Point of No Return (帰還不能点)
「もう戻れない。やり直せない。」
航空用語で、飛び立った飛行機が元の飛行場へ引き返すことができない地点を指します。あるいは、離陸滑走中の飛行機がやり直すことができいスピードに達した状態もさします。
航空機事故の発生率は、地上の交通事故とは比較にならないほど低いことは理解しています。それでも、フライトの度に心のどこかに微かな緊張があります。
2019年には新鋭機のB-737MAXが、コンピュータープログラムの不具合で飛行差し止めになりボーイング社の株価が下がるなど話題になりました。
今月20日には、アメリカで飛行中のB-777型旅客機のエンジンが金属疲労で破砕する事故が発生しました。B-777は世界の多くの航空会社で主力機として使用されています。日本でもJAL、ANA共に多くの期待を保有してるので、今回の事故→運航差止は大きな影響をもたらしていたことでしょう。たまたま航空需要が落ち込んでいるこのタイミングでなかったならば大変なことでした。
『帰還不能点』
池袋の東京芸術劇場で劇団チョコレートケーキによる舞台劇『帰還不能点』が上演されています。
なぜあの時、
この国は引き返せなかったのか?
対米戦の必敗を予測した男たちの語る、
大日本帝国破滅への道。
戦争機運が高まりつつあった1941年4月、日本の各界のエリートを集めて「総力戦研究所」が設立されました。
課されたミッションは、「日本とアメリカが開戦した場合、日本はどうなるのか」
彼らは仮想内閣を構成し日米戦争のシミュレーションを行ったのです。それぞれが持ち寄った極秘資料を駆使して、対米戦開戦となった場合の戦局の予測です。
導き出された結論は、「日本必敗」
兵器や資源、国際情勢を踏まえた分析で、「奇襲作戦を敢行し成功しても緒戦の勝利は見込めるが、物量において劣勢な日本の勝機はない。戦争は長期戦になり、結局ソ連参戦を迎え日本は敗れる」というものでした。
しかしこの分析結果は取り上げられず、口外することも禁じられます。
「南方にある油田を占領すれば自給体制を確保できる」
「日本には大和魂がある。」
日米戦は始まりました。
「総力戦研究所」のシミュレーションと異なっていたのは、真珠湾攻撃と2つの原爆投下だけだったそうです。
東京公演のチケットは完売しているようですが、映像配信も行っているようです。
興味ある方はこちらです。