映画三昧 #2088 ⭐️⭐️➕ アンロック 陰謀のコード(17) | juntana325 趣味三昧

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「プロメテウス」のノオミ・ラパスが、バイオテロから世界を救うべく奔走するCIA取調官を演じたサスペンスアクション。CIAの尋問のスペシャリストだったアリス・ラシーンは、ある受刑者を「完落ち」に追い込めず多数のテロ犠牲者を出してしまったことをきっかけに前線から退き、ケースワーカーとしてロンドンで穏やかな生活を送っていた。そんなある日、バイオテロ計画の情報を握る容疑者が逮捕され、アリスは尋問官としてCIAに呼び戻される。絶妙な尋問で容疑者を完落ちさせるアリスだったが、かつての同僚からの連絡で、CIAを装った偽捜査官たちの罠だったと気づく。CIA内部に裏切り者がいることを知った彼女は、テロを阻止するべく孤独な戦いに身を投じるが……。主人公アリスのバディとなる元海兵隊員役にオーランド・ブルーム、元上司役にマイケル・ダグラス、CIAヨーロッパ部門長役にジョン・マルコビッチ。監督は「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」のマイケル・アプテッド。




「ミレニアム」のノオミ・ラパスは、相当なタフガイ?だったが、この作品も、そんな予感をさせる。「セブン・シスターズ」も彼女の魅力が出ていたと思うが、やはり彼女の真骨頂は、こういうアクション物のような気がする。


最初は、ロンドンの潜入捜査で、移民局でくすぶっている所から始まる。ところが、話が進むうちに、大きな事件に巻き込まれていく。そうすると、今まで、眠っていた彼女のスパイの血が、覚醒していく。その次第に研ぎ澄まされていくアリスのスパイ魂は、ノオミ・ラパスの独壇場だ。ミレニアムのサランデル役の切れ味を彷彿とさせる。




ストーリーは、スパイアクションでありがちな、裏切りと殺しを絡めたテロ事件。しかし、以前あった単純にイスラム教系のテロや、民族抗争のテロを水際で防ぐという話ではない。テロを利用して、世論を無謀な反テロに誘導したり、諜報活動を行いやすくしたりする、工作活動だ。そういう意味では、反テロという名のもとの行為が、すべて正義である時代は終わった




アリスは、自分の取調によって、テロを防止出来なかった事を悔やむ。筋立ての中で、何度となくそういシーンが挿入されるが、この作品に限れば、無用ではないだろうか。それが、逆に雑念になって、スパイとしての彼女の非情さを薄めてしまう。曲者的な要素が少ない分、バイプレイヤーは、思いっきり曲者だらけだ。オーランド・ブルーム、マイケル・ダグラス、ジョン・マルコビッチ、紅一点のトニ・コレット。組織の内通者を絞るとなると、相当難しい。ジョン・マルコビッチなんて、登場した時から、怪しげなオーラを出しまくる。




ラストの暗殺シーンは、美しい。ナイフの一撃でテロ幹部を暗殺する。一流のプロフェッショナリズムは、観ていて気持ちがいい。その後、上司のジョン・マルコビッチと合流するが、内通者の一件は片付いているにもかかわらず、マルコビッチは、まだ怪しく見えてしまう。この役者の性格は、得なのか損なのか?