「また逃げてる」

スマホをいじりながら、ゲームを起動しながら、
僕はよく、自分に、そう言っていました。

やらなきゃいけないことから、逃げてる。
人付き合いから、逃げてる。
こんなふうだから、自分はダメなんだ、と。

もしあなたも、何かに「逃げ込む」自分を責めているなら。
今日は、その見方を、一度だけ、手放してみませんか。



◆ 子どもの僕にとって、ゲームは「逃げ場」だった

うちには、なぜかゲームだけが、やたらとありました。
ドラクエ、ポケモン、モンハン。

父の機嫌が悪い日、僕は部屋にこもって、コントローラーを握った。

その世界の中では、誰も僕を「デブ」とは言わない。
努力すれば、ちゃんとレベルが上がる。
理不尽に、川に落とされたりもしない。

現実よりずっと、ルールがフェアだったんです。

今になって思うのは、
あれは「逃げ」じゃなくて、「避難」だった、ということ。

心理学に「安全基地」という言葉があります。
むずかしく聞こえますが、ようするに、
こわいことがあっても、ここに戻れば大丈夫、という"心の避難場所"のこと。

本来それは、親や家庭が担うものだと言われています。

でも、それが家になかった子どもは、
自分の力で、どこかに避難場所を、見つけるしかない。

僕にとっては、それがゲームだった。
あなたにとっては、漫画や、音楽や、眠ることだったかもしれません。

それは、意志が弱かったから、じゃない。
むしろ、逆です。

逃げ場を見つけられたから、
あなたは、あの頃を、生き延びられたんです。



◆ 今日からできる、小さな一歩

大人になると、僕らはつい、逃げ場に罪悪感を持ちます。
「こんなことしてる場合じゃない」って。

でも、避難場所は、今のあなたにも、必要です。

今日、ひとつだけ、やってほしいことがあります。

紙でも、スマホのメモでもいいので、
「ここにいると、少しほっとする」場所や時間を、
3つ、書き出してみてください。

好きなゲーム。湯船。カフェの隅の席。
寝る前の、音楽を聴く10分。
なんでも、いい。

それは、あなたの「安全基地リスト」です。

逃げ場を持つことは、弱さじゃありません。
ちゃんと生き延びるための、立派な戦略です。



◆ 逃げてたんじゃない。生き延びてた

だから、もう、自分を責めないでください。

あなたは、逃げてたんじゃない。
生き延びる場所を、自分の手で見つけられた人です。

これからは、その避難場所を、
罪悪感じゃなく、「自分を守るため」に、堂々と使っていきましょう。

ちゃんと休めた人から、また歩き出せます。

次回は、「男なんだから強くなれ」という言葉が、
僕から何を奪ったのか、という話をします。

アオ