誤解を解くのも面倒で。
どうでもいいや。
って、感じだった。
『お前、本当に多部ちゃんと付き合ってるの?』
って、同じ部活の友人が聞いてきたけど
あえて、否定もしなかった。
その内、俺が多部ちゃんの事を好きで
長澤さんをふったってことになっていて
雅紀が俺に聞きに来た時には
もう、どうでもよくなってた。
多部ちゃんには迷惑かもしれないけど
多部ちゃんと付き合ってるって話なら
それでもいいかって
俺には、智のあの言葉通り
女の子と付き合ってみることで
普通の人間になれるかもしれない。
色んな恋愛を経て、
本当の愛を知るんだとしたら
これも経験なんじゃないかって………
智を忘れる努力を………
しないといけないんじゃないだろうか……
それからと言うもの
智との接点を持たないように
智から隠れて学校生活を送るようにした。
「…翔くん……まだかな………。」
翔くんを怒らせてしまったあの日から一週間。
いつもの水曜日。
いつものように銀杏の木の前で待っている俺。
翔くんは、まだ俺のこと………
怒ってるんじゃないかな……
って、思ってはいても
一週間に一度の俺たちだけの秘密。
これだけは翔くんも守ってくれるって信じてた。
友達として
俺達の関係は今まで通り
変わらずにあるって信じてた。
でも……………
学校で、翔くんを見かけることのなかった一週間。
まるで、学校に来てないみたいに
姿を見る事がなかった。
「彼女と付きあったら
ここに………来るわけないじゃん。」
あの日、翔くんが俺に投げつけた言葉が胸を抉る。
「……あっ……
そうか……………俺…………
…避けられてるんだ?」
今やっと気付いたよ。
そうか……………
俺達の秘密も、もうお終いてことか。
『あれ?
なんでこんなとこに智がいるの?』
暗闇から声がして振り向くと
そこには潤くんが立っていた。
『こんな時間に何してるの?』
と、ニコニコしながら近づいてくる。
『あっ。
じゅ、潤くんこそ』
俺は、少し後ろに後退り答える。
なんで?
なんでここにいるの?
『俺?
俺は今
家庭教師の先生を送ってきたところ。
いつもさ………
先生と夜空見ながら散歩してたんだよね。
ここ……』
と言う潤くんの声が
何でだろう凄く怖い……………