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少し前にあったニュースです。
武田薬品工業に６２００億円賠償認定
糖尿病薬巡り米陪審
武田薬品工業の糖尿病治療薬「アクトス」が
ぼうこうガン発症のリスクがあることを隠していたとして
ルイジアナ州の連邦地裁の陪審が懲罰的賠償金
の支払い義務があると認定したとのこと。
これを受け武田側は
ぼうこうガンを引き起こす根拠はないとして
「あらゆる法的手段にのっとり、異議を申し立てる」
と全面対決姿勢
これを見ると、
日本の製薬業界の苦戦ぶりを
象徴しているように映ります。
アクトスはピーク時世界売上が約４０００億円と
期待のブロックバスターでした。
それが、特許切れとなり、
売上減少する中、この裁判です。
上訴するので、
きっと６２００億円支払う結末には
ならないだろうとの見方が強いですが、
裁判の長期化や企業イメージのダウンは
免れないでしょう。
私個人としては、
日本を代表する製薬会社タケダには
「頑張ってもらいたい」との想いがありますが、
世界を舞台に戦い抜くことができるか
まさに土俵際です。
武田薬品工業は２０１１年に
スイス製薬会社ナイコメッドを１兆１千億円と巨額で買収し、
新興国進出への足がかりにしようとしたましたが、
思うように計画が進んでいないそうです。
そして次の策は
GSK（グラクソ・スミスクライン）出身の外国人
クリストフ・ウェバー氏を社長兼COOとしてトップにするとのこと。
グローバル企業になろうと必死です。
実は
国内製薬企業のトップ武田ですら
医療用医薬品の世界売上ランキングでは１２位
と１０本の指に入っていません。
メルク、ファイザー、GSKなど
世界のメガファーマは軒並み
M＆Aで商品力と販売力を得てきました。
規模の戦略です。
これとガチンコにやり合うとやられてしまいます。
相撲でいうと全盛期の曙関に真正面から
まわしを取って相撲するようなものです。
ですから、
国内企業は
自社の強みをどこにもつか？
何だったら勝てるのか？
画策中です。
武田はガチンコ勝負に出たのでしょうか？
あまり上手く行っていないようにみえます。
これだけ、製薬業界の動きに変化があるのは
今までのビジネスの構造が壊れてきたからです。
かつて
製薬における成功のカギ（KFS）は特許でした。
今もそうですが。
特許を自社で生み出し、自社で開発をする
このビジネスの構造でした。
しかし、審査の厳しさや薬のトレンドが変わり
１０年くらい前は
新薬成功確率が1/5000と言われていたのが
今や1/30000と言われています。
同じように開発していたのでは、
数倍時間とコストがかかるようになったのです。
そして、軒並み
売上を支えていた新薬が特許切れを迎え
収益ダウンになっています。
こうなると、
後発品に力をいれる、
販売力を上げる
化合物ではなく、抗体等のバイオ薬にシフトする
などの戦略転換必要で、
また、自社完結のビジネスが成り立たず、
開発力や販売力を手に入れるため、
M＆Aを仕掛けるのです。
国内各社も
領域を絞ったり、
バイオに力を入れたり、
知恵を絞って戦略を遂行しようとしています。
その中で、
各社が何を成功の鍵（KFS）にしようとしているのか？
よく見ていくとよいでしょう。
少し前までは規制に守られ美味しい市場でしたが
それも通用しなくなっている製薬業界でどう戦うか？
今後の世界を目指すタケダやその他国内企業に注目です。
決してガチンコ勝負はしないでほしいですね＾＾
お読みくださりありがとうございます。
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