先人の遺しし宝守りたしその智恵力に身震いする吾我が家は築150年の茅葺き屋根の古民家で... 🎵先人の遺しし宝守りたしその智恵力に身震いする吾 我が家は築150年の茅葺き屋根の古民家です。 亡き祖母と、76歳の義父の思いで、なんとかここまでこの茅葺き屋根を守って来ましたが、もしかすると今回が最後の葺き替えになってしまうかもしれません。 この一週間の間に、我が家は稲刈りがあったり、この葺き替え工事があったり日々はバタバタと忙しく過ぎてゆきました。 葺き替え職人さんが毎日三、四人くらい来られ、見事な仕事っぷりでだんだん屋根が整えられていきました。 初めてこの町に来た日、松江から掛合に向かうバスの車窓から「わぁ!すごーい!茅葺き屋根だーー!」と一人興奮しながら眺めていたのを思い出します。 まさかそのおうちにお嫁に来ることになるなんて、その時は夢にも思わなかったけれど(笑) 遠い場所へ仕事に行っても、国道からこの屋根が見えると、ああ おうちに帰って来たー!と どんな時もほんとうにほっとして、ただいま!のきもちになります。 いろんな方が写真を撮りに来られたり、見せてください、と訪ねてこられる度に、亡き祖母は嫌な顔ひとつせず、縁側に座ってお茶を淹れてにこにこして応対していました。 たった一度いらしただけなのに、そのおばあちゃんの笑顔とおもてなしが忘れられない、と未だに毎年年賀状を下さる方もおられます。 ご先祖様が造り遺して下さったこの家のこの屋根を、守り続けたいと私たち夫婦も思っているのですが、とにかく茅葺き職人さんがもうおられないのです。今回の職人さん達も皆さん82歳とか! すごいなぁ。。 ひょいひょい屋根に上って行かれるのですが 「おらももう今年でもうおしまいにするわー」と広瀬町から来られた親方がお茶の時間にぽつりと呟かれました。 さーてどうなる?この先の白築家?! なのであります。 茅、は要するにススキなのですが、これをたくさん刈って乾燥させ、結わえて、屋根裏に上げて保管します。 茅を育てる、刈る、運ぶ、乾かす、結わえる、屋根裏に運ぶ、保管する、そして又下ろす、という作業だけでも大かなりの重労働。 そして葺き替え時には、足場を組んだり、上にいる人に下から茅を投げたり、煤だらけで真っ黒になりながらの大変な作業が続きます。 嫁いだ12年前には、まだ近所のおじいさんたちがちゃんと段取りして、それぞれの役回りで一人の職人さんを、てご(出雲弁で手伝いという意味)していたのですが、時と共に亡くなったり施設に入られたりと、もうそんな先人の智恵としなやかな体力を持つ近所の人、がいなくなってしまいました。 家もお庭も田んぼも畑も山も‥ そしてこの愛する地域のいろんないろいろを‥ ちゃんと守って遺したいきもちと、 その責任の重さや不安も‥。 田舎暮らしをする若い人たちの大きな課題でもあります。。 どうかちゃんと守っていけるように守ってください、と 今朝きれいになった屋根を見上げながら ご先祖様にお祈りしました。 静かな雨の日‥ あちこちに響いていた稲刈りの音も今日はおやすみです。 穏やかにすこやかに‥ 心しずかな一日でありますように。。 Jun Shiratsukiさん(@junshiratsuki)がシェアした投稿 - 2017 Sep 6 5:41pm PDT