仏蘭西歌謡曲
Chanson Populaire en France

フランスの国旗と「Chanson Populaire」の文字
 
2026年10月6日号

 

2026年10月2日付 SNEPシングル&アルバムチャート

※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)

 

【シングルチャート】

 1 Fille à Papa - Vacra, La Rvfleuze

 2 La Nocturne - Tiakola, Theodora

 3 Mélo Décalé - Tiakola

 4 Sicario - Timal

 5 Sexy Nana - Aya Nakamura & La Rvfleuze

 6 Cœur de pirate - Tiakola

 7 Dai Dai - Shakira, Burna Boy

 8 Maladie - Mauvais djo

 9 Pilé - Mauvais djo

 10 Melodrama - Disiz, Theodora

 

【アルバムチャート】

 1 WpointM - Tiakola

 2 Et si j'échoue - Bouss

 3 L'Undertaker, Pt. 2 - Mauvais djo

 4 Sarah B. - Bello & Dallas

 5 Numéro d'écrou - La Rvfleuze

 6 Pyramide 2 - Werenoi

 7 Grand garçon - PLK

 8 Destinée - Aya Nakamura

 9 The Life of a Showgirl: The Encore - Taylor Swift

 10 Matière noire - Djadja & Dinaz

 

 Vacra(ヴァクラ)とLa Rvfleuze(ラ・ルヴフルーズ)の「Fille à Papa」(ファザコン娘)がシングルチャート連続1位。トップ10にはTiakola(ティアコラ)のニューアルバム「WpointM」の収録曲が2位(「La nocturne」)、3位(「Mélo Décalé」)、6位(「Cœur de pirate」)に入り、大物ラッパーの貫禄を見せつけています。

 

Timal

「Sicario」(殺し屋)がシングルチャートで前週2位、今週4位のTimal(ティマル)は、29歳のラッパー。ルーツはカリブ海に浮かぶフランス海外県グアドループ(Guadeloupe)島で、パリの北の郊外、セーヌ=サン=ドニ(Seine-Saint-Denis/93)県サン=ドニ(Saint-Denis)を拠点に音楽活動を行っています。2026年8月25日号で少しご紹介しました。

 

Tiakola(ティアコラ)

 

Tiakola

 今週のアルバムチャート1位にTiakola(ティアコラ)が9月25日にリリースした「WpointM」(ドゥブルヴェ・ポワン・エム)が登場しました。「Mélo」以来4年ぶりのセカンドアルバムです。タイトルは本名のWilliam Mundala(ウィリアム・ムンダラ)に由来していて、ジャケットは彼のルーツの地、コンゴ民主共和国を意識しているようです。

 ティアコラは1999年12月、セーヌ=サン=ドニ(Seine-Saint-Denis/93)県ボンディ(Bondy)で生まれた26歳のラッパー。ボンディはサッカーのエムバペ兄弟(兄はレアル・マドリード、弟はリール)やユヴェントスのコロムアニ選手の出身地でもあり、「Banlieue(郊外)生まれのアフリカ系の少年が金持ちになるには、サッカーのトッププロ選手になるか、ラッパーとしてメジャーになるか、ギャング組織の親玉にのし上がるか、だ」を、まさに地でいくかのようです。

 2022年6月7日号で最初にくわしくご紹介しましたが、ヒップホップグループ 「4Keus」 のメンバーから2022年にソロデビューしました。2022年のファーストアルバム「Mélo」、2024年に出したミクスチャ・プロジェクトのミックステープ「BDLM Vol.1」はそれぞれ最高1位になり、2023年に大物ラッパーGazo(ガゾ)とコラボしたアルバム「La Mélo est Gangx」も最高1位になっています。ソロデビューしてまだ4年ですが、今やフランスのヒップホップシーンの重要アーティストの一人になったと言ってもいいでしょう。

 ティアコラの音楽をひと言で言うなら「フレンチアーバン・ヒップホップ」。根底にあるのはコンゴの伝統音楽がラテン音楽と融合した「Rumba Congolaise(ルンバ・コンゴレーズ)」ですが、彼はそれにAfrobeats(アフロビーツ)、R&B、ドリルラップなど、現代のヨーロッパの都会で聴かれているさまざまなエッセンスを融合させ、ラッパーでありながらキャッチーでメロディアスな曲を聴かせる独自の境地を築き上げています。それが国境を超えて評価され、UKのDave、ナイジェリアのRema、Asake、Jorja Smithなどともコラボレーションしています。

「WpointM」の収録曲は、自伝的な歌詞(paroles)のタイトルチューンも味わい深くていいのですが、今回は今週のシングルチャートで2位の「La Nocturne」(夜想曲)をお聴きください。Tiakolaとデュエットするお相手は同じコンゴ系で22歳。2024年に彗星のように現れてフランスのチャートを席巻した「Boss Lady」ことTheodora(セオドラ)です。

 

Tiakola(ティアコラ)& Theodora - La Nocturne

 

では、また来週

À la semaine prochaine!