マスカケ線上映 | 木下順介オフィシャルブログ「東京火の玉キッス」by Ameba

マスカケ線上映

映画祭2日目、遂にマスカケ線の上映です。


しかも映画にうるさいロシア人相手に質疑応答まであります!


・まずは到着後ポスターと一緒に記念撮影。


編集から含めて私は何百回も自分の作品を観ていると思うのですが、映画館の大きなスクリーンで観るのは初めてです。色や音は大丈夫なのか、とかサイズはちゃんとOKなのかとか、映画のコンデイションにも朝からドキドキしていました。通常の映画祭とかだと、事前チェックとかあるのですが、今回はそれが無いためスタートした時までわかりません。上映前に劇場のスタッフに聞いたら、チェックしたから安心して、と言われ、信じることにしました。


・上映15分前くらいです。きれいなスクリーンです。


ロシア語字幕のついたマスカケ線を大きなスクリーンで観るというのが、何とも不思議な感覚でした。自分の作品をロシア人が真剣に観ている姿に感動すら覚えました。


マスカケ線はセリフが早いので、ロシア語字幕がフラッシュのようにドンドン出てきます。解かってるのかなあとか、通じてるかなあ、とか心配になりつつも、そのまま質疑応答へ。


・質疑応答始まる。


ズバズバはっきりと物を言うロシア人だけに、どんな質問が来るのかなと思っていましたが、私の緊張に反してほとんどが好意的で、しかも物凄く深いところまで作品を読み取っていて、さらに感動です。


いやあ、凄いわロシア人。


まあ、平日の昼間から映画祭に来て、しかも監督の質疑応答に参加する方々だから、一般の方に比べて映画偏差値はかなり高い方々ばかりだと思います。それにしても、細かい所まで作品の意図を読み取ってくれていて、涙が出そうになるくらい嬉しかったです。


映画への考えや作品作りに対する姿勢などの部分を私がしゃべり共感してくれると、皆さん素直に拍手で答えてくれるし、質問もドンドン出てきます。


マスカケ線、という一本の映画を通し国を超えて心が通じ合えた感動は、私の生きる上での大きな財産になりました。風水の講演会の時も占いはワールドワイドだと強く思いましたが、


映画もさらにワールドワイドです。


感動の中、大きな拍手に包まれて質疑応答は終了。


私は翌日の千葉県我孫子での東葛映画祭に向けて、シュレメチボ国際空港に速攻で向わなければならないのですが、壇上から降りたら瞬く間に囲まれてサインを求められました。


怖そうな劇場のおばちゃんが、次の作品があるから外に出ろ、とか言われて何とか外に出ても、


・ドアの前で立ち往生です。


・さらに進んでもまだまだ人は押し寄せてきます。


何とか出口に向ってジワジワ進みつつ、ようやく人の列が切れたところで、ボストンバックを抱えてタクシーに乗り込み空港へ。


金曜日のモスクワは大渋滞で車が全く前に進みません。飛行機に乗り遅れたらしゃれになりません。タジキスタン系の顔をしたタクシーの運転手の兄ちゃんとは全く言葉が通じませんが、必至で車と車の隙間にもぐりこんで前に進む姿に、ロシア人らしさを見て面白かったです。


兄ちゃんのスペシャルな運転でどうにか間に合いホッとしたと思ったら、パスポートチェックや荷物チェックに異常に人が並んでいて、さらにヤバイ状況。先ほどのタクシーのように私もチケットを見せながらガンガン人を追い抜かして、アエロフロートロシア航空の飛行機に搭乗。出発の10分前くらいでした。


ふ~、と一息ついて、今回のロシア行きに感謝感激です。


生きる勇気をたくさん貰った今回のモスクワでした。こらからも頑張るぞ、という強い気持にさせてくれて、言葉では言い表せない感動と感激を貰いました。


そして私は機内で爆睡。


後で知りましたが何と私が機内で寝ている間にも、ロシアのインターネット上でマスカケ線とジュンスケ・キノシタは一人歩きしていました。


どこでどうそう伝わってしまったのか解かりませんが、私の次回作は、日本のトラデイショナルな昔話である


桃太郎


という事になっていました。それは違うやろ!という気分でしたが、


ロシアらしくて面白すぎです。