※本記事は特定の企業を前提としたものではなく、実務上よく見られる取引を一般化したものです。

 

今回はやや会計マニア向けの、お墓を扱う業種の会計処理の解説記事になります!

墓地ビジネスの会計処理は、一見シンプルに見えますが、実務上は多様な収益構造を持っています。

  • お墓の管理受託手数料

  • 墓の施工や撤去

  • お寺の境内・区画工事

  • プレート・彫刻などの追加オプション

  • 相続不動産の紹介手数料

こうした異なる性質の収益が混在するため、収益認識時点の整理が曖昧になりやすい領域でもあります。

本記事では、墓地ビジネスで見られる代表的な収益パターンごとに、会計処理の考え方を整理します。


① 樹木葬の管理受託収益

近年増えている樹木葬の利用者から、月次で使用料がお寺に支払われ、その一部をお寺から委託された管理運営の手数料収益として配分を受けるような取引です。

<収益認識の考え方>

各月の実績に応じて収益認識します。

月ごとの使用料は、新規利用者の増加や解約等により変動します。そのため、実務上は当月実績に対して、当事者間の契約であらかじめ定めた一定割合を乗じた金額を、顧客との契約期間に渡り毎月末時点で請求・収益計上する形になります。

 


② 樹木葬オプション売上

①に付加される、樹木葬のプレート・彫刻などの追加オプションに係る収益です。

<収益認識の考え方>

納品時点で収益認識します。

入金後に、彫刻等作成業者へ外注し、完成後に顧客へ納品する流れであることから、履行義務の完了は納品時点と整理されます。したがって、入金時点では前受金として処理することが適切です。


③ お寺の境内工事・区画整備

境内工事や区画整備に関する収益です。

<収益認識の考え方>

工事完了時点で収益認識します。

実務上の論点は、完了の事実をどのように証明するかにあります。検収書の取得に加え、顧客からの検収完了メールの確認や、顧客の責任者不在時のリモート検収など、実態に即した証跡整備が重要となります。


④ 墓じまい(解体・撤去)

既存の墓の解体・撤去に関する収益です。

<収益認識の考え方>

解体・撤去作業完了時に収益認識します。

入金時点では履行義務が完了していないため前受金として処理し、作業完了時に収益へ振り替えることが基本となります。


⑤ 相続不動産の紹介手数料

墓利用者が相続した不動産の処分に困っているとき、不動産会社へ紹介することにより得られる手数料収入です。

<収益認識の考え方>

不動産売買契約成立時点で収益認識します。

不動産紹介の履行義務は、不動産売買契約の成立をもって完了すると考えられるため、入金時ではなく成約時が収益認識時点となります。


⑥ 建墓売上

従来型の墓石の設置・引渡しに係る収益です。最近は①樹木葬の需要が増加し、墓石は減少傾向にあるようです。

<収益認識の考え方>

納品時点で収益認識します。

履行義務の完了は引渡しと検収により確認されるため、当該時点が収益認識時点となります。


⑦ 埋葬彫刻

⑥の既存墓への追加彫刻に関する収益です。

<収益認識の考え方>

納品時点で収益認識します。

樹木葬オプションサービスと同様に、履行義務の完了時点である納品を基準とします。


まとめ

墓地ビジネスにおける収益認識は、個々の取引ごとに見るとシンプルですが、全体としては以下の3点に整理されます。

 

① 履行義務が完了した時点で収益を認識する
② 入金時点と収益認識時点を区別して処理する
③ 収益認識を裏付ける証跡を適切に整備する

 

経理実務では、入金時点で収益計上が行われているケースが多々見受けられますが、履行義務が未了である場合には前受金として処理する必要があります。

 

墓地ビジネスは、複数の収益類型が混在するため、会計上は履行義務の観点から整理することで、収益認識の考え方が明確になりやすくなると考えます。

実務担当者にとって、押さえておきたい基本論点の一つといえるでしょう。

 

※本記事は特定の個社事例ではなく、一般的な実務整理として記載しています。

 

 

 

 

 

 

 

子どもの頃から当たり前のように知っている、ドラえもんに登場するガキ大将"ジャイアン"。

「正直、職場にいたら困るタイプ」ですよね。

 

普段の彼は、乱暴で自己中心的で、正直「一緒に働きたくないタイプ」に見えるかもしれません。
 

しかし──
映画になると、その印象は一変します。

 

 

 

 

 映画版ジャイアンの「別人級の頼もしさ」

映画版のジャイアンは、こう変わります。

 

• 仲間を絶対に見捨てない
• 強敵をやっつける
• 一番危険な場面で前に出る
• 「俺がやる」と言い切る覚悟

 

いわゆる“理想のリーダー像”と思えるほど、人格が違って見えます(笑)

 

これは単なるキャラ変ではありません。
「ギャップ」があるからこそ、強烈に心に残るのです。

そのギャップに惹かれ、”ジャイアンのファン”というかたも、たくさんいるのだと思います。

ただし現実の監査現場に“ジャイアン”はほぼいない

しかし・・
この観点で、我々会計士は一度冷静になります。

 

監査現場や会計士の仕事で、映画版ジャイアンのような人がいるかというと──

 

正直、ほとんど見かけません。

 

むしろ現実は、

 

• 複雑な会計論点は慎重に検討
• リスクは極力回避
• 会計基準との整合性を重視

 

といった、“個の突破力”よりも“全体最適と再現性”が求められる世界です。

 

つまり、「俺が全部引き受ける」

という動きは、カッコよく見えても
必ずしも正解ではありません。

それでも“ジャイアン的価値”は存在する

では、我々公認会計士の業界で、この話は現実では役に立たないのか?というと・・

 

結論はNOです。

 

ポイントは、
“そのまま真似する”のではなく、"要素で映画版ジャイアンの片鱗を見せる"ことです。

会計監査の現場で再現できる“ジャイアン的価値”は例えば──

①責任を引き受ける姿勢

難解・複雑な論点課題が生じても、最終判断を曖昧にせず、
「この方針で進めましょう」と言い切る

②しんどい局面で逃げない

繁忙期やトラブル時に、一歩引くのではなく、半歩前に出る

 

例えば、チームメンバーが詰まっているとき、自分の作業で手一杯でも、5分だけでも状況を聞きにフォローするなど、小さな詰まりを放置しないことで、後半の炎上を防げる

→ 繁忙期に評価されるのは、処理能力よりも「詰まりを流せる力」です

③チームを守る意識

個人プレーではなく、プロジェクト全体の着地を優先する

 

ポイントは「全部やる」ではなく「止めない」こと

すなわち「全部自分で抱えること」ではなく「仕事の流れを止めないための一手を打つ」ことが本質です。

このようなメンバーが一人いるだけでも、チーム全体にプラスの影響を与えることは間違いありません。

 ギャップは「やりすぎない」から効く

ここも重要です。

もし毎回ジャイアンのように振る舞えば、

下手すると”暴走マシーン”というネガティブな印象を持たれてしまう恐れがあります。

 

会計監査の仕事では特に、

 

• 監査手続の正当性
• 判断根拠の妥当性
• 再現可能性

 

が極めて重要です。

 

だからこそ、普段は堅実なタイプでも、「ここぞ」という場面で一歩踏み込む

このバランスが、現実的かつ最も評価されやすい形です。

まとめ:理想と現実の“ちょうどいい接点”

映画のジャイアンのような存在は、実際の会計監査の現場にはほとんどいません。

 

しかし、

• 責任を引き受ける
• 苦しい場面で前に出る
• チームを守る

といった要素は、
 

形を変えて確実に価値を持ちます。

 

大事なのは、“ヒーローになること”ではなく、“必要な場面で少しだけヒーローを意識すること”

 

その一瞬のギャップは、気づかないうちに“この人がいると安心だ”という評価に変わっていくはずです。

 

 

 

〇決算スケジュールと申告期限

多くの上場会社は、決算日後およそ45日以内に決算書を開示するのが、事実上の目安となっています。
かなりタイトなスケジュールの中で決算数値を確定し、決算発表を行うことが求められています。

一方で、上場準備会社(非上場会社)の場合は、まだ経理体制が整備途上であるケースも多く、上記のような開示スケジュールの縛りは特にありません。
そのため、実務上は決算確定までに、より多くの時間を要するのが一般的です。

ただし、見落としてはならないのが「法人税の申告期限(決算日後2か月以内)」です。
この期日までには、実質的に決算数値を固めておく必要があります。
なお、税務上は申告期限の1か月延長が認められており、多くの企業では「決算日後3か月以内」で、スケジュールに余裕をもって申告業務を行っているのが実態です。

〇法人税申告期日後に会計上の修正仕訳が発生

私が過去に担当した上場準備会社のケースです。
この会社は3月決算であり、申告期限延長の手続を行っていなかったため、5月末が法人税申告期限となっていました。

そのような状況の中、6月に入ってから、会計処理の修正事項が発生しました。
金額も大きく、会計上は修正仕訳の計上が避けられません。


しかし、クライアントからは次のような要望がありました。

「申告期限を過ぎているため、修正はしたくない。
税務署に提出済の申告書や決算書と、数値がずれてしまうから」

気持ちはよく分かります。


ただし、この理由だけで会計修正を行わないという判断は、監査上受け入れることができません。
ではこの場合は、どのように対応するのが良いでしょうか。

〇対応方法は2パターンある

本件の対応は、連結財務諸表を作成しているかどうかで大きく分かれます。

① 連結財務諸表を作成する会社の場合

子会社を有しているなど、連結財務諸表を作成している会社の場合は比較的シンプルです。
この場合、個別財務諸表では修正を直接反映せず、連結財務諸表作成時に修正仕訳を反映します。
いわゆる「連結修正仕訳」として対応するイメージです。

✔ 個別帳簿と申告書の整合性は維持できる
✔ 連結ベースでは正しい財務数値を確保できる

という点で、実務上は非常にスムーズな対応となります。

② 連結財務諸表を作成しない会社の場合

問題となるのは、こちらのケースです。
(※私が担当した会社もこのパターンでした)
子会社がなく、連結財務諸表を作成しない場合は、①のような楽な修正ができません。

 

【 実務対応(結論)】
このケースでは、以下の対応を行いました。

 

👉 修正仕訳を翌期首(3月決算会社の場合「4月1日付」)で計上

 

②の続き:なぜこの対応になるのか?

本来、修正仕訳は決算日(3月31日)付で計上するのが原則です。
しかし今回は、

  • 既に法人税申告書が提出済み

  • 会社としては数値の不整合を避けたい

という事情があります。

 

そこで、


✔ 会計数値の適正性
✔ クライアントの実務面の負担

 

この両方を踏まえた折衷案として、翌期首での修正計上という対応を採用しました。

〇実務上のポイント

この対応を行う際には、以下のような運用が必要になります。

 

4月1日付の仕訳を

〇「期首繰越仕訳」
〇「申告期限後に判明した修正仕訳」

 

の取引に限定して計上する。
すなわち、実質的に
👉 4月1日を“みなし期末日”として扱う

一方で、翌期の通常取引は
👉 4月2日以降で計上

 

かなりイレギュラーな対応ではありますが、実務上はこのような処理で整合性を確保します。

 

分かりづらいので、下記イラストを参考にしてみてくださいませ。。

 

〇まとめ

法人税申告期限後に修正事項が発覚するケースは、上場準備会社では決して珍しくありません。

重要なのは、

 

・「税務申告済だから会計も修正しない」という発想に陥らないこと

・会計数値の適切性を最優先に考えること。その上で、実務的に実行可能な落としどころを見つけること

 

です。

特に上場準備のフェーズでは、こうしたイレギュラー対応が、将来の内部統制や開示品質にも直結します。


「次は同じことを起こさない」ための体制整備まで含めて検討することが、結果的に上場に向けて、最も重要と言えるでしょう。

 

 

先月1月下旬に、出張で札幌に行ってきました。

北海道を訪れたのは、実に10年以上ぶり。

 

行く前から厳しい寒さを覚悟していましたが、到着してみると日中は晴れ間もあり、天候は比較的落ち着いていました。

 

とはいえ、気温は常時マイナス。晴れの日も、温度計を見ると通常はマイナス5~10度を推移しているイメージ。。。

冬の札幌の空気は、とっても冷たく感じます。

 

寒さに備えて、インナーからアウターまでしっかり重ね着。

ホッカイロ30個入りを、出張前に購入し、防寒対策は万全でした。

 

正直、出張前は北海道の寒さにビビってました・・(-_-

が、実際に過ごしてみると、どうにか耐えられる寒さでした。

むしろ着込みすぎた感もあり、ホッカイロの大半が余りました(;’∀’)。

 

しかし北海道の積雪は、想像以上の高さ(;’∀’)

3メートルくらいの高さも珍しくありません。

 

 

 

 

<雪道とキャリーケースの格闘>

想像以上に大変だったのは、積雪の中でのキャリーケース移動です。
圧雪された道や新雪の上ではタイヤが思うように進まず、想像以上に体力を使いました。

 

ちなみに歩いている途中、ふと気になる看板のお店を発見(笑)

通りがかっただけですが、パン屋のようです。

出張中のこうした偶然の発見も、移動時間のちょっとした楽しみだと感じます。

 

乃木坂な妻たち - 桑園/パン | 食べログ

 

 

どこもかしこも見渡す限りの雪景色は、とってもきれい^^

久しぶりに北海道を訪問できて、とても新鮮な気分でした。

 

 

 

<夜の札幌散歩とテレビ塔>

仕事後、夜は札幌の街中を散歩しました。

有名なさっぽろテレビ塔 は、雪景色の中でライトアップされ、冬の澄んだ空気の中で見る夜景は、日中とはだいぶ違った印象です。

 

本当は 札幌市時計台 などの有名スポットにも、もっと立ち寄りたかったけど、夜は雪がかなり吹雪いてきて、滞在ホテルに避難しなきゃとなり、今回は断念・・。

 

<新千歳空港でお土産を購入>

出張最終日に、帰りの 新千歳空港 では、お土産をけっこう色々購入しました。

札幌といえば・・の定番土産は、

  • LeTAO のチーズケーキ
  • じゃがポックル
  • Royceチョコレート
  • 味噌ラーメンセット

などを買いました。

 

今回私が一番おすすめしたいのは、初めて購入した千秋庵の「ノースマン」という、現在超人気のお菓子です。
中でも「生ノースマン」は、クリームとあんこが重なったパイのようなお菓子で、甘さのバランスが絶妙に良くておいしかったです。

最初売り場へ行ったときは完売していましたが、運よくすぐに再入荷されたので、無事に購入できました。

 

 

 

 

ちなみに生ノースマンの常設店舗は 札幌(大丸札幌店・札幌千秋庵本店)と新千歳空港店が中心で、東京の百貨店や物産展などは期間限定品のようです。

 

伊勢丹新宿店での生ノースマン販売のお知らせ|ノースマン公式サイト

 

自宅付近の北海道物産展で、期間限定キャンペーンみたいな形で「生ノースマン」を買える機会がもしありましたら、是非一度お手に取ってみてください!

 

<まとめ>

冬の札幌は、大寒波とかでない限り、防寒対策をしっかり準備しておけば、問題なくすごせると思います。(住むとなると、話は別ですが、、)

仕事の合間でも、その土地ならではの食事や街歩きを楽しめるのが出張の良いところ。

次回は深夜まで営業している夜パフェにも挑戦しつつ、今回立ち寄れなかった場所もゆっくり巡りたいと思いました^^




 

 

 

 

先日、自宅最寄りの税務署で開催の所得税確定申告無料相談会にて、相談員として参加してきました。去年に引き続き2回目です。

写真のとおり、相談員は祭りで見かけるはっぴのような雰囲気の服を着させられました(笑)

 

 

相談対応していて思ったのは、所得税のルール・要件などには分かりずらい点があり、解釈を間違えると、税金計算や申告要否の判断も誤り、その結果、必要以上に税金を払ってしまうケースがあるという点です。

本記事では、実際に相談を受けた次の2つの疑問についての考え方を整理します。

 

①配偶者自身が確定申告している場合、夫側で配偶者控除は受けれるのか?

中古建物を解体して新築建物を建てた場合の、解体費用の処理方法

 


① 配偶者自身が確定申告している場合、夫側で配偶者控除は使えるか?

 

<結論>

配偶者本人が確定申告をしていても、要件を満たせば、夫側で配偶者控除・配偶者特別控除は認められます。

 

※配偶者控除・配偶者特別控除については、下記ブログ参照

配偶者特別控除の所得金額はいくらまで?年末調整や年収の壁との関係を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

 

<申告上の取り扱い>

配偶者控除等の判定で重要となるのは

「配偶者自身が確定申告をしているかどうか」ではなく、

「配偶者の所得金額が、一定の範囲内かどうか」

です。

 

共働き夫婦で、配偶者自身が医療費控除などを受けるために確定申告するケースは一般的にあります。しかし夫側の申告上、配偶者自身の申告自体は、配偶者控除等の適用に影響はありません。

 

相談者様は「妻が専業主婦でないと配偶者控除は使えないと思った」とのことでした。ポイントは、配偶者自身がどのくらい儲けているか?に影響します。

 


② 中古建物を解体して新築建物を建てた場合、解体費用の処理方法は?

 

 

 

 

不動産所得に関係します。相談受けた際に、私も即答できませんでした。。

 

実際の相談内容に関する不動産取引の時系列は、以下の通り。

 

・ 当初「中古建物+土地」を取得
・ 中古建物を解体し更地にして、その上に新築建物を建てる
・ 当該新築建物を賃貸物件として使用

 

<結論>

本事例の中古建物の解体費用は、発生した申告年度で一括費用処理となります。

⇒新築建物の取得価額に算入し、減価償却により費用按分となりません。

(下記(3)に該当します)

 

<判断の視点>

本件解体費用の申告上の処理としては、以下3点が思いつきやすいと考えられます

 

(1)土地の取得価額に算入
(2)新築建物の取得価額に算入
(3)解体した年度に全額費用処理←これ

 

<根拠>

上記(3)解体費用を経費処理とする根拠は、法人税基本通達 7-7-1 です。

 

同通達では「その取り壊した資産の取壊し直前の帳簿価額は、その取り壊した日の属する事業年度の損金の額に算入する。」と定められています。

この考え方は、所得税(不動産所得)においても、実務上は同様に取り扱われます。

 

なお、上記(1)(2)ように、本事例が土地・建物の取得価額算入とならない理由は、下記の通りです。

 

(1)土地は過去に取得済みであるため、中古建物の解体費用を土地の取得価額に算入する余地はない

(2)中古建物の解体費用は、新築建物の取得と直接関連する支出ではない

 

以上より、中古建物の解体費用は、発生した年度の申告で経費処理してくださいませ。

 

【参考:②の類似事例⇒結論も異なります!!】

少し余談ですが、けっこう間違えやすい内容のため、ご紹介します。

 

上記②の相談事項と似ていますが、

仮に「土地を取得するために、土地の上にある中古建物を解体する場合の解体費用の処理方法は?」というケースの場合、今回の相談事例とは、申告上の結論が異なります。

 

この場合の解体費用は「土地を取得するために不可避な支出」と考えられ、土地の取得価額に算入することとなります。

すなわち、申告上費用処理はできない(土地は非償却性資産のため、減価償却費による費用化もNG)ため、上記②事例と混同しないようにご留意くださいませ。

 

<まとめ>

所得税の確定申告は、収入の種類や金額、年末調整の有無などによって取扱いが変わるため、要件が分かりづらいと感じる場面も少なくありません。

 

最近は、AIなどで気軽に情報を調べられる環境が整ってきましたが、それでも「本当に大丈夫か」と不安になることもありますよね。

 

特に確定申告の時期が近づく2・3月には、各地で無料相談会が開催されています。
自分の状況を直接説明しながら確認できるため、判断に迷う場合には、こうした機会を活用するのも一つの方法です。

 

申告で悩んだときは、無理に一人で抱え込まず、税理士に相談してみると、安心して手続きを進められることも多いでしょう。

 

 

 

 

今回の記事では、2026年3月16日(月)提出期限(早くもあと1か月半に迫ってきてますね・・)の、令和7年度分・所得税確定申告から適用される、昨年までと異なる、主な改正点について解説します。

 

改正のポイントは、次の4点です。
①「基礎控除」の見直し
⇒多くの納税者に影響大
②「給与所得控除」の見直し
⇒パート・アルバイトのかた影響大。
③「特定親族特別控除」の創設
⇒大学生世代の子供のいる家庭に影響
④扶養親族等の所得要件の改正
⇒影響はご家庭によりけり

特に①は、多くの人に影響する重要な改正です。

①「基礎控除」の見直し

基礎控除は「合計所得が2500万円以下」の納税者に適用される基本的な所得控除です。

<改正点>
・従来:一律48万円
・改正後:合計所得金額に応じて控除額が変動(下表参照)

 

低所得者ほど控除額が大きくなる(=有利になる)仕組みに改められ、多くの所得層で、従来より控除額が増加しています。

 

<ポイント>
・合計所得:2350万円以下なら、控除額が従来(48万円)よりも増える。
・低所得層では、最大95万円(合計所得:132万円まで)まで控除額が拡大

<参考:①基礎控除額改正サマリー>

画像
 

②「給与所得控除」の見直し

給与所得控除については、控除できる最低保障額が引き上げられました。

 

<改正点>
・従来:55万円
・改正後:65万円

 

この改正の影響を直接受けるのは、給与収入が190万円以下の給与所得者です。

(給与収入が190万円超のかたには影響ありません)

 

<ポイント>
・パート・アルバイトなど、給与収入が少ない人ほど影響大
・基礎控除の見直し(①)と組み合わせて、大幅な節税が見込まれる人が増える

<参考:②給与所得控除改正サマリー>

画像
 

 

 

 

 

③「特定親族特別控除」の創設

令和7年度の所得税改正では、新たに「特定親族特別控除」 が創設されました。
この制度は、大学生世代の子どもを扶養する家庭の税負担軽減を目的とした改正です。

 

<改正の背景>
従来の扶養控除制度では、子どもの年間合計所得金額が
・48万円以下の場合
⇒扶養控除(特定扶養親族:63万円)の対象
・48万円超
⇒扶養控除の対象外

 

となり、子の収入が基準を1円でも超えると、親側での所得控除が「63万円⇒0円」になってしまう(=税負担が急に増える)という「年収の壁」が問題になりました。
このような急な税金計算への影響を緩和するために、新たに創設されたのが今回の「特定親族特別控除」です。

 

<対象となる親族>
・子の年齢:19歳以上23歳未満
・生計を一にする子
⇒同じ家計で暮らしていること
⇒別居中の大学生等に仕送りをして生活費を負担している場合も含む
・子の合計所得金額:58万円超~123万円以下
・里子も対象に含まれる

 

上記所得帯に該当する場合、親側の確定申告時に、本件特別控除を受けることができます。

 

<特定扶親族特別控除制度まとめ>
・控除額上限:63万円
・子の所得が低いほど控除額は大きく、所得が増えるにつれて、段階的に控除額が減少(下記サマリー表参照)
・子の合計所得:123万円超の場合、本件控除は適用不可

 

<ポイント>
・大学生世代の子を持つ家庭向けに新設された制度
・控除額は最大63万円。子の所得に応じて段階的に縮小
・子の収入増加による、親側の税負担急変が緩和される

<参考:③特定親族特別控除額サマリー表>

画像
 

④扶養親族等の所得要件の改正

令和7年度の所得税改正では、上記の①基礎控除・②給与所得控除の見直しにあわせて、各種控除における「所得要件」も引き上げられています。

<扶養控除(扶養親族・同一生計配偶者)>

扶養控除の対象となる扶養親族および同一生計配偶分の合計所得金額の要件が、次のとおり引き上げられました。

 

〇合計所得金額:48万円以下⇒58万円以下

 

 一般扶養(38万円)や特定扶養(63万円)など、扶養控除額そのものは、従来のまま変更はありません。
 

今回の改正は、あくまで「扶養控除の対象になれるかどうかの所得基準」が緩和された(=所得上限が引き上げられた)点がポイントです。

<ひとり親控除>

ひとり親控除についても、生計を一にする子の所得要件が引き上げられています。
 

〇生計を一にする子の総所得金額等:48万円以下⇒58万円以下

 

上記①基礎控除額が、従来48万円⇒58万円~95万円まで拡充されています。
一方、扶養家族や配偶者の判定に使われる本件所得:58万円は、上記基礎控除最低額と足並みをそろえるために設定された判定基準と考えられます。

<勤労学生控除>

勤労学生控除については、学生本人の所得要件が次のとおり引き上げられました。
〇 合計所得金額:75万円以下 ⇒ 85万円以下

最低賃金の上昇や、学生がアルバイトで一定の収入を得ることが一般的になっている現状を踏まえ、働いて稼ぐことで控除が使えなくならないよう配慮された改正といえます。

<家内労働者等の必要経費の最低保障額>

給与所得控除の改正を受け、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例についても見直しが行われています。


〇必要経費の最低保障額:55万円⇒65万円

 

給与所得者以外の低所得層の負担軽減を意識した改正です。

<まとめ>

令和7年度の所得税改正では、基礎控除と給与所得控除が見直され、低所得層への配慮と制度の分かりやすさが強化されました。
あわせて、扶養や親族関係の所得要件も整理され、家族の働き方や収入状況に応じた申告がしやすくなっています。

改正点を確認し、ご自身に有利な形で申告を進めていきましょう!!

前回記事の続きです。
AI到来で失ったMy Work | 公認会計士・税理士トマト麺

今回は前回記事の内容と真逆の、「AI時代においても価値が失わない仕事」を2つご紹介します。

ChatGPT や各種AIツールの普及によって、多くの業務が効率化されています。
その一方で、どうしても人間にしかできない仕事も、確実に存在します。

① 自宅の掃除・片付け訪問サポート
いわばあの有名な「こんまり」の仕事に近いイメージです。


【 AIでも置き換わりにくい理由】
・サービスのすべてが、オフライン(現場作業)で完結する
・部屋の状態は家庭ごとに千差万別で、固定解がない
・単なる掃除ではなく、顧客の価値観・要望に寄り添って「片づく仕組み」を支援する仕事
・一緒に作業する過程で、心理的なサポートも必要

掃除ロボットやスマート家電が進化すれば、人間の手が必要な範囲は確かに狭くなるかもしれません。しかし「暮らし方から変える支援」までは、まだまだ機械が代替するのは難しい領域です。

 

 

 

 

 

 


② シニア世代向けのセミナー講師


2つ目の紹介ですが、近年オンラインセミナーが一般化し、ITリテラシーの高い層はZoomや動画講義で十分に学べるようになりました。
ただし、シニア世代になると事情は大きく変わります。


【 AIでも置き換わりにくい理由】

・IT機器が苦手な方も多く、会場型セミナーのほうが参加のハードルが圧倒的に低い
・参加者は学ぶ意識が高く、実際の講演で直接質問・相談をしたい
・「人の話を生で聞きたい」「講師と会話したい」というニーズが強い
・AI講義では満たせない「その場だからこそ生まれる空気感」が重要

シニア層の学びは知識そのものだけでなく、リアルな交流の場であると共に、今後のより豊かな生活の過ごしかたを考えることが大きな目的です。

この価値を十分に提供するには、AIでは再現が難しいものです。



ここからが本題ですが・・・


そもそも会計士の私の仕事とは、何の関連も無さそうなテーマですね(;'∀')
実を言うと、上記2つの仕事は、現在私の身内が関わっています。
特に①の「お片付け訪問サポート」は、最近ニーズが増えており、現在も募集を続けております。
いわゆる「掃除代行」とはまったく異なるサービスです。単に部屋をきれいにするのではなく、

「家が片づく仕組みづくりの提供」
「より豊かな暮らしにつながるサポート」


という点を強みにしております。

もし、下記のような悩みがある方は、下記インスタで詳細を確認いただき、興味がありましたら、DMから気軽に相談いただければと思います m(__)m

まりこ l 習慣化で家が整った健康オタクママ l リバウンドしても怖くない I 片付く仕組を提案 l 寄り添うお片付け l 東京(@mariko417_lifestyle) • Instagram写真と動画

● こんな悩みはありませんか?


・そもそも片づけ方が分からない
・“もったいない”が止まらず、物が増え続けて空間がなくなる
・物が多すぎて探し物が見つからない
・片づけてもすぐリバウンドしてしまう
・自宅ではないけど、実家がゴミ屋敷状態で困っている

こういった悩みは、意外と多くの人が抱えています。
もし一つでも当てはまるなら、一度プロに相談してみるのは十分に価値があります。

 

 

 

 

 

【まとめ】
今回はほぼ宣伝中心の記事になってしまいました・・笑。
今回紹介した2つの仕事は、どちらもAI時代において価値が高まり続ける分野。
人が人に寄り添う仕事は、これからも確実に必要とされはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

昨年まで、不定期に会計・税務関連のWEB記事を作成・監修をすることがありました。しかしここ1年ほど、記事関連の依頼がパッタリ途絶えてしまいました・・( ノД`)。

ご存じの通り、記事作成はもはやGPT系のAIを使えば、圧倒的なスピードで作ることが可能です。
今では多くの企業が、AIによる自動処理で記事を生成できるため、わざわざ外注する必要もなくなりました。

この傾向は記事作成に限らず、人がPCやアプリを使って手作業で作る成果物の多くが、今後もAIに取って代わられる範囲が広がっていくと思います。


参考までに、これまで私が作成・監修したWEB記事のリンクの一部を、以下にご紹介しております。


〇IT資産管理の監査対策!経営者が知っておくべきポイントと事例
https://stmn.co.jp/roei-checker/contents/column/1941/

〇監査証跡とは?内部不正対策を行うために必要な知識や情報を解説
https://stmn.co.jp/roei-checker/contents/column/2726/

〇委託先管理とIT統制
https://stmn.co.jp/roei-checker/contents/column/2318/

〇J-SOXの改訂内容2023年版を解説
https://stmn.co.jp/roei-checker/contents/column/2045/

〇内部統制の目的と不可欠な3点セットを解説
https://stmn.co.jp/roei-checker/contents/column/1732/

〇グループ経営の課題 - 情報共有、ガバナンス、効率化の視点から。
https://biz.tunag.jp/article/79254

〇税理士の探し方とは?選ぶ際に失敗しない、おすすめの方法を解説
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/how-to-find-tax-accountant/

〇印鑑証明を取得したときの勘定科目とは?仕訳を行う際の注意点も解説
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/seal-certificate-account-item/

〇利益とは?売上や粗利との違いから利益の種類、利益を上げる方法を紹介
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/profit/

〇営業譲渡とは?事業譲渡との違いやメリット・デメリット
https://fundbook.co.jp/column/understanding-ma/business-transfer/

〇インボイス制度施行後の決算での不備を防ぐポイントとは
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/invoice-settlement-of-accounts/

〇不動産業界の経理の仕事内容とは?使用する勘定科目や注意点などを解説
https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/accounting-real-estate/


はい、今回の記事はここまでです・・。
ここまでだと、何の気付きも無い、微妙な感じになってしまいますが・・
この続きは、次回の記事で改めて書きたいと思っています。

ざっくりとしたテーマだけ言うと、

今回とは逆に「AIに取って代わられない(にくい?)仕事」についてです。
少しお時間をいただきますが、またアップしたいと思います!

今回は、私が以前会計監査の現場で議論した論点について紹介します。

 

会社が仕事や顧客を他者から紹介してもらうケースでは、紹介してくれた相手に「紹介手数料」を支払うことがあります。
このとき、多くの会社では「支払手数料」として処理しているかもしれません。

 

しかし、会計または税務上は一概にそうとは言えません。
状況によっては「接待交際費」として扱うべき場合もあるのです。

 

本記事では、税法上の規定に基づいて、どのように判断すべきかを解説します。

 

<処理方法は2通りある>

顧客紹介のような支払いは、大きく分けて次の2通りの処理方法が考えられます。

1️⃣ 「支払手数料」として処理できる場合
2️⃣ 「接待交際費」として処理すべき場合

まず、「支払手数料」として認められる条件を確認しましょう。

 

■ 「支払手数料」として処理できる場合

租税特別措置法第61条の4第1項第8号では、次の要件をすべて満たす場合に「支払手数料」として扱うことを認めています。

また、その支払先が「顧客紹介の専門業者」であることも求められます。

 

(1) あらかじめ契約を結んでいること

つまり「後からご褒美的に渡したお金」ではなく、最初から業務の対価として支払うことを取り決めていたか?がポイントです。

 

たとえば、「顧客紹介に関する業務委託契約書を締結し、情報提供料として○万円を支払う」といった形で、契約書やメールで事前に明示しておくことが重要です。

 

(2) 情報提供の内容が具体的で、実際に提供を受けていること

ここで求められているのは「何を、どのように、誰からもらったのか」が明確であることです。

 

たとえば「顧客A社を紹介する」など、内容が具体的で、実際にA社を紹介されたことを示す契約書や成約報告書などのエビデンスを提示できることが重要です。

 

一方、内容が曖昧で証拠も残っていない場合には、実態のない支払い=交際費的性格とみなされるリスクがあります。

 

(3) 支払金額が内容に見合っていること

つまり、支払った金額が、提供された情報の価値として妥当か?という点です。

 

明らかに高額な場合は、「実態は接待交際費ではないか」と判断されるリスクがあります。

一般的な紹介手数料の相場を踏まえ、業務の実態に見合う金額設定を行うことが重要です。

 

< 要件を満たさない場合は「接待交際費」扱いに>

上記3要件のいずれかを満たさない場合は、「支払手数料」ではなく「接待交際費」として扱われます。

特に、紹介業が専門でない個人や取引先への支払いは、一時的な謝礼やお付き合いの性質が強い取引と判断されやすくなります。

 

<「接待交際費」として処理する場合の留意点>

「接待交際費」として扱う場合、法人税計算上、損金不算入になる可能性があります。したがって、節税の観点では不利になりやすいと言えます。

 

「支払手数料」として処理できる根拠(契約書・エビデンス等)を残しておくことが重要です。

 

< まとめ>

今回紹介した「紹介手数料」の会計処理は、不動産仲介手数料などにも共通する論点です。

「手数料」という名目だからといって、すぐに「支払手数料」と処理するのではなく、上記3要件に照らして、「接待交際費」に該当しないかを慎重に判断することが必要です。

 

 

 

<長期滞留資産とは?>
「長期滞留資産」とは、本来であれば短期間で売買される性質の資産(流動資産)にも関わらず、長期間にわたって売却・処分できず、現金回収が滞っているものを指します。
 

たとえば、計上後1年以上入金のない売掛金や、何年も倉庫に眠っている商品在庫などが挙げられます。
 

これらの資産は、将来の回収可能性・販売可能性が大きく低下していると考えられ、期末決算時に「評価減」という処理を検討する必要があります。


しかし実務上、その評価は簡単ではありません。相手先の経営状況が分からなかったり、棚卸資産の市場価値を客観的に測れない場面も想定されるからです。
 

そのような場合に、会計上は「簡便法」と呼ばれる、シンプルな評価減の方法が認められる場合があります。

 

< 簡便法OK/NGなケース>
ここでは、滞留資産の評価において、会計上特に重要な影響を与える売上債権(売掛金など)、棚卸資産を題材に、簡便法の適用可否について解説します。

 

 

【① 売上債権⇒簡便法OK】
回収可能性に懸念が生じた売上債権については、「金融商品会計に関する実務指針:第114項」に次のような定めがあります。

「債務者の支払能力を判断するための資料や情報の入手が困難であり、貸倒見積額の算定が難しい場合は、初年度に限り、債権額の50%を貸倒引当金の計上額とすることができる」


つまり、債務者の財務状況の詳細な把握が難しい場合は「とりあえず50%引き当てる」という簡単な方法が認められます。


この方法は、売掛金を一般債権から貸倒懸念債権に区分変更した初年度において、特に中小企業などで情報収集コストを抑えられるというメリットがあります。

ただし翌期以降は、直近の回収状況などを踏まえ、より実態に近い形で評価を見直す必要があります。

 

【②棚卸資産(在庫)⇒簡便法NG】
一方で、長期間売れ残った滞留在庫については、上記売上債権のような50%評価減の簡便法は会計基準上存在しません。

そのため、「とりあえず簿価の50%にしておこう」といった処理には合理的な根拠がなく、多くの場合認められないのが実情です。

一方、棚卸資産評価会計基準:9項(2)では、「合理的に算定された価額によることが困難な場合には、正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、一定の回転期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法」が認められています。


例えば、「滞留期間が1年以上:50%切り下げ、2年以上:全額切り下げ」という社内ルールに基づく規則的な処理方法などが認められます。


ただし上記社内ルールの場合、評価減のパーセンテージの決定については、一定の根拠が必要です。

例えば、過去の処分実績や、物質的な劣化までの期間などに関するエビデンスを、通常の場合、監査法人から提出が求められます。「とりあえず○%にしよう」など、闇雲なルール作りは却下されやすいので、ご注意ください。

<参考:全額評価減とする方法>
ここで、合理的な評価が難しい滞留在庫において、実務上は、50%評価減よりも「全額評価減」のほうが、シンプルかつ合理性が認められやすくなります。

・「市場でほぼ需要が無い」「目に見えや破損・劣化がある」など、回収可能性が大幅に低下している事象が認められる場合、「正味売却価額をゼロとみなす」ことで、複雑な見積もりは不要となり、監査法人からも認めてもらいやすくなります。

 

<まとめ>
滞留資産の評価は、経理実務の中でも判断が難しい分野のひとつです。
 

上述の長期滞留した売掛金、棚卸資産の簡便法に関する評価方法を整理すると、下記の通りとなります。
•売上債権:初年度に限り50%引当を認める簡便法あり(金融商品実務指針:114項)
•棚卸資産:50%減の簡便法なし。

 

こうみると、売上債権の評価のほうが、比較的ラクと言えます。


評価方法に迷ったときは「なぜその金額を採用したのか」というロジックを整理することが大切です。定量的な証拠・裏付けが取れなくても、ロジックに矛盾のない説明ができれば、多くの場合、監査法人もOKしてくれるでしょう。