映画三昧 #1764 ⭐️⭐️+ ブラス!(96) | juntana325 趣味三昧

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炭鉱夫たちによるブラスバンド、グライムソープ・コリアリー・バンドの実話を基に映画化した感動作。鉱山閉鎖の危機に揺れるイギリス北部の小さな炭鉱町。伝統的なブラスバンドのメンバーたちも、いつ失業するかわからない自分たちのことで精一杯。そんな中、指揮者のダニーだけが全英選手権への出場を目指して張り切っていたが……。「トレインスポッティング」で世界的に注目を浴びたユアン・マクレガーが出演したことでも話題に。


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いつもの音楽映画のようなスカッとしたスポ根的な味わいはない。さびれていく炭鉱町は、現代イギリスの象徴だ。同性愛をテーマにした「パレードへようこそ」にしても、「リトルダンサー」にしても、炭鉱町には、暗い影が落ちる


この作品も、廃坑になる運命と、プラスバンドがコンテストで勝ち抜いていく様子が、相反して描かれる。だから、勝ち抜いていっても、何だが達成感がない。それより、団員たち炭鉱夫が、生活に困窮していく事の方が、深刻な事態だ。


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そんな事を意に介さないダニーも、自分勝手な存在に見えてくる。仕事よりも音楽が大切だという彼に、生活の困窮は、二の次なのかもしれない。そんなダニーが持病で入院し、さらに、炭鉱会社側のグロリアも団員に加わり、バンドも混沌とし、ドラマの焦点もぼやけてくる。


ん?と思い始めたところ、事態は急展開をみせる。ラストは危惧されたが、ダニーのスピーチが、相反していた、炭鉱夫たちの心を掴んだ。心の豊かさと、前向きに生きる事を忘れるなと、ロイヤル・アルバート・ホールで檄を飛ばす。そして、ロンドンの2階建てバスで演奏するメンバーは、威風堂々と、力強い人生賛歌を歌い上げる。


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