この道……………よく覚えてる。
幼い頃よく通った道だ…………。
ここにパン屋があって……
そう……ここのチョココロネをよく食べたんだ。
そして、ここに本屋があって…………
変わってない風景………
俺はいつしか幼い子供に戻ってはしゃいでた。
久しぶりのこの町に、車じゃなく電車で行きたいって言ったのは俺。
翔くんは俺に気遣って
また、嫌なことを思い出すんじゃないかって
車で行こうって言ったんだけど
俺が………そうしたかったんだ。
翔くんと居れば………
どんなことだって…………大丈夫。
駅から翔くんの家へと続く道。
緊張が半端ない。
でも、懐かしい風景が俺を安心させてくれた。
公園に差し掛かったとき
『懐かしいね。』
と、翔くんが言って
公園に入っていった。
『智…………
覚えてる?』
『なにを?』
『これ。』
それは、地球儀のような形をした回転するジャングルジム。
そうだ。
よくこの公園で5人で遊んでた。
よく覚えてるよ。
今では、使用禁止の黄色のテープがグルグル巻き付いて
登ることは出来ないけど
翔くんが怖がっていつもニノと回す役だった。
ニノはこれに乗って吐いたんだっけ………
思い出したら二人で笑ってた。
俺たちの横を幼い子供たちが通りすぎる
あの頃の俺たちのように
何も知らず楽しそうにはしゃいでる姿に
俺たちのような事がないようにと
願わずにはいられなかった。
予定時間よりちょっと遅れて翔くんの家に着いた。
翔くんのお母さんに会うのは何年ぶりだろう……
翔くんのお父さん、妹に弟………
翔くんの家族。
今度は、俺の家族にもなるんだ。
『それじゃあ………押すよ。』
翔くんが家のチャイムを鳴らすと
「はーい。」
って、楽しそうな声が帰ってきた。