神社の裏の池のほとり
俺たちはお互いの誤解や思い違いを解いていく
智の涙の意味も………
俺が抱き締めた意味も…………
お互い語らずとも
繋いだ手から伝わってくる。
「愛しい…………」
と、言う感情…………
この手を放したくない…………
こんな思いは
彼女には感じたことがなかった。
これが "好き" って感情………
間違いなく俺は……………
智に…………恋をしている。
『なあ…………智。』
薄明かりが辺りを照らし
池には蛍が飛び交って
幻想的な風景が広がる中で
俺は、優しく声をかけた。
俺の声に
『…………ねえ、翔くん……。
もう…………手………放して…………』
と、智が俯いて訴えてくる。
だから
『だめ。
すぐ逃げようとするから
やっと手に入れたんだから………』
俺は、いっそう力を込めて
智の手を握った。
会えなかった時間を埋め合わせるように
お互い色んな話をして
ひとつひとつ絡まった糸を解いて
やっと手に入れたんだ
もう、放すもんか。
異性だから好きになる?
同性だと好きになっちゃいけない?
異性だから好きにならなきゃいけない?
同性だと諦めなきゃいけない?
異性ならうまく行く?
同性だとうまくいかない?
………………
「男女でも"違った"って思うんだね。」
多部ちゃんの言葉が甦る。
人を好きになって……………
両思いになるのは
………………奇跡なんだ。
俺の熱いまなざしに
智がまた目をそらして
『……は、……恥ずかしい………よ。』
と、手を握られてるのが
恥ずかしいと言う智。
『…………智。
はっきり言って。
俺、ちゃんと聞きたい。
智の口から………
智の本当の気持ちを聞きたい。
間違ってるとか、
同性だからとじゃなくて………
智の本心が知りたい。
智は……………俺を……………好き?』
『…………………………』