翔くんは、俺が潤くんとここ(祭り)に来てるって
思ってる。
智は、俺が彼女とここ(祭り)に来てるって思ってる。
二人で沢山の誤解を解かなきゃ。
じゃないと……………
俺たちは前に…………進めない。
『俺、彼女と付き合ってないから………』
翔くんが俺の前に立ちはだかり前を塞ぎ
「彼女とは、付き合ってない。」と言う。
暗くて翔くんの表情が読み取れない。
でも、どこか真剣で
"信じてくれ"って言ってるように聞こえるのは
俺がそう信じたいからなのかな……
『…う………嘘だ。
なんで………
なんで…そんな嘘つくの?
……………翔くんが……』
「楽しそうに、笑って
俺の目の前を彼女と歩いてたのを
見てたんだから……」
と、言いそうになったけど
それをグッと堪えた。
『なに?
俺が………なに?』
翔くんの優しい声が俺の心に染み入る。
いつもの翔くんの声だ。
俺の好きな声…………
『………………』
俯いた俺を、包み込むように
俺の頭を抱いて
『……智…………ちゃんと言って。
ちゃんと聞くから…………
ちゃんと話して。』
翔くんが一際優しい声で俺を諭す。
『……………俺、……
潤くんと…………来た……んじゃない。
祭り………だから………来たんじゃ
………ない。』
「水曜日だから………
約束の日だから………」
バカな俺。
話したいのに涙が邪魔して言葉にならない。
そんな俺の背中をゆっくり撫でながら
『………もしかして…………
水曜日……………だから?
智は今日が水曜日だからここに来たの?』
………やっと、
気づいてくれた……………?
「そうだよ。
俺は、いつも待ってた。
翔くんに"間違ってる"って言ったくせに
それでも、翔くんとの貴重な時間を忘れられずに
翔くんを傷付けたのに
それでも、来るかもしれないって
ずっと…………待てたんだ。」
俺は、何度も何度も頷いた。
『………まさか……
ずっと……………待ってた?』