娘は図書館司書を目指していました。
とにかく本が好きで、図書館が好きでした。

しかしながら、司書の勉強ができる学校が、地元にはありませんでした。
娘は自分で調べ、進学したい大学を決めました。

公立で学費が抑えられること、自宅からの距離、そして何よりも彼女が真面目に勉強したいと思って選んだ大学でした。

それなのに…
私は余計なことをしました。
私立ならもっと近くにもいくつかあるよ、と選択肢を提示したんです。

なんでそんなことをしたんだろう。
娘が選んだことを応援するだけで良かったのに。

今勉強しているテキストの中に、彼女が目指していた大学の地名が出てきました。
そう、図書館と縁が深い土地だったのです。
娘はちゃんと確かな所を選んでいたんです。

遠いその地名を見て、やっと気付きました。
あぁ、そうか、あの時私は淋しかったんだ。
自分の夢に向かって正しく歩いている娘が、どんどん離れていくようで淋しかったんだ。

少しでも近くにいてほしかった。
彼女の気持ちを考えてない、私のわがままでした。
それなのに正論ぶって、他も考えてみたら、なんて言ってしまったんです。

娘は、否定されたと思ったのでしょう。
自分は信用されてないとも思ったのでしょう。

どうしてもっと話をしなかったんだろう。
その大学を選んだ理由をしっかり聞かなかったんだろう。図書館に縁が深い場所なんだと、彼女の口から聞きたかった…。

テキストにあったひとつの地名から、ここまで落ちてしまいます。ひとしきり泣いて、ダダダダ一!って文字にして、何度も読んで、やっと落ち着きました。

こんな調子ですもん。
勉強なんて、はかどりませんよ。
なんて、言い訳かな。

ごめん!娘!