女子トイレの前を通り過ぎた時
聞こえてきた女の子たちの噂ばなし。
どうも学校一美人という長澤さんが
昼休みに櫻井に告白をしたらしい。
手紙を渡して告白したが
「好きな人がいる。」と言って断られた
と泣いていたと言う。
「好きな人」って………………
絶対…………智の事だ………………
『櫻井もすみにおけないな。』
その日の放課後、帰り支度の智に
何気なく呟いた。
俺の言葉に智の体がピクンと跳ねる。
俺の口から櫻井の名前が出たことに驚いているのか
それとも、櫻井ってだけで敏感になっているのか
どっちでもいい………
どうせ、もう………
智を櫻井に渡すつもりはないんだから……
『…………長澤さんって言ったら
全校生男子の憧れのマドンナじゃん。
断る理由がないね。
いいなあ…………
俺だったら即OKしちゃうのに
男なら当然でしょ…………ねえ。』
『………………』
俺がもとめた同意に反応することなく
俯いて帰っていく智。
なに?
なにその顔…………………
なに?
俺そんなひどいこと言った?
今にも泣きそうな顔して………
櫻井の事でなんでそんな悲しそうな顔するの?
何でだよ。