映画三昧 #1375 ぼくのおじさん(16)⭐️⭐️+ | juntana325 趣味三昧

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北杜夫が自身をモデルに書いたロングセラー小説を山下敦弘のメガホン、松田龍平主演により映画化。「自分のまわりにいる大人について」というテーマで学校の作文コンクールの宿題を課せられた小学生のぼく=春山雪男は、居候の「おじさん」を題材に作文を書くことにした。おじさんは大学の臨時講師で哲学を教えているせいか、屁理屈をこね、時には雪男をダシに母からお小遣いをもらい、万年床でマンガばかり読んでいる。そんなおじさんに見合いの話が持ち上がる。相手はハワイの日系4世で、絶世の美女・稲葉エリー。見合いに消極的だったおじさんはエリーに一目ぼれ。しかし、祖母が経営するコーヒー農園を継ぐためエリーはハワイへ帰ってしまう。エリーに会いたい一心で、おじさんはハワイへ行く作戦をあれこれと練り出すが……。おじさん役を松田、エリー役を真木よう子がそれぞれ演じる。

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またまた、試写会。アメリカは何度か行ったが、なぜかハワイには縁がなかった。こういう映画だと、絵が観光案内っぽくなりがちだが、この作品は、その点はクールで、好感が持てる。

原作が、北杜夫自身がモデルとして書かれたとすれば、映画は、松田龍平のために描かれた作品として上手く仕上がっている。ストーリーと、松田龍平の醸し出す脱力気味の笑いとペーソスが、見事にマッチしている。

物語は、まるで松竹の「寅さんシリーズ」を彷彿させる。ダメダメなおじさんが、真木よう子に惚れるが、結局、真木よう子と元彼を結ぶキューピット役を演じて、自分は振られてしまう。そんな古典的なプロットだが、ラストは、松田龍平の男気に、何だか晴れ晴れとした気持ちになる。そこも、寅さんと共通している。寅さんは日本人の「心のふるさと」なのだろうか。

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タイトルだけ見た時、フランス映画 ジャック・タチの喜劇「伯父さんシリーズ」の日本版かなぁと頭に浮かんだ。不器用な松田龍平とスマートなタチ、キャラクターは違うが、松田龍平は、なかなかのコメディアンだ。哲学とは程遠い感じの松田龍平が、大真面目で演じる、プライドの高く、偏屈な「おじさん」は、当たり役だと思う。大人びた小学生、春山雪男(名前もふざけてる)との凸凹タッグで、シリーズ化も夢じゃない。

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