
2024年11月22日付 SNEPシングル&アルバムチャート
※SNEP:Syndicat national de l'édition phonographique(フランス全国音楽出版組合)
【シングルチャート】
1 Alpha - Damso & Kalash Criminel
2 Cartier Santos - SDM
3 Sois pas timide - Maître Gims
4 Laisse-moi tranquille - Damso
5 Minimum Ça - Dr.Yaro
6 4 Kampé - Joé Dwèt Filé
7 Schéma - Damso
8 Pour elle - SDM
9 Limbisa Ngai - Damso & Kalash Criminel
10 Spider - Maître Gims, Dystinct
【アルバムチャート】
1 From Zero - Linkin Park
2 J'ai menti - Damso
3 Mon sang - Clara Luciani
4 Imposteur - Julien Doré
5 Golden Hour:Part.2 - Ateez
6 Goat - Ninho & Niska
7 À la vie à la mort - SDM
8 Pyramide 2 - Werenoi
9 BDLM Vol.1 - Tiakola
10 Le Nord se souvient - Maître Gims
シングルチャート1位はDamso(ダムソ/写真)とKalash Criminel(カラシュ・クリミネル)による「Alpha」に変わりました。前週1位のSDM「Cartier Santos」は2位に後退。ダムソは1992年5月、コンゴ民主共和国の首都キンシャサ(Kinshasa)生まれの32歳。90年代、第一次コンゴ内戦を逃れて家族とともにベルギーに移住し、ブリュッセルのコンゴ人地区で育ちました。戦争、人種差別、貧困、暴力などの問題をリリック(paroles)で訴える硬派のラッパーです。
コラボするカラシュ・クリミネルも幼少期にコンゴの首都キンシャサに住んでいて、内戦を逃れてヨーロッパに移住した経歴はダムソと同じですが、家族と一緒に逃げて育った場所はフランスのセーヌ=サン=ドニ(Seine-Saint-Denis/93)県セヴラン(Sevran)で、年齢はダムソの3歳年下の29歳。目出し帽がトレードマークです。
今週のアルバムチャート1位にグラミー賞2回受賞のアメリカのニューメタル・バンド、Linkin Park(リンキン・パーク)の7年ぶりのスタジオアルバム「From Zero」が登場。11月15日世界同時発売。2017年からバンド活動を休止していましたが、今秋から新加入メンバーを加えた新体制で再始動しました。9月13日付SNEPアルバムチャートで2000年以降のシングル・コレクション盤が10位になっています。
Damso(ダムソ)が11月15日に出した新作「J'ai menti」(「僕はウソをついた」という意味)がアルバム2位にチャートイン。その収録曲が今週のシングルチャートのトップ10で1位、4位、7位、9位に入っています。ベルギーで人気があるラッパーですが、フランスでも2020年9月リリースの5枚目「QALF」をはじめ3枚のアルバムが最高1位になっています。
アルバム5位の「Golden Hour:Part.2」(11月15日発売)は、韓国の8人組男子K-POPグループAteez(エイティーズ)の10枚目のミニアルバムで、「Part 1」のほうは2024年5月に出ています。2018年デビューで6年のキャリアがあります。
Clara Luciani(クララ・ルチアーニ)
2022年度の第37回ヴィクトワール音楽賞で、前作アルバム「Cœur」に対する「年間最優秀アルバム賞」と「年間最優秀女性アーティスト賞」の2部門を受賞したフレンチポップスの女性シンガーソングライター、Clara Luciani(クララ・ルチアーニ)が、11月15日に受賞後初、3年ぶり3枚目のスタジオアルバム「Mon sang」(「私の血」という意味)をリリース。今週のアルバムチャートで3位に入っています。彼女については2021年6月22日号で一度とりあげていますが、3年以上が経過したので、改めてプロフィールなどをかいつまんでご紹介します。
1992年7月、南仏のブーシュ=デュ=ローヌ(Bouches-du-Rhône/13)県マルチーグ(Martigues)生まれの32歳。同県のマルセイユに近いセプテーム=レ=ヴァロン(Septèmes-les-Vallons)で育ちました。ルチアーニとはイタリア系っぽい名前ですが、両親は18世紀までは現在イタリアのジェノバ共和国の領土だったコルシカ島(イタリア語ではCorsica/フランス語ではCorse)の出身です。
182センチの長身。2011年、19歳でサイケパンクなロックバンド「La femme」にヴォーカルとして加入。2013年に脱退してソロ活動に入り、2018年にファーストアルバム「Sainte-Victoire」をリリースしました。ヴィクトワール音楽賞を受賞したアルバム「Cœur」を出したのは2021年4月で、前号でご紹介したジュリアン・ドレも参加して大ヒットを記録。SNEPチャートでは最高1位になりました。
尊敬する音楽家はミシェル・ルグラン、セルジュ・ゲンズブール。好きな歌手はフランソワーズ・アルディ。好きな女優はアンナ・カリーナ。好きな映画は1967年のミュージカル作品『ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)』で、PVでそのパステルカラーの世界を再現、披露しています。まさにそれは、日本人がイメージするような古き良きフレンチポップスの世界のど真ん中。それに加え、ポール・マッカートニーのファンでロックバンドにもいましたから、そのテイストも入っています。
新作アルバム「Mon sang」は13曲入り。アメリカのシンガーソングライター、ルーファス・ウェインライト(Rufus Wainwright/カナダのモントリオール育ちでフランス語が話せます)が参加して「Forget me not」という曲を英語とフランス語でデュエットしています。
クララ・ルチアーニはポップシーンで大成功して「これから」と期待されながら、手が震える神経の病気「本態性振戦」に苦しめられた時期があり、それを克服して私生活では2023年に結婚、出産を経験しました。
「Mon sang」収録曲から9月にシングル発売された「Tout pour moi」をお聴きください。2023年9月に生まれた自身の男の子に捧げた曲で、「Avant toi, je n'existais presque pas」(拙訳:あなたの前には、私はほとんど存在していなかった)と歌詞にあるのは、母親になった彼女は、人間的にひと皮むけた、ということでしょうか?
Clara Luciani(クララ・ルチアーニ) - Tout pour moi
では、また来週
À la semaine prochaine!


