Nikon FXフォーマットカメラ用のキットレンズとして設定されることのある、AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR。
現行の標準ズームでは最も廉価で、特に中古市場では3万円以下で見かけることもある製品ですが、個人的には、値段を超えたとんでもない性能を秘めていると思っています。
- 準広角で汎用性の高い24mmからポートレート向けの85mmまでカバーした使いやすい画角、
- 素直な発色、
- 絞ることで単焦点並みの解像感を見せる35mm-50mm付近の画質、
- 開放から使える望遠端、
- めちゃくちゃよく効く手ぶれ補正、
- 460g程度という軽量さ、
などなど、かなりバランスの良い一本となっています。
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それでは画角別に画質を見ていきたいと思います。
85mm
Df + 24-85 f/3.5-4.5G VR
開放での撮影です。
便利レンズを越えた画質だと感じます。85mm f1.8Gも所有していますがその画質を知った後でも満足です。
開放F値は4.5ですが、85mmなのでしっかりボケます。
素直なボケと効きの良い手ぶれ補正が85mmでの人物ショットをサポートします。
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
同じく開放。友人四人で行ったギリシャ旅、アテネからメテオラに向かう電車内。
このギリシャ旅はDfに16-35 f/4 VR とこのレンズの二本で行きましたが、この二本で「撮りたい」と思う全ての場面をカバーしてくれました。
特にこの85mmが使えるのは大きい。
24-70 f2.8の70mmは画質は申し分ないがやはり微妙に画角が足りない。
かといってマクロか85mm f1.8のいずれかをもう一本加えると機動力が落ちるし、結局レンズ交換が面倒。
でも24-85 f/3.5-4.5 VRであればそのままズームしてしまえば良い。
結果帰国後にデータを振り返ると友人の一枚絵がいつもより多くなっていました。
35mm
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
最初に画質をパソコンで確認したは腰を抜かしそうになりました。
素晴らしい解像感です。35mm f1.8Gに比肩する解像感だと感じました。
24mm
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
留学中に、日帰りで近くの村々を訪ねて周りました。こういった気軽な散策にはもってこいです。
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
24mmは絞っても周辺がやや甘いのですが、十分及第点でしょう。
友達や家族のグループ写真ではより画質の良い35mmにズームして撮ってやると良いと思います。
D3S + 24-85 f/3.5-4.5 VR
でも開放であればその甘さも目立ちません。ボケも素直です。
D800 + 24-85 f/3.5-4.5 VR
24mmは便利な画角です。28mmでは一歩引かないといけないような距離でしっかり入れたいものが全て入ります。
しかし…D800と組み合わせてもしっかりD800の良さが出ています。D810のキットレンズに設定されているのを見て「せっかくD810なのにこれはなぁ」とか思っていましたが、しっかり高解像機を高解像機らしく振る舞わせます。
50mm
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
35mm同様ここも解像感が良いです。
開放F値が4.2とやや暗めになるので、50mmを多用する方は50mm f=1.8Gを追加しても良いでしょう。
70mm
Df + 24-85 f/3.5-4.5 VR
遠景。
いい感じです。70mmを多用される方はそんなに多くないと思いますが、24-70 f2.8の70mmと比較するために撮っておきました。
絞ればしっかり解像します。解放の画質は…試してないです。85mmの画質は保証しますので、そちらでお撮りください。
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非常に便利な一本です。
友人たちと遊びに行くときはこれ一本で十分。
24-35mm付近で集合写真、50mmでスナップ、85mmでバストアップの個人写真と使い分けをしています。
※関連記事: http://ameblo.jp/junwxyz/entry-12160955049.html
また、高性能なレンズが必要無い旅、例えば国内やヨーロッパをふらっと散策して景色を撮り歩くにももってこい。
大体の撮影をカバーすることができます。
一時期所有したAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRと比べても画質は引けをとりません。
従って85mm以上を使わないならこちらで十二分。
むしろ中望遠(50-100mm付近)で画質の落ちる24-120と比べて、85mmで素晴らしい画質を見せる24-85 f3.5-4.5は、このあたりの画角をよく使うのであれば評価は上になると思います。
何より中古市場で6万円近い価格差と300gの重量差は大きく、これらを見てもこちらを積極的に選択する理由になり得ます。
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDのような全域で開放から使える画質というわけではありませんが、各焦点距離(24, 35, 50, 85) の画質を理解し、それぞれの役割をしっかり分担した上で使えば、満足のいく写真を撮ることができると思います。
開放の明るさを考えるのであれば単焦点を一本追加するのも良いでしょう。
広角側で明るいレンズ(24, 28mm f1.8G)、もしくは50mm f1.8Gあたりがお勧めです。
性能を考えると破格のレンズです。
既にAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED (VR) などを所有されている方のセカンドレンズとしておススメです。
また、せっかくFXのボディ買うのにこのレンズでいいのかな』とお悩みの方には、自信を持って『フルサイズの画質を充分体感できるレンズ』と背中を押させていただきます。