2022年６月17日付 ＳＮＥＰシングル＆アルバムチャート
※ＳＮＥＰ：Syndicat national de l'édition phonographique（フランス全国音楽出版組合）
【シングルチャート】
１ Tout va bien - Alonzo
２ J'ai tout su - JuL
３ Running Up That Hill (A Deal With God) - Kate Bush
４ Suavemente - Soolking
５ Superstar - JuL
６ 22 - Single - S-Crew
７ Calm down - Rema
８ Gasolina - Tiakola
９ Molly - A colors show - Gazo
10 As It Was - Harry Styles
【アルバムチャート】
１ SZR2001 - S-Crew
２ Proof - BTS
３ Extraterrestre - JuL
４ À l'aube - Soso Maness
５ Mélo - Tiakola
６ Quartiers nord - Alonzo
７ Rêvalité - -M- (Matthieu Chedid)
８ Sans visa - Soolking
９ Harry's House - Harry Styles
10 Jefe - Ninho
６月21日は「Fête de la musique（世界音楽の日）」です。
シングルチャート１位はAlonzo連覇。Kate Bushも３位堅持。「Calm down」が７位に入ったRemaはナイジェリアの22歳のラッパーでリリックは英語。「Iron Man」という曲をアメリカのオバマ元大統領が2019年に自身のプレイリストに入れたことで有名になりました。アルバムチャート２位は６月14日に活動一時休止を宣言した韓国のBTS（防弾少年団）の「Proof」。フランスにもARMY（彼らのファン）がたくさんいるようです。
４位にSoso Manesの４枚目の新作アルバム「À l'aube」が入りました。「夜明けに」という意味。Soso Manessはマルセイユ生まれ、35歳のアルジェリア系のラッパー。13 Organiséのメンバーで、アルバムにはSCH、Josman、Dinos、Maes、「ペレストロイカ（Perestroika）」というグループにいたMac Tyer、偽ロシア人のドクロ仮面男Vladimir Cauchemarらが参加。戦争にワルノリか？
S-Crew（スクリュー）
６月10日リリースのスタジオアルバム「SZR2001」が今週のアルバムチャートで初登場１位に飛び込んできたのが、ヒップホップグループS-Crew（スクリュー）で$-Crewと表記されることもあります。メンバーで最も知名度があるのはギリシャ＆スコットランド系でソロミュージシャンとして大活躍し、俳優でもある32歳のNekfeu（ネクフ）でしょう。彼と2zer Washington、実の兄弟のFramalとMekra、DJ Elite、Hug Hefnerzが加わります。グループ名の「S」は主要メンバーの出身地であるパリの南（sud）の郊外や、野性（sauvage）などの意味も含まれるそうです。
グループの起源は2001年にさかのぼりますが、メンバーの変遷を経て2009年の最初のミックステープ「Même Signature」でひろく知られるようになり、2013年に「Seine zoo」（最高13位）でアルバムデビューします。2016年のセカンドアルバム「Destins liés」は前年2015年にソロアルバムデビューしたNekfeuの人気も手伝って初のアルバムチャート１位になりますが、それから約６年間のブランクがありました。
「SZR2001」にはAlpha Wann、 PLKとDoumsが参加。タイトルは彼らのレーベルSeine Zoo Recordsの頭文字で、2001はS-Crewが最初に結成された年、2001年です。ちなみにヤマハの二輪車に「SZR600」という車種があり、90年代にイタリアのベルガルタ・ヤマハの工場で生産されヨーロッパで人気を博しました。アルバムが発売３日で４万2960枚を売り上げたのを報告したツイートでは、S-Crewのメンバーが二輪車に乗るポーズをとった写真が使われています。
それとは別に、トヨタのスポーツカー「スープラSZ-R」を思わせる四輪車のヴィジュアルも使われています。
この新作アルバム収録曲から今週シングルチャート６位に入っている「22」をお聴きください。22とは何でしょうか？ フランスのラッパーはよく県番号で地元愛（レぺゼン）を強調しますが、22はブルターニュのコート＝ダルモール県の県番号でパリから遠く離れているので、おそらく違うでしょう。リリックの内容で「22歳」「22時」とも解釈できそうですが、正解は新アルバムのリリース発表の日時が20「22」年５月「22」日の「22」時「22」分だというプロモーションの仕掛け。PVはパリ郊外（Banlieue）の夜の実録ドキュメンタリー「警察24時」風で、ホンダの覆面パトカーがボコボコに壊されます。ほんと日本車がお好きな皆さんですね。来日したら好みの車種のレンタカーを借りて乗り放題だよ。
S-Crew（スクリュー） - 22
では、また来週
À la semaine prochaine!