映画三昧 #2010 ⭐️⭐️➕ インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(94) | juntana325 趣味三昧

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吸血鬼に魅入られ、不老不死となった青年が遂げる数奇な運命を描いたホラー・ロマン。女性作家アン・ライスの代表作でカルト的な人気を誇る小説『夜明けのヴァンパイア』(早川書房)を、彼女自身の脚本で映画化。過去に何度も映画化が企画され、幾多の監督や俳優が候補に上ったが、いずれも実現しなかった。結局、「クライング・ゲーム」のニール・ジョーダンが監督に決まったものの、主役のトム・クルーズに熱狂的な愛読者が反対運動を起こし、さらに原作者本人が彼の配役に不満の意を表明(完成品を見た彼女は後に発言を撤回し、『ヴァラエティ』紙の広告スペースを私費で買い取り、絶賛する文章を掲載した)。その上、撮影が開始されてからは、マロイ役のリヴァー・フェニックスが急逝するなど、数々の話題を提供した(完成作品は、リヴァーの思い出に捧げられている)。製作は、ジョーダンの初監督作『殺人天使』(V)以来、10年来のコンビを組んでいるスティーヴン・ウーリーと、ゲフィン・カンパニーの創立者デイヴィッド・ゲフィンの共同。撮影は「リバー・ランズ・スルー・イット」のフィリップ・ルースロ、美術はフェリーニ作品で知られる、「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」のダンテ・フェレッティ、特殊メイクは「シザーハンズ」のスタン・ウィンストンが担当。音楽はオリジナル・スコアをエリオット・ゴールデンサルが書き、主題歌はガンズ&ローゼスがローリング・ストーンズの曲をカバーした『悪魔を憐れむ歌』。出演は「ザ・ファーム 法律事務所」のトム・クルーズ、「トゥルー・ロマンス」のブラッド・ピット、クリスチャン・スレイターほか。




初公開以来の再見。当時もそうだったが、何だか面白くない。キャスティングは豪華だ。トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラス、キルスティン・ダンスト。確かに、リヴァー・フェニックスの急逝は痛かったかもしれない。しかし、物議をかもしたのは、レスタト役のトム・クルーズだろう。ヒットした故に、やはり、トムで良かったという事になったが、個人的にはしっくりこない。




物語は、インタビュー形式をとりながら、ヴァンパイアの生き様を語っていく。永遠の命の虚しさと、人の命を食らって生き長らえる罪悪感が、複雑に織り込まれていく。確かに、ヴァンパイアの生き方には、目的も、目標もない。永遠という言葉は響きは良いが、その実は何もない。死があるから、期限があるから、何かやり遂げるモチベーションが生まれる。彼らの日常は、もっぱら人の生き血を吸い、享楽に浸るだけなのだ。


ルイは、その事に疑問を持ち、旅を続け、レスタトは、その運命に甘んじて生きる事を選択した。退廃的で刹那的なヴァンパイアの生き方に、自らの存在を疑問に思うのも当然と言えるかもしれない。冒頭、ルイにレスタトが、永遠の命が欲しいかと問われると、いささか自暴自棄になっているルイは、安易に承諾する。これこそが、悪魔の囁きで、以降、永遠の残酷な人生を送る事になる。もしかしたら、ヴァンパイアになる事自体が、何らかの罰なのかも知れない。そんな思いにかられる。