とある事業会社様の決算資料を確認していたときに検討した、会計処理の論点のご紹介です。
当会社様が自社のホームページを作成した際に発生した費用を、無形固定資産の「ソフトウェア」勘定で処理していました。
この自社ホームページ制作費の処理は、大きく以下の2つに分かれます。
・主に自社製品等のPR目的で運営:広告宣伝費(PL費用計上)
・ECサイトとして機能する場合:ソフトウェア(BS資産計上)
自社ホームページが、下記に列挙したような機能が組み込まれたECサイトとしての特徴を有している場合は、会計基準に明記されている「ソフトウェアとは、コンピュータを機能させるように指令を組み合わせて表現したプログラム等をいう。(研究開発費等に係る会計基準 一2)」とあるように、ソフトウェアの定義に合致します。
この場合、当該制作費はソフトウェアとして「無形固定資産」に計上されます。
・商品検索機能
・ショッピング機能
・商品予約機能
・会員用「ログイン/パスワード」入力機能
今回のお客様の場合は、上記のようなECサイトとしての特徴はなく、自社宣伝目的での運営するホームページであることが確認されたため、「ソフトウェア」ではなく「広告宣伝費」として処理する方向になりました。
今後も、簿記テキストや会計基準の条文にはそのまま書いていないような、これまでの実務において発生した会計処理の論点・結論についてご紹介したいと思います!