スタニスラフスキー | 木下順介オフィシャルブログ「東京火の玉キッス」by Ameba

スタニスラフスキー

スタニスラフスキーシステムという俳優養成メソッドを構築し、ハリウッドをはじめとして多大なる影響を世界中の映画や演劇の演技そのものに与えた、

スタニスラフスキー。

演劇界に居る方なら皆さんご存知の大メジャーな御大です。

そのスタニスラフスキー美術館に行ってきました。

まずは入り口で渡された泥よけスリッパを着用。

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このスリッパのおかげなのか何なのか、床はピカピカでした。

やたらに多いレジメや説明書きを所々にスタンバイしているバブシュカに読めと催促され、

ロシア語読めない、

と返すと早口のロシア語でひたすら説明してくれました。

バブシュカの説明の解る部分だけ統合して、後でパンフレットを読んでみたら、実は彼の目指した演技の最終目的は

リアリテイ

でした。それを演技として成立させるための方法論や内面へのアプローチに一見特殊と見えるようなものがあったりしたらしいのです。後はスタンダードな基本訓練が主だったというのも新鮮な驚きです。

日本に伝わっているスタニスラフスキーシステムはこの特殊な部分や全体の中のほんの断片だけを提出している場合が多く、これを学んでいる俳優さんが変わり者と思われたり、新劇界からは嫌われたりという、かなり間違ったものになっているのは否めません。

家の中にある舞台のある劇場件稽古場です。

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ここは実際に住んでいた家らしいのですが、劇場もあれば食堂もあり、大きな大きな家でした。彼は1800年代中盤の生まれですから、丁度100年位前に使っていた椅子や机などがそのまま全部残っています。

詰めれば100人くらい入れそうです。

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書斎です。ここで数々の演技論が書かれたそうです。

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本棚にあった、歌舞伎、の本です。当時、ロシア語で書かれた歌舞伎の本が存在していたというのが凄いですよね。歌舞伎ってやっぱ凄いな!

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楽屋に使っていた部屋の化粧前で自分撮り!

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MIKADOという日本的な演目を演じた時の着物や履物、扇子、などなどがありました。

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食堂です。

何が興味深いかと言って、シンメトリーに全部配置されています。置いたのはここ最近のこの美術館の人でしょうから、中々センスあります!

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そして最後に2階フロアの当時から使っていたと言われる大鏡で再び自分撮り。

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スタニスラフスキーのメソッドは今でもロシアの俳優さんは基本中の基本で学んでいるそうです。というかハリウッドでも使われています。もちろんそれはきちんとした形のメソッドで、系統立ててきちんと学んでいます。

ロシアの俳優さんに話を聞けば聞くほどに、日本では誤解されているこの技法。

大きな広い視野で物を見てみれば、昨日まで信じていた物が意外にちっぽけで本質と違っていた、

というような事は多いですが、そう感じさせないように派閥や家元制度、協会、資格などを作ってしまうというのは歴史上繰り返された事です。

自分の眼で見て感じる事がいかに重要かを感じた1日でございました。

演技は解放、というか、感じる力と感じさせる力、そのものが表現のリアリテイのひとつ

ですからね。

私も頑張りますよ~!