仏蘭西歌謡曲
Chanson Populaire en France

フランスの国旗とChanson Populaire
 
2026年8月4日号

 

2026年7月31日付 SNEPシングル&アルバムチャート

※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)

 

【シングルチャート】

 1 Dai Dai - Shakira, Burna Boy

 2 Pilé - Mauvais djo

 3 Sexy Nana - Aya Nakamura & La Rvfleuze

 4 Maladie - Mauvais djo

 5 Melodrama - Disiz, Theodora

 6 Jamaican(Bam Bam) - Hugel, Solto(FR)

 7 Pineapple - Leto

 8 Pocahontas - PLK

 9 Nuevayol - Bad Bunny

 10 Dracula - Tame Impala

 

【アルバムチャート】

 1 DeBÍ TiRAR MáS FOToS - Bad Bunny

 2 Le nord se souvient:L'Odyssée - Maître Gims

 3 Destinée - Aya Nakamura

 4 Foreign Tongues - The Rolling Stones

 5 Et si j'échoue - Bouss

 6 Pyramide 2 - Werenoi

 7 Numéro d'écrou - La Rvfleuze

 8 Grand garçon - PLK

 9 The Cat - Nono La Grinta

 10 Arirang - BTS

 

 シングルチャート1位は4週連続でShakira(シャキーラ)とバーナ・ボーイ(Burna Boy)の「Dai Dai(ダイ・ダイ)」のアカペラ・ヴァージョンでした。これを閉会式で歌っていたワールドカップが終わって10日以上がたち、サッカーファンの皆さんはもう完全に8月開始の26-27シーズン突入前の有力選手の移籍話でもちきりなのですが……。

 シングルチャートは1位から13位まで順位が前週とそっくり同じという、完全バカンスモードというか夏枯れモードというか……。SNEPがストライキ(Grève)決行中なのかとさえ思いました。フランスではよくあること。

 今週のアルバムチャート1位はPuerto Rico(プエルトリコ)出身の31歳、Bad Bunny(バッド・バニー)が2025年1月に出した6枚目のスタジオアルバム「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」です。第68回グラミー賞年間最優秀アルバム賞を受賞したラテン・トラップの金字塔。これまでフランスでは最高2位で、1位は初めてです。タイトルはスペイン語で「もっとたくさんの写真を撮るべきだった」という意味です。

 

Bouss

 5位にBouss(ブース)の旧作「Et si j'échoue」(で、僕が失敗したらどうなる?)が浮上。2024年11月22日リリースで、同年11月29日付で最高3位になっています。ブースとこのアルバムについては2025年6月24日号でくわしく解説していますが、1998年6月、パリ郊外のオー=ド=セーヌ(Hauts-de-Seine/92)県コロンブ(Columbes)で生まれ、2020年にデビューした28歳のラッパーです。両親がハイチ系で、ハイチ、キューバ、ジャマイカなどアフロ・カリビアンの音楽の影響を受けており、「Parler tout bas」(ささやくように歌う)というコンセプトで独自の境地を築いています。

 

La Rvfleuze(ラ・ルヴフルーズ)


La Rvflueze

 今週のアルバムチャート7位はLa Rvfleuze(ラ・ルヴフルーズ)が3月リリース直後、初登場1位になった「Numéro d'écrou(ニュメロ・デクル)」です。タイトルは刑務所の「受刑者番号」という意味。ラ・ルヴフルーズは2001年7月、パリ19区のPorte d'Aubervilliers(オーベルヴィリエ門)地区生まれの25歳。本名はセニー・ベンガリ(Seny Bengaly)といいセネガル系です。

 この地区はパリ市全20区を囲む「ティエールの城壁」の北端、18区のLa Chapelle(ラ・シャペル)地区との境界にあたり、再開発地区にはあのChanel(シャネル)が服飾、工芸、インテリアの職人を集めた「手仕事」の拠点「Le 19M(ル・ディズヌフ・エム)」ができるなど、大きく生まれ変わりつつあります。同じ19区にはミッテラン政権の80年代、運河沿いに文化施設を集めて整備した大規模都市公園「Parc de la Villette(ラ・ヴィレット公園)」もあります。「パリ18区、19区=荒廃、危険、近づくな」など古い情報で勝手にレッテル貼りをしないようにしましょう。そのへんの住民より、RERのB線の途中駅からドヤドヤ乗ってくる若い奴らのほうがよっぽど怖い。

 さて、ラ・ルヴフルーズはジャンル的には過激で硬派な「ドリルラッパー」とみなされ、アルバムタイトルもルックスもそれっぽいのですが、音楽はあえてテンポを落とした重厚なフロウと緻密なリリックが特徴というややソフトめの路線です。それがかえって「聴きやすい」と、今の人気につながっているようです。

 アルバム「Numéro d'écrou」ではGazo、Hamza、Freeze Corleone、Koba LaDら有名どころのラッパーたちとコラボレーション。エンディングナンバーの「Argent Sale」(汚いカネ)でシングルヒットを飛ばしていますが、今回はシングルチャート今週3位の「アフロ女将軍」Aya Nakamura(アヤ・ナカムラ)とのデュエット「Sexy Nana」をお聴きください。

 歌詞(paroles)の内容は「Chanel, Gucci, Prada(シャネル、グッチ、プラダ)」と有名ブランド名を連呼したり、「Galeries(ギャラリー・ラファイエット)」「Printemps(プランタン)」などパリの高級デパートの名前が出てきたりと、まさしくお買い物デート。もし、男性がMonoprix(モノプリ)やCarrefour(カルフール)なんかに連れて行ったら、即刻関係終了? お買い物デートでは女性はワクワク、ウキウキ気分、男性は黙ってATMと化すのが常ですが、この曲でもやはり、たえずリードしているのは年上の中村さん。なお、この曲はアルバムには未収録です。

 

Aya Nakamura(アヤ・ナカムラ)& La Rvfleuze(ラ・ルヴフルーズ) - Sexy Nana

 

では、また来週

À la semaine prochaine!