最近、M&Aを繰り返して、短期間で事業を拡大していく会社が増えています。

上場支援の仕事をしていると、上場準備中のフェーズであっても、立て続けにM&Aをされている会社を目にすることがあります。

 

上場準備中にM&Aが行われると、会計士として検討すべき論点も当然増えていきます。

 

特に負担が大きくなってくるのが、連結財務諸表に関する論点です。

 

例えば、

・のれんの評価方法や償却期間
・グループ法人税制
・みなし取得日の決定
・連結の範囲
 

などなど、単体の財務諸表だけを見ている場合には出てこない、連結固有の論点が次々と出てきます。

 

ただこれらは難しい論点ではありますが、会計的には、M&Aを行えば当然に検討することになる「定型的な論点」です。

 

ただ、たまに見かける少しやっかいなのが、子会社を連結の範囲から外すことを意図した取引です。

いわゆる「連結はずし」です。

 

<「連結はずし」とは?>

例えば、M&Aによって子会社を買収したとします。

 

ところが、買収後になって、

 

・実は過去から不正取引を行っていた
・訴訟問題を抱えていた
・実は債務超過だった
・資金繰りが厳しく、破綻寸前だった
・売上は増えているものの、利益は毎期赤字だった

 

など、買収前には十分把握できていなかった問題が次々と発覚するケースがあります。

 

そうなると親会社としては、

「この会社、連結したくないな……」

という話になるかもしれません。

 

そこで、連結から外したい子会社の株式を、親会社の社長個人などに売却しよう!と思いつくことがあります

 

形式的には、

親会社 → 社長個人

と株式の所有者が変わるので、

 

「もう親会社は、その子会社を支配していません」

という形を作るわけです。

これが、いわゆる「連結はずし」に該当する可能性があります。

 

もちろん、株式を売却したことだけをもって、直ちに「連結はずし」と判断されるわけではありません。

問題となるのは、その売却によって、本当に親会社の支配がなくなったのかという点です。

 

<なぜ「連結はずし」が問題なのか?>

そもそも、なぜ連結から外したいのでしょうか。

一番分かりやすいのは、子会社の悪化した業績や財政状態を、親会社の連結財務諸表に取り込まなくて済むという点です。

 

例えば、買収した子会社が、

「売上は大きいけれど、毎期赤字垂れ流し」

だったとします。

その会社を連結すれば、当然、その赤字も連結財務諸表に反映されます。

 

ところが、決算直前にその会社を形式的に親会社の支配から切り離して、

連結対象から外すことができてしまったらどうでしょうか。

親会社の連結財務諸表だけを見る投資家からすると、

「このグループはこれだけの売上・利益を上げています」

と見える一方で、実際にはグループとして抱えている赤字会社の業績が連結財務諸表から抜け落ちていることになります。

 

これは、連結財務諸表が本来表そうとしている企業集団の財政状態や経営成績を適切に表示するという趣旨からすると、

大きな誤解を招くことになります。

だからこそ、連結の範囲は単純に「株式の名義が誰になっているか」だけで決めることができません。

 

<連結の範囲は「実質的な支配」で判断する>

「連結財務諸表に関する会計基準」において、親会社と子会社の関係について支配力基準が採用されています。

簡単に言えば、

「株式を何%持っているか」

という形式だけではなく、

「実質的にその会社の意思決定を支配しているのか」

という観点から、子会社に該当するかどうかを判断します。

 

そのため、

「親会社が子会社株式を売却した」

という事実だけで、必ず連結から外せるわけではありません。

 

例えば、親会社が保有していた子会社株式を、親会社の社長個人に売却したとします。

形式的には株式の所有者は変わっています。

その結果、親会社社長がその子会社の意思決定を行っていることとなりますが、

結局は「親会社(=親会社社長)がその子会社の意思決定を行っている」のであり、支配の実態は従来と変わらないと捉えます。

 

よって「株式を社長個人に移したので、連結から外します」という処理は認められません。

 

要するに、連結の範囲は「誰の名義になったか」ではなく、「実際に誰が支配しているのか」が重要ということです。

 

 

 

 

 

<決算日直前に株式を売却するリスク>

さらに分かりやすい問題として、

「決算日の直前に子会社株式を社長個人などに売却する」

↓

「その子会社を連結から外す」

↓

「翌期になったら、また親会社が買い戻す」

 

というようなケースです。

 

こうなると、

「なぜ決算日の直前に売却したのか?」

という疑問が当然出てきます。

 

特に、

 

・決算期末だけ売却する
・翌期になったらすぐ買い戻す
・売却後も実質的に親会社側が経営をコントロールしている
・そもそも売却する経済合理性が乏しい

 

といった事情が重なってくると、その取引によって本当に支配関係がなくなったのか、慎重に検討する必要があります。

 

もし実質的には支配関係が続いているのに、決算数値を良く見せるためだけに一時的に株式を移しているのであれば、

「本来連結すべき会社を、不当に外しているのではないか。」

という、連結財務諸表そのものの信頼性に関わる問題になります。

 

このあたりが、「連結はずし」が会計士としてやっかいだと感じるところです。

 

<まとめ>

 

本日のまとめスライドです。

 

M&Aを繰り返すことで、短期間で売上規模や事業領域を大きくすることは可能です。

ただ、会社を「買う」ことと、その会社を「グループ会社の一員としてうまく統合する」ことは、全く別の話です。

 

企業文化や人事制度、業務システムなど、それぞれ異なる会社を一つのグループとして機能させていくには、相応の時間と労力がかかります。(こうした買収後の統合プロセスは、「PMI(Post Merger Integration)」と呼ばれますが、本記事ではこのあたりは割愛します。)

 

そして、買収した後になって想定外の問題が発覚したからといって、

都合の悪い会社を決算上だけ切り離せばいい、というものでもありません。

 

今回の「連結はずし」の話もそうですが、会計では、形式的な取引の形だけを見るのではなく、

株式の移動によって、実態として子会社の支配関係は変わったのかを見ることが重要です。

 

M&Aというと、どうしても「会社を買って、売上を増やして、規模を大きくする」という部分に目が行きます。

会計士としても"のれん"など、複雑な会計処理に目が向きがちです。

 

ただ、M&Aの本当の難しさは、

会社を買った後に、その会社を含めて一つの企業グループとしてどのように運営していくか、

というところにあるのかもしれません。

 

そして、そこで問題が発生したときに、

「都合が悪いから、連結から外してしまおう」

ということではなく、その会社をグループとしてどう立て直していくのかまで含めて考える必要があります。

 

M&Aは「買って終わり」ではなく、買った後からが本番。

会計士としてM&Aに関わっていると、そんなことを感じる場面が多々あります。

 

 

 

 

 

 

最近、私が関与している決算支援クライアントの経理部の方と、会計処理の相談やり取りで、


「ChatGPTだと、こういう回答なんですが……」


と言われることが、けっこう増えてきました。
ああ、やっぱりそういう時代になってきたんだなぁ、と感じます。


会計処理について質問を受けると、
「ちなみにChatGPTに聞いたら、こう言われたんですけど、これって合ってますか?」
という感じです。

 

 

 

 

最近増えてきた「ChatGPTの回答チェック」

最近は、私の仕事の中に、
「ChatGPTの回答を検証する」
という作業が、ちょこちょこ入ってきています。
 

実際にいろいろな回答を見ていると、私個人の感覚では、精度は……
 

50%くらいかな。という感じです。
 

・・50%と言うとかなり低く聞こえますが、完全に間違っているわけではありません。
 

むしろ、
「うん、言ってることはなんとなく分かる」
「方向性は合ってる」
「でも、それだけじゃないんだよなぁ……」
という回答が結構多いです。

シンプルな論点なら、それなりに正確

会計基準にそのまま書いてあるような、比較的シンプルな論点なら、それなりにちゃんと答えてくれます。
ところが、ちょっと込み入った話になってくると……
かなり頓珍漢な回答が出てくることがあります。
たまに読んでて、噴き出してしまいます(笑)

「会計」と「税務」がごっちゃになることも

特に、


会計と税務がごっちゃになっている
 

というケースは、たまにあります。

 

例えば、ストックオプションの費用処理について、
「制度会計上の費用処理の方法は?」
という話をしたいのに、
「税務上、損金に算入できるかどうか」
という説明が返ってきたり。
もちろん会計と税務は関連している部分もありますが、明確に異なる論点もたくさんあります。
でも、
「会計上、費用になるのか?」
と
「税務上、損金になるのか?」
は、別の話です。
このあたりは、実務で会計処理を判断するときには、明確に整理することが重要です。

 

 

 

 

AIの回答を、会計士がチェックする

なので最近は、
「ChatGPTがこう言ってます」
↓
「じゃあ、その回答が本当に正しいのかを会計士が確認しましょう」
という「答え合わせ役」のような流れになることが増えています。
すなわちAIの回答を見ながら、
「ここは合ってる」
「ここはちょっと違う」
「この前提が抜けてる」
「これは会計と税務を混同してる」
などとチェックしていくわけです。
そして、必要であれば会計基準などに戻って確認して、回答を修正します。

まだまだ「人間のチェック」は必要

こういう仕事をしていると、
「AIってすごいな」
と思う一方で、
「まだまだ人間がチェックしないと危ないな」
とも感じます。

特に会計って、単純に「答え」を知っていればいいわけではなく、
「そもそも今回の取引は、どの会計基準が適用されるのか」
「例外規定はないのか」
「他の基準との関係はどうなのか」
みたいなところが重要だったりします。
このあたりは、実際の取引内容を、会計士がクライアントの経理担当者のかたにヒアリングしながら判断していく必要があります。

まとめ

最近よく言われる


「AIが発達したら会計士の仕事は無くなるじゃ?」
 

という話については、、、

今のところ私は、そこまで悲観していません(笑)。
むしろ現状では、「AIが出した回答を会計士がチェックする」
という仕事が増えているくらいです。


もちろん、AIの進歩はものすごく速いので、今後どうなるかは分かりません。
会計・経理特化したツールとかも、そのうち開発されるでしょう。

5年後、10年後には、
「ChatGPTだとこういう回答なんですが……」
ではなく、
「ChatGPTに聞いたら、会計士先生の回答と違うんですが!」
なんて言われる日が来るかもしれません(笑)。

 

そのときに、
「いやいや、私のほうが正しいですよ!」
と言えるように、会計士としてちゃんと勉強しておかないとなぁ、と思う今日この頃です。

 

 

 

 

先日、中小企業の経営者の方々との懇親会に参加してきました。
業界も会社の規模もさまざまで、普段あまり聞くことのできない話をたくさん聞くことができ、とても刺激を受けました。
 

もちろん、資金繰りや人材採用といった現実的な話もありましたが、それ以上に印象に残ったのが、

「会社をこれからどうしていきたいか」「次はこんな事業をやってみたい」といった未来の話です。
 

皆さん、本当に楽しそうに話されます。
その話を聞きながら、ふとこんなことを思いました。
 

「会計士って、"具体"を考えることは得意だけど、経営者のような"抽象"を考える機会って意外と少ないのかもしれない。」
 

もちろん、人による話です。
会計士でも経営者として活躍されている方はいますし、抽象的な思考が得意な方もたくさんいます。
 

なので、あくまで「職業柄」という話です。


会計士は、とにかく"具体"を考える仕事。
 

改めて考えてみると、会計士の仕事って、ものすごく「具体」の世界です。
 

例えば、
「この判断は適切なのか。」
「この論点はどう整理すべきなのか。」
「どこにリスクが潜んでいるのか。」
 

そんな一つひとつの課題について、事実を集め、会計基準等に照らし合わせながら、一歩ずつ結論を導いていきます。
大きな問題を細かく分解して、一つずつ整理していく。
 

会計士って、こういう思考が自然と身に付く仕事なんだと思います。
逆に、「5年後、会社をどう成長させるか」「どんな新しい価値を生み出すか」といった抽象的なテーマを考える時間は、

普段の仕事ではそれほど多くありません。
 

だからこそ、気付かないうちに「具体」を考える力がどんどん鍛えられていくのかもしれません。
 

仕事は「何をやるか」より、「どうやるか」
 

もう一つ思ったことがあります。
会計士の仕事って、基本的には誰かから依頼を受けて始まります。


監査もそうですし、会計コンサルティングもそう。
DDやIPO支援も、「この案件をお願いしたい」という依頼があって初めて仕事になります。
 

つまり、「何を解決するか」は、ある程度決まっていることが多いんです。
私たちは、その課題をどう整理し、どう解決するかを考えるプロフェッショナル。
 

一方で、「何を事業にするか」「どんな市場へ挑戦するか」というスタート地点そのものを考えることは、実はあまり多くありません。
この違いは、経営者の方々と話していて改めて感じました。

 

 

 

 

 


 

独立しても、やることは意外と変わらない?
 

会計士は独立しやすい資格だと言われます。
私自身も独立していますが、よく考えてみると、仕事の中身はそこまで大きく変わっていません。


監査、会計コンサルティング、DD、IPO支援…。
 

もちろん働き方は自由になりますし、自分で仕事を選べるようになります。
でも、「専門家として課題を解決する」という軸は、勤務時代とあまり変わらないように思います。
 

ゼロから新しい事業を考えたり、自分で市場を作ったりするよりも、

自分の専門性を磨き、それを価値として提供する。
そんな働き方を選ぶ会計士が多い気がします。
 

会計士は「社長」より「参謀」タイプが多い
 

これも完全に個人的な印象ですが、

周りを見ても、会計士出身で事業会社の代表取締役やCEOとして経営を引っ張っている方は、

それほど多くない気がします。
 

もちろんゼロではありません。
 

でも、多いのはCFOや管理部門の責任者、監査役、社外取締役などのポジションです。
どれも会社にとって欠かせない重要な役割ですが、どちらかというと「会社を支える側」です。
数字やリスク、ガバナンスの面から経営を支える。
 

まさに「社長の右腕」「参謀」という立ち位置です。
会計士の強みが一番発揮されるのも、このポジションなのかもしれません。
 

「何をやるか」と「どうやるか」
 

今回の懇親会で、経営者の方々の話を聞いていて、一番印象に残ったのはここでした。
 

経営者は、

「会社はどこへ向かうか。」
「次は何に挑戦するか。」
「どんな価値を世の中に届けたいか。」

 

そんな、明確な正解のない問いについて考え続けています。
 

一方で、会計士が普段向き合っているのは、
「それをどう実現するか。」
「どう整理すれば適切か。」
「どんなリスクがあるか。」

という問いです。
 

どちらが難しいとか、どちらが重要という話ではありません。
でも、考えていることの"レイヤー"は少し違うのかな、と感じました。
 

まとめ
 

今回の懇親会を通じて、「会計士は具体を考える力が鍛えられる職業なんだな」と改めて感じました。
もちろん、それは会計士の大きな強みです。

目の前の課題を整理し、論理的に解決へ導く力は、多くの企業から求められる価値そのものだと思います。
 

ただ、その一方で、経営者の方々のお話を聞いていると、

「会社はどこへ向かうのか」「何を実現したいのか」といった抽象的なテーマについて考える時間の多さにも驚かされました。
 

だからこそ、私自身も専門的な論点だけでなく、

「この会社はどこを目指すべきなんだろう」「社会にどんな価値を提供したいんだろう」といった視点でも、

もっと考えられるようになりたいと思いました。
 

会計士は「具体」が得意。
 

だからこそ、意識して「抽象」にも目を向けてみる。
その両方を行き来できるようになったら、今よりもっと面白い仕事ができるのかもしれません。
そんなことを考えた一日でした。

 

 

 

 

今回は、少し特殊な「貸倒引当金」の経理実務について解説します。

 

※「貸倒引当金」の基礎については、下記ブログ記事をご参照

貸倒引当金とは?定義や科目、仕訳や計算方法まで網羅的にわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

 

貸倒引当金とは、法人・個人に対する売掛金や貸付金に関する回収不能部分をあらかじめ見積もり、費用計上する会計処理をいいます。

 

しかし、実務上は法人向け取引だけでなく、個人顧客を対象としたサービスにおいても貸倒れは発生します。

特に、利用者数が多く、少額の債権が大量に発生するTo Cビジネスでは、貸倒引当金の見積りが重要な会計論点となります。

 

例えば、生活困窮者や過去の料金滞納等により一般的なサービスを受ける契約を結ぶのが困難な方を対象として、

スマホレンタルなどの通信サービス、就労支援サービス、生活支援サービス等を提供する事業が挙げられます。

 

このようなサービスは、個人利用者を中心としたビジネスモデルであり、、利用者数が数万件規模など膨大に及ぶケースもあります。

 

また、月額の利用料に係る少額の債権が大量かつ継続的に発生する一方で、

利用者の属性上、一定の貸倒れが経常的に発生するため、貸倒引当金の見積りが重要な会計論点となります。

 

本稿では、このような生活困窮者向けサービスを例に、貸倒引当金の考え方について解説します。


【債権売却は実質的な「貸倒れ」】

生活困窮者向けサービスの中には、利用料の支払期日後、一定期間経過後も未払となった利用者について、

強制的に解約する運用を行うケースがあります。

 

強制解約後も依然未払いのまま長期間経過した場合には、当該長期未回収となった債権(売掛金)を、

債権回収会社(サービサー)へ譲渡するケースが多いです。

(※不良債権を債権回収会社へ大幅にディスカウントして買い取ってもらうイメージです)

 

制度会計への対応が十分に行われていない非上場会社等では、債権譲渡時に次のような処理を行うケースがあります。

 

【債権譲渡時の仕訳例】

<前提>
売掛金250をサービサーへ譲渡し、譲渡代金として1を回収した場合

 

(借方)

現預金      1

債権売却損   249

(貸方)

売掛金     250

 

このような場合、売掛金の帳簿価額と譲渡代金との差額を、実務上は「債権売却損」として処理しているケースが多いです。

実務上は、サービサーへの譲渡時に回収できる金額は極めて僅少であり、

債権の大部分は回収不能となるケースが少なくありません。

 

そのため、形式的には「債権売却」であったとしても、実態としては「貸倒れ」が発生している状況と考えることができます。

 

また、このような損失が毎期継続的に発生している場合には、

売却時に損失を認識するのではなく、

 

厳密には過去の貸倒実績を基礎として、決算期末時点に貸倒引当金を計上する必要が生じます。

 

 

 


【金融商品会計基準における債権区分】

「金融商品に係る会計基準」では、債権を債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、次の3区分に分類し、それぞれ貸倒見積高を算定することが求められています。

 

①一般債権

経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権

 

②貸倒懸念債権

経営破綻の状態には至っていないものの、債務の弁済に重大な問題が生じている、又は生じる可能性が高い債務者に対する債権

 

③破産更生債権等

破産、更生手続開始等の事由が生じている債務者や、実質的に経営破綻状態にある債務者に対する債権


【生活困窮者向けサービスにおける債権区分の考え方】

生活困窮者向けサービスにおける利用料に係る債権(主に売掛金)は、通常の売掛金とは性質が大きく異なります。

 

利用者の多くは個人顧客であり、利用者数が数万件規模に及ぶケースもあります。

また、個々の債権金額は少額である一方、取引が反復的・継続的に発生する特徴があります。

 

さらに、生活困窮者を主要な顧客層とするサービスでは、通常の営業過程において、一定程度の貸倒れが継続的に発生しやすい業種といえます。

 

このような債権について、利用者数が数万件規模に及ぶケースもあることから、

②貸倒懸念債権や③破産更生債権等のように、個々の利用者ごとに貸倒見積額を算定することは実務上困難と考えられます。

 

また、利用者の中には、一時的な未払いにより利用停止となった後、未払分を支払うことでサービスを利用再開するケースも存在します。

 

そのため、個々の利用者単位で貸倒リスクを評価するよりも、売上債権全体に対して、

過去の貸倒実績に基づき、一括的に貸倒見積高を算定する方が合理的と考えられます。

 

したがって、このような生活困窮者向けサービスにおいては、売上債権全体を①一般債権として取り扱い、

貸倒引当金を算定する方法が実務上は合理的であると考えられます。

 

また、生活困窮者を主要な顧客層とするビジネスモデルでは、

貸倒れが一定程度発生することが事業運営上織り込まれているため、

貸倒実績率は一般的な事業会社と比較して高い水準となる傾向があります。


【貸倒引当金の計上イメージ】

例えば、決算日時点の売掛金残高が1,000百万円、過去3年間の平均貸倒実績率が20%であった場合、

貸倒引当金は200百万円となります。

<決算時>

(借方)

貸倒引当金繰入額 200

(貸方)

貸倒引当金    200

<翌期:サービサーへの売却時>

例えば翌期において、過去に引当対象となっていた売掛金250百万円をサービサーへ譲渡し、譲渡代金として1百万円を受領した場合の処理例は次のとおりです。

 

(借方)

現預金      1

貸倒引当金   200

貸倒損失     49

(貸方)

売掛金     250

 

貸倒引当金の範囲内については引当金を取り崩し、見積額を超過した部分(49)を貸倒損失として計上します。


【まとめ】

本日のまとめイラストは、下記の通りです。

 

生活困窮者向けサービスでは、回収困難となった債権がサービサーへ譲渡されるケースがあり、

その経済実態は「貸倒れ」と同様である可能性が高いと言えます。

 

また、このような損失が毎期継続的に発生するのであれば、期末時点において貸倒引当金を計上することが求められます。

 

利用者数が多く、少額債権が大量に発生する業態においては、個別債権ごとの評価ではなく、

売上債権全体に対して過去の貸倒実績率を適用する方法が、合理的な会計処理の一つと考えられます。

 

IPO準備企業や制度会計への移行を進める企業においては、貸倒損失の発生実績を適切に把握し、

早期に貸倒引当金の算定方法を整備しておくことが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

会社が年度末に申告する法人税、住民税及び事業税(以下、法人税等)は、複雑な計算過程を経て最終的な申告額が決定されます。

 

年度末の損益計算書(以下、PL)に計上される「法人税等」は、単に『税引前当期純利益に税率を掛ける』だけでは算出できません。

 

PLの末尾には、

①税引前当期純利益
②法人税等
③(税引き後)当期純利益

が表示されます。

 

<参考:PL末尾>

 

なお、

①税引前当期純利益:年間の収益・費用の積み上げで算出

②法人税等:税務上の課税所得を基礎として算出

 

という形で、それぞれ異なるロジックで算定されています。

そのため、PLだけを見ると、

「①税引前当期純利益に対して、なぜこの②法人税等の金額になっているのか」

という対応関係が分かりにくくなる場合があります。

 

このような会計上の利益と法人税等との対応関係を適切に反映するための会計処理が「税効果会計」です。

(この説明だけだと良くわからないですよね・・「税効果会計」の詳細については、↓別記事をご参照ください。)

税効果会計とは?目的や適用対象をわかりやすく解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

 

一方、中間決算(上半期決算)においては、年度決算と比較して簡便的な処理が認められています。平たく言うとカンタンな処理ができます。

 

税効果会計においても簡便的な処理=いわゆる「簡便法」が認められ、

 

〇PL税引前中間純利益 × 見積実効税率

 

というシンプルな計算式で法人税等を算定することができます。

経理担当者としては、複雑な法人税計算を年に2回も行う必要がなくなるため、実務上の負担を大きく軽減することができます。

 

ただし、1点注意が必要です。

簡便法とはいえ、上記算定式の「見積実効税率」が異常値となるような場合は、例外的に見積実効税率ではなく「※法定実効税率」を使用して税金費用を算定する必要があります。

 

※法定実効税率:税法で定められた法人税率、住民税率、事業税率を基礎に算出された税率をいいます。およそ30%~35%のイメージ。

 

今回は、その代表的なケースについて解説します。


見積実効税率とは?

 

中間税効果会計における見積実効税率は、次の算式で計算します。

主に年度予算書の数値などを使います。

 

〇予想年間税金費用÷予想年間税引前当期純利益

 

例えば、

 

 

・(A)予想年間税引前当期純利益

:1,000

・(B)予想年間税金費用: 300

 

の場合、

 

300 ÷ 1,000 = 30%

が見積実効税率となります。

 

そして上期決算における会計上の税引前中間純利益が400であれば、

400 × 30%(見積実効税率) = 120

として中間期の法人税等を計算します。

 

 

 

 

 

交際費の損金不算入額に注意

実務上、見積実効税率の計算において重要となるのが、

「一時差異等に該当しない差異」を(A)予想年間税引前当期純利益に加減算する場合です。

です。

 

「一時差異等に該当しない差異」の代表例が、

 

〇交際費の損金不算入額

 

す。

 

【参考:中間税効果適用指針12(1)】

これは、年度末の税金計算上、接待や飲食費のうち、いわゆる「経費にできない(節税できない)」部分の金額です。

 

不動産事業会社や広告代理店などでは、取引先との関係構築や営業活動に伴い、交際費が多額になりやすく、税務上損金算入が認められない金額(損金不算入額)が、見積実効税率の算定に重要な影響を与えるケースも少なくありません。

 

数値例による解説

 

例えば、

 

 

(a)予想年間税引前当期純利益:

1,000

(b)交際費(年間の予想額):200

 

(c)法定実効税率:30%

 

 

の場合、課税所得は

(a)1,000 +(b) 200 = 1,200(d)

となります。

税金費用は

(d)1,200 ×(c)30% = 360(e)

です。

 

したがって、見積実効税率は

 

(e)360 ÷ (a)1,000

=36%

となります。

 

この程度であれば法定実効税率:約30%と大きな乖離が無く、特に問題ありません。


見積実効税率が異常値となるケース

 

経理実務上、注意が必要なのは、

上期と下期で利益の変動が大きい会社

です。

例えば不動産事業会社では、物件引渡しのタイミングによって利益が大きく変動することがあります。

 

次のケースを考えてみましょう。

 

 

(A)上期利益:500

 

(B)下期損失:▲400

 

(C)予想年間税引前当期純利益:100

 

(D)年間交際費予想額(損金不算入額):200

 

(E)法定実効税率:30%

 

 

この場合、課税所得は

(C)100 +(D) 200 = (F)300

となります。

 

結果、税金費用は

(F)300 × (E)30% = (G)90

です。

 

したがって、見積実効税率

=(G)90 ÷ (C)100(予想年間税前利益)

=90%

 

となります。

 

見積実効税率:90%の合理性

 

上記の通り、

計算結果だけ見ると、見積実効税率は90%です。

 

しかし、

法定実効税率約30%
↓
見積実効税率90%

というふうに、著しい乖離が生じています。

 

その理由は、(C)予想年間税引前当期純利益:100が小さいことにより、(D)交際費年間予想額:200に係る税金費用の影響が、相対的に大きくなっているためです。

 

今回のケースでは、

(A)上期利益:500
(B)下期損失:▲400
(C)予想年間税引前当期純利益:100

 

となっており、上期及び下期の損益相殺の結果、通期利益が大幅に減少しています。

一方で、「一時差異等に該当しない項目」:(D)交際費等の損金不算入額 200

はそのまま残るため、結果的に税金費用への影響が、予想年間税引前当期純利益に対して、著しく重要なものとなっています。

 

その結果、

(G)予想年間税金費用:90
(C)予想年間税引前当期純利益:100

となり、

見積実効税率

=90 ÷ 100

=90%

という異常値が算出される形となりました。


異常値の場合は「法定実効税率」を使う

 

このようなケースについて、中間税効果会計適用指針(以下、適用指針)第14項では、

「見積実効税率を用いて中間会計期間に係る税金費用を計算すると著しく合理性を欠く結果となる場合には、法定実効税率を用いる」と定めています。

また、「著しく合理性を欠く結果となる場合」の例として適用指針では

「上期(中間会計期間)と下期の損益が相殺されるため、一時差異等に該当しない項目(Ex:交際費等の損金不算入額など)に係る税金費用の影響が予想年間税引前当期純利益に対して著しく重要となる場合」

が挙げられています。

今回の事例はこのケースに該当すると考えられます。

 

<参考:適用指針14項>

 

そのため、異常値といえる見積実効税率90%を用いるのではなく、法定実効税率:30%を用いて税金費用を算定するのが合理的といえます。

 

仮に、中間決算における税引前中間純利益:400の場合の税金費用は

 

400 × 30%(法定実効税率) = 120

 

となります。

 


まとめ

中間税効果会計の簡便法は、

 

〇税引前中間純利益 × 見積実効税率

 

という非常に便利な方法です。

しかし、

  • 交際費の発生額が大きい
  • 上期と下期の利益変動が大きい

といった状況に置かれやすい会社では、

見積実効税率が80%や90%になるなど、法定実効税率:約30~35%を大幅に超過し、異常値になることがあります。

 

そのような場合は、

「計算結果が出たから採用する」のではなく、

「その見積実効税率は本当に合理的か」

という観点で検討することが重要です。

特に上述の通り、不動産会社や広告代理店などでは発生しやすい論点であり、中間決算時には一度立ち止まって確認したいポイントといえます。

 

 

 

子どもの頃から当たり前のように知っている、ドラえもんに登場するガキ大将"ジャイアン"。

「正直、職場にいたら困るタイプ」ですよね。

 

普段の彼は、乱暴で自己中心的で、正直「一緒に働きたくないタイプ」に見えるかもしれません。
 

しかし──
映画になると、その印象は一変します。

 

 

 

 

 映画版ジャイアンの「別人級の頼もしさ」

映画版のジャイアンは、こう変わります。

 

• 仲間を絶対に見捨てない
• 強敵をやっつける
• 一番危険な場面で前に出る
• 「俺がやる」と言い切る覚悟

 

いわゆる“理想のリーダー像”と思えるほど、人格が違って見えます(笑)

 

これは単なるキャラ変ではありません。
「ギャップ」があるからこそ、強烈に心に残るのです。

そのギャップに惹かれ、”ジャイアンのファン”というかたも、たくさんいるのだと思います。

ただし現実の監査現場に“ジャイアン”はほぼいない

しかし・・
この観点で、我々会計士は一度冷静になります。

 

監査現場や会計士の仕事で、映画版ジャイアンのような人がいるかというと──

 

正直、ほとんど見かけません。

 

むしろ現実は、

 

• 複雑な会計論点は慎重に検討
• リスクは極力回避
• 会計基準との整合性を重視

 

といった、“個の突破力”よりも“全体最適と再現性”が求められる世界です。

 

つまり、「俺が全部引き受ける」

という動きは、カッコよく見えても
必ずしも正解ではありません。

それでも“ジャイアン的価値”は存在する

では、我々公認会計士の業界で、この話は現実では役に立たないのか?というと・・

 

結論はNOです。

 

ポイントは、
“そのまま真似する”のではなく、"要素で映画版ジャイアンの片鱗を見せる"ことです。

会計監査の現場で再現できる“ジャイアン的価値”は例えば──

①責任を引き受ける姿勢

難解・複雑な論点課題が生じても、最終判断を曖昧にせず、
「この方針で進めましょう」と言い切る

②しんどい局面で逃げない

繁忙期やトラブル時に、一歩引くのではなく、半歩前に出る

 

例えば、チームメンバーが詰まっているとき、自分の作業で手一杯でも、5分だけでも状況を聞きにフォローするなど、小さな詰まりを放置しないことで、後半の炎上を防げる

→ 繁忙期に評価されるのは、処理能力よりも「詰まりを流せる力」です

③チームを守る意識

個人プレーではなく、プロジェクト全体の着地を優先する

 

ポイントは「全部やる」ではなく「止めない」こと

すなわち「全部自分で抱えること」ではなく「仕事の流れを止めないための一手を打つ」ことが本質です。

このようなメンバーが一人いるだけでも、チーム全体にプラスの影響を与えることは間違いありません。

 ギャップは「やりすぎない」から効く

ここも重要です。

もし毎回ジャイアンのように振る舞えば、

下手すると”暴走マシーン”というネガティブな印象を持たれてしまう恐れがあります。

 

会計監査の仕事では特に、

 

• 監査手続の正当性
• 判断根拠の妥当性
• 再現可能性

 

が極めて重要です。

 

だからこそ、普段は堅実なタイプでも、「ここぞ」という場面で一歩踏み込む

このバランスが、現実的かつ最も評価されやすい形です。

まとめ:理想と現実の“ちょうどいい接点”

映画のジャイアンのような存在は、実際の会計監査の現場にはほとんどいません。

 

しかし、

• 責任を引き受ける
• 苦しい場面で前に出る
• チームを守る

といった要素は、
 

形を変えて確実に価値を持ちます。

 

大事なのは、“ヒーローになること”ではなく、“必要な場面で少しだけヒーローを意識すること”。

 

その一瞬のギャップは、気づかないうちに“この人がいると安心だ”という評価に変わっていくはずです。

 

 

 

〇決算スケジュールと申告期限

多くの上場会社は、決算日後およそ45日以内に決算書を開示するのが、事実上の目安となっています。
かなりタイトなスケジュールの中で決算数値を確定し、決算発表を行うことが求められています。

一方で、上場準備会社(非上場会社)の場合は、まだ経理体制が整備途上であるケースも多く、上記のような開示スケジュールの縛りは特にありません。
そのため、実務上は決算確定までに、より多くの時間を要するのが一般的です。

ただし、見落としてはならないのが「法人税の申告期限(決算日後2か月以内)」です。
この期日までには、実質的に決算数値を固めておく必要があります。
なお、税務上は申告期限の1か月延長が認められており、多くの企業では「決算日後3か月以内」で、スケジュールに余裕をもって申告業務を行っているのが実態です。

〇法人税申告期日後に会計上の修正仕訳が発生

私が過去に担当した上場準備会社のケースです。
この会社は3月決算であり、申告期限延長の手続を行っていなかったため、5月末が法人税申告期限となっていました。

そのような状況の中、6月に入ってから、会計処理の修正事項が発生しました。
金額も大きく、会計上は修正仕訳の計上が避けられません。


しかし、クライアントからは次のような要望がありました。

「申告期限を過ぎているため、修正はしたくない。
税務署に提出済の申告書や決算書と、数値がずれてしまうから」

気持ちはよく分かります。


ただし、この理由だけで会計修正を行わないという判断は、監査上受け入れることができません。
ではこの場合は、どのように対応するのが良いでしょうか。

〇対応方法は2パターンある

本件の対応は、連結財務諸表を作成しているかどうかで大きく分かれます。

① 連結財務諸表を作成する会社の場合

子会社を有しているなど、連結財務諸表を作成している会社の場合は比較的シンプルです。
この場合、個別財務諸表では修正を直接反映せず、連結財務諸表作成時に修正仕訳を反映します。
いわゆる「連結修正仕訳」として対応するイメージです。

✔ 個別帳簿と申告書の整合性は維持できる
✔ 連結ベースでは正しい財務数値を確保できる

という点で、実務上は非常にスムーズな対応となります。

② 連結財務諸表を作成しない会社の場合

問題となるのは、こちらのケースです。
(※私が担当した会社もこのパターンでした)
子会社がなく、連結財務諸表を作成しない場合は、①のような楽な修正ができません。

 

【 実務対応(結論)】
このケースでは、以下の対応を行いました。

 

👉 修正仕訳を翌期首(3月決算会社の場合「4月1日付」)で計上

 

②の続き:なぜこの対応になるのか?

本来、修正仕訳は決算日(3月31日)付で計上するのが原則です。
しかし今回は、

  • 既に法人税申告書が提出済み

  • 会社としては数値の不整合を避けたい

という事情があります。

 

そこで、


✔ 会計数値の適正性
✔ クライアントの実務面の負担

 

この両方を踏まえた折衷案として、翌期首での修正計上という対応を採用しました。

〇実務上のポイント

この対応を行う際には、以下のような運用が必要になります。

 

4月1日付の仕訳を

〇「期首繰越仕訳」
〇「申告期限後に判明した修正仕訳」

 

の取引に限定して計上する。
すなわち、実質的に
👉 4月1日を“みなし期末日”として扱う

一方で、翌期の通常取引は
👉 4月2日以降で計上

 

かなりイレギュラーな対応ではありますが、実務上はこのような処理で整合性を確保します。

 

分かりづらいので、下記イラストを参考にしてみてくださいませ。。

 

〇まとめ

法人税申告期限後に修正事項が発覚するケースは、上場準備会社では決して珍しくありません。

重要なのは、

 

・「税務申告済だから会計も修正しない」という発想に陥らないこと

・会計数値の適切性を最優先に考えること。その上で、実務的に実行可能な落としどころを見つけること

 

です。

特に上場準備のフェーズでは、こうしたイレギュラー対応が、将来の内部統制や開示品質にも直結します。


「次は同じことを起こさない」ための体制整備まで含めて検討することが、結果的に上場に向けて、最も重要と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

先月1月下旬に、出張で札幌に行ってきました。

北海道を訪れたのは、実に10年以上ぶり。

 

行く前から厳しい寒さを覚悟していましたが、到着してみると日中は晴れ間もあり、天候は比較的落ち着いていました。

 

とはいえ、気温は常時マイナス。晴れの日も、温度計を見ると通常はマイナス5~10度を推移しているイメージ。。。

冬の札幌の空気は、とっても冷たく感じます。

 

寒さに備えて、インナーからアウターまでしっかり重ね着。

ホッカイロ30個入りを、出張前に購入し、防寒対策は万全でした。

 

正直、出張前は北海道の寒さにビビってました・・(-_-

が、実際に過ごしてみると、どうにか耐えられる寒さでした。

むしろ着込みすぎた感もあり、ホッカイロの大半が余りました(;’∀’)。

 

しかし北海道の積雪は、想像以上の高さ(;’∀’)

3メートルくらいの高さも珍しくありません。

 

 

 

 

<雪道とキャリーケースの格闘>

想像以上に大変だったのは、積雪の中でのキャリーケース移動です。
圧雪された道や新雪の上ではタイヤが思うように進まず、想像以上に体力を使いました。

 

ちなみに歩いている途中、ふと気になる看板のお店を発見(笑)

通りがかっただけですが、パン屋のようです。

出張中のこうした偶然の発見も、移動時間のちょっとした楽しみだと感じます。

 

乃木坂な妻たち - 桑園/パン | 食べログ

 

 

どこもかしこも見渡す限りの雪景色は、とってもきれい^^

久しぶりに北海道を訪問できて、とても新鮮な気分でした。

 

 

 

<夜の札幌散歩とテレビ塔>

仕事後、夜は札幌の街中を散歩しました。

有名なさっぽろテレビ塔 は、雪景色の中でライトアップされ、冬の澄んだ空気の中で見る夜景は、日中とはだいぶ違った印象です。

 

本当は 札幌市時計台 などの有名スポットにも、もっと立ち寄りたかったけど、夜は雪がかなり吹雪いてきて、滞在ホテルに避難しなきゃとなり、今回は断念・・。

 

<新千歳空港でお土産を購入>

出張最終日に、帰りの 新千歳空港 では、お土産をけっこう色々購入しました。

札幌といえば・・の定番土産は、

  • LeTAO のチーズケーキ
  • じゃがポックル
  • Royceチョコレート
  • 味噌ラーメンセット

などを買いました。

 

今回私が一番おすすめしたいのは、初めて購入した千秋庵の「ノースマン」という、現在超人気のお菓子です。
中でも「生ノースマン」は、クリームとあんこが重なったパイのようなお菓子で、甘さのバランスが絶妙に良くておいしかったです。

最初売り場へ行ったときは完売していましたが、運よくすぐに再入荷されたので、無事に購入できました。

 

 

 

 

ちなみに生ノースマンの常設店舗は 札幌(大丸札幌店・札幌千秋庵本店)と新千歳空港店が中心で、東京の百貨店や物産展などは期間限定品のようです。

 

伊勢丹新宿店での生ノースマン販売のお知らせ|ノースマン公式サイト

 

自宅付近の北海道物産展で、期間限定キャンペーンみたいな形で「生ノースマン」を買える機会がもしありましたら、是非一度お手に取ってみてください!

 

<まとめ>

冬の札幌は、大寒波とかでない限り、防寒対策をしっかり準備しておけば、問題なくすごせると思います。(住むとなると、話は別ですが、、)

仕事の合間でも、その土地ならではの食事や街歩きを楽しめるのが出張の良いところ。

次回は深夜まで営業している夜パフェにも挑戦しつつ、今回立ち寄れなかった場所もゆっくり巡りたいと思いました^^




 

 

 

 

先日、自宅最寄りの税務署で開催の所得税確定申告無料相談会にて、相談員として参加してきました。去年に引き続き2回目です。

写真のとおり、相談員は祭りで見かけるはっぴのような雰囲気の服を着させられました(笑)

 

 

相談対応していて思ったのは、所得税のルール・要件などには分かりずらい点があり、解釈を間違えると、税金計算や申告要否の判断も誤り、その結果、必要以上に税金を払ってしまうケースがあるという点です。

本記事では、実際に相談を受けた次の2つの疑問についての考え方を整理します。

 

①配偶者自身が確定申告している場合、夫側で配偶者控除は受けれるのか?

②中古建物を解体して新築建物を建てた場合の、解体費用の処理方法

 


① 配偶者自身が確定申告している場合、夫側で配偶者控除は使えるか?

 

<結論>

配偶者本人が確定申告をしていても、要件を満たせば、夫側で配偶者控除・配偶者特別控除は認められます。

 

※配偶者控除・配偶者特別控除については、下記ブログ参照

配偶者特別控除の所得金額はいくらまで?年末調整や年収の壁との関係を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

 

<申告上の取り扱い>

配偶者控除等の判定で重要となるのは、

「配偶者自身が確定申告をしているかどうか」ではなく、

「配偶者の所得金額が、一定の範囲内かどうか」

です。

 

共働き夫婦で、配偶者自身が医療費控除などを受けるために確定申告するケースは一般的にあります。しかし夫側の申告上、配偶者自身の申告自体は、配偶者控除等の適用に影響はありません。

 

相談者様は「妻が専業主婦でないと配偶者控除は使えないと思った」とのことでした。ポイントは、配偶者自身がどのくらい儲けているか?に影響します。

 


② 中古建物を解体して新築建物を建てた場合、解体費用の処理方法は?

 

 

 

 

不動産所得に関係します。相談受けた際に、私も即答できませんでした。。

 

実際の相談内容に関する不動産取引の時系列は、以下の通り。

 

・ 当初「中古建物+土地」を取得
・ 中古建物を解体し更地にして、その上に新築建物を建てる
・ 当該新築建物を賃貸物件として使用

 

<結論>

本事例の中古建物の解体費用は、発生した申告年度で一括費用処理となります。

⇒新築建物の取得価額に算入し、減価償却により費用按分となりません。

(下記(3)に該当します)

 

<判断の視点>

本件解体費用の申告上の処理としては、以下3点が思いつきやすいと考えられます。

 

(1)土地の取得価額に算入
(2)新築建物の取得価額に算入
(3)解体した年度に全額費用処理←これ

 

<根拠>

上記(3)解体費用を経費処理とする根拠は、法人税基本通達 7-7-1 です。

 

同通達では「その取り壊した資産の取壊し直前の帳簿価額は、その取り壊した日の属する事業年度の損金の額に算入する。」と定められています。

この考え方は、所得税(不動産所得)においても、実務上は同様に取り扱われます。

 

なお、上記(1)(2)ように、本事例が土地・建物の取得価額算入とならない理由は、下記の通りです。

 

(1)土地は過去に取得済みであるため、中古建物の解体費用を土地の取得価額に算入する余地はない

(2)中古建物の解体費用は、新築建物の取得と直接関連する支出ではない

 

以上より、中古建物の解体費用は、発生した年度の申告で経費処理してくださいませ。

 

【参考:②の類似事例⇒結論も異なります!!】

少し余談ですが、けっこう間違えやすい内容のため、ご紹介します。

 

上記②の相談事項と似ていますが、

仮に「土地を取得するために、土地の上にある中古建物を解体する場合の解体費用の処理方法は?」というケースの場合、今回の相談事例とは、申告上の結論が異なります。

 

この場合の解体費用は「土地を取得するために不可避な支出」と考えられ、土地の取得価額に算入することとなります。

すなわち、申告上費用処理はできない(土地は非償却性資産のため、減価償却費による費用化もNG)ため、上記②事例と混同しないようにご留意くださいませ。

 

<まとめ>

所得税の確定申告は、収入の種類や金額、年末調整の有無などによって取扱いが変わるため、要件が分かりづらいと感じる場面も少なくありません。

 

最近は、AIなどで気軽に情報を調べられる環境が整ってきましたが、それでも「本当に大丈夫か」と不安になることもありますよね。

 

特に確定申告の時期が近づく2・3月には、各地で無料相談会が開催されています。
自分の状況を直接説明しながら確認できるため、判断に迷う場合には、こうした機会を活用するのも一つの方法です。

 

申告で悩んだときは、無理に一人で抱え込まず、税理士に相談してみると、安心して手続きを進められることも多いでしょう。