話です。

アオ