『智がどこにいるか
知ってるってこと?
って言うか、会ったの?』
俺ってば…………
智はお父さんに捕まっていて
自由を奪われてるんだって…………思ってた。
だって、もし智が自由なら
俺達のところに真っ先に来るって
俺達の元に戻ってくるって
思ってたから…………
それに……………
性………転換……………って………?
男と………………同棲………って……?
『そ、それは……………
本当に……………智の話?
……………バカらしい。
俺はもう、帰るよ。』
と、俺は席を立った。
信じられない。
俺には信じられない話。
だから、信憑性のない話なんて
聞く気にもならない。
そんな俺に
『信じてないんだ。
私の話。
あれは絶対、大野さんだよ。
だって……………
あの弾きかたは大野さんだもの。』
『じゃあ、どこにいるの?』
俺の問いに
『おっしえなーい。』
と、はぐらかす山崎さん。
あー………
バカらしい………
『……そう。
………じゃあ…
やっぱ…うそじゃん。
バイバイ。』
と、背を向ける。
『嘘じゃないよ。
私、見たんだから。
あれは絶対大野さんなんだから。』
『どこで?!』
『…………………』
ほら、言えない。
そんなにしてまで俺の気を引きたいなら
逆効果だって気づかないかな…………
もう、これで彼女ともお終いだ。
『……じゃ、じゃあ………
私が連れてくよ。
大野さんを潤さんの所に連れていく。
それでいいでしょ。』
『へ?
本当に?
いつ?
いつだよ。』
まさか…………
彼女にそんなことが出来るの?
『じゃあ、
本当に大野さん連れていったら
私とデートして。
私、一度でいいから行きたい所があるの。
いいでしょ。』
『それが、本当に智ならね。
それぐらいしてやるよ。』
『じゃあ………………』
と言って、彼女の仕切りで
俺達はまた会うことになった。
酔ってる彼女を
家まで送るなんて気もないので
レストランの前でタクシーを停めて
無理矢理乗せてやった。
「え~。送ってくれるのが紳士でしょ。
で、送り狼になるのが一般でしょ。
潤くーん。」
って、叫んでたけどさ。
送り狼って、可愛い女の子ならありだけど
これじゃあ、俺の身の方が危ないからね。
丁重にお断りをした。